WebTuned(ウェブチューン)NBロードスター

WebTuned(ウェブチューン)NBロードスター

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今回は「WebTuned(ウェブチューン)ロードスター」のご紹介です。1999年、テスト的にデミオで実施した限定200台のBTO(Build To Order)販売を、満を持したクルマ業界初の「通常サービス」としてスタートしたのがこのWebTunedシリーズです。

WebTunedサービスとは

このWebTunedサービスは、カタログモデルにとらわれずエンジン仕様やボディカラー、オプションパーツなどをウェブサイトで選択することが可能です。その結果を持ってディーラーで商談に入り、自分だけのオリジナル仕様をメーカーが出荷してくれるという販売手法でした。もちろん日本国内のみのサービスです。


商談の流れは、このような感じです(何度かリニューアルしているので、サービス時期により順番は前後します)。


WebTunedの見分け方は多々ありますが、その最たるものは左フェンダーステッカーです。


また、既存パーツの組み合わせだけでなく、ウェブ専用の限定カラー「サンバーストイエロー(NB2ロードスター)」とN「ライトニングイエロー(NB4ロードスター)」が用意されました。ちなみに、ライトニングイエローのNBロードスターは全国4台のみです・・・

驚異の164万円(税別)


そしてWebTuned一番のトピックといえば、このベースになるロードスターです。オーディオレス・鉄ホイール・手動サイドミラーという状態とはいえ、164万(税抜き)は衝撃的な価格です。NBでアップデートされたエアバッグなどの安全装備とエアコンは標準装備になるので、真のアフォータブル・スポーツカーであったかもしれません。オーディオを装着しても、約4万プラスのみです。


ちなみにベースのロードスターはNB4の時代に1万円ほど値上りをします(しかも税込表記になる)。それでも今この価格で出したら、とてつもなく「売れる」ことが想像できます。

注文の流れ・エクステリア選択


ここからは注文の流れをトレースしていきます。本来はインターネット上で画面を見ながら行うサービスですが、最終形のカタログから引用していきます。

ちなみに見積りサイトはアドビ・フラッシュで作られていて、好みの仕様を選択する度に、画面のロードスターが変化していきました。自分だけの「カスタマイズプラン」はウェブ上で保存することもできます。


先ずは「ベースモデル」にボディカラー、エンジン、ミッション、足周りの仕様を決めていきます。

ここでのポイントは【ビルシュタイン】を設定すると【ボディ補強(RSもしくはNR-A)】の仕様になる事です。ATでもボディ補強やLSDが装着可能でした。また、ボディ補強に準じて1600ccのMTはゼロ指針メーター(NR-A)になります。


ホイール、エクステリアオプションなどを選択。文字だけだとわかりづらいですけれど、ショップオプションも細かく選択することができます。撥水(ドア)ガラスはNB3(2002年)以降で全車採用でしたが、WebTunedのベースグレードはオプション扱いになっています。

インテリア/オプションの選択


次にインテリアオプションを選択します。シートカラーに合わせて、内装色もVSやRS2(NR-A)仕様に変更されます。ここで結構重要なポイントは、【ダークウッド】の内装オプションを選べること。

NB6C(1600cc)でもVSグレードのインテリアを選択することが可能です。レアアイテムとしては【5MT・ダークウッドシフトノブ】なのですが、NBロードスター乗りじゃないと、そのレアさは理解できませんよね・・・


最後にオーディオとマツダスピードオプションを選択していきます。記載は小さいですが、セミバケットシートも選択が可能です。しかし、流石にNR-Aで設定されていたロールケージを選ぶことはできません。※そちらは「クラブマンパック」として、ディーラーで装着する流れ。

ここでのレアアイテムは【マツダ純正・MP3オーディオユニット】です。モデル末期ではありましたが、他マツダ車の共通オーディオ規格に準じて、NB4からオプションですになりました。

そして見積もりを出力してディーラーで購入手続きへ。

まとめ


ちなみにWebTuned・NBロードスターは2001年2月1日から2005年3月7日まで注文することが出来ました。

ほぼ受注生産だったNBロードスターだからこそ可能だったサービスかと思いきや、その後デミオやファミリアでもWebTunedサービスが始まっていきました。マツダの混流生産で培ったノウハウがあったからこそ可能だった企画かもしれません。


その後、WebTunedのウェブサイトは2015年まで稼働していて、アクセラやRX-8、NCロードスターもカスタマイズの対象になっていました。しかし、最後はショップオプションのイメージをプレビューできる程度のものなっていました。


(左から:NB2/NB3/NB4)

実際にエンジン仕様まで含めて、ここまで個別カスタマイズが可能だったNBロードスター。NB2からNB4までのカラーバリエーションを並べてみても、オリジナル仕様の作成には夢が膨らみます。画像にはないですが、最後期は「グレースグリーン」が「ノルディクグリーン」になりました。


WebTunedはクーペやターボに近しい、NAから続いていたロードスター生産の熟成期ならではのサービスだったのかもしれません。「自分だけのロードスター」という贅沢なグレード、それがWebTunedロードスターです。

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