青いロードスター(26色)

青いロードスター(26色)

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モルフォ蝶における構造色、ターコイズの宝石、ルリビタキ(鳥)、青空など、自然界において「青」は特別な色になります。そういえば地球は青い星ですね。だから人類は「青色」の再現のために英知を注ぎ、青色LEDや青い薔薇なども作りあげました。

さて、そんな青色はクルマの定番カラーであり、特に欧州で好まれる傾向にあります。もちろん歴代ロードスターにも華やかなものから色気のあるもの、不思議なイメージなどの様々な「青」が設定されてきました。そこで今回は歴代の「青いロードスター」をご紹介します。

NAロードスターの「青」7色


NA6:マリナーブルー(MARINER BLUE)【DU】:カタログカラー
同色のマツダ車:なし

NAロードスターの初期ラインナップに設定された青がマリナーブルーです。オリジナル塗装は眩しく突き抜けたソリッドカラーであり、モチーフは米国3色国旗(赤・青・白)の華やかな色味になります。開発は北米市場からの提案であり、NA6(1600cc)のみで選択が可能でした。

後年NAロードスターの中古車が溢れた際、当時のソリッドカラーはクリアコートがなかったことから経年劣化で退色が進み、そんなマリナブルーのイメージから一部では「ポリバケツブルー」とか「ゴミ箱ブルー」と揶揄されることもありました。しかし、本来のマリナブルーを確認するとイメージするよりも彩度が高さに驚くはずです。

なお、NAロードスター専用のボディカラーであり、他マツダ車への流用はありません。


NA6改/NA8改:ブルーブラック(MEDITERRANEAN BLUE)【HQ】:カタログカラー
同色のマツダ車:なし

ブルーブラックはNAロードスターのバリエーションとして一目おかれるM2ブランドの車両となる「M2 1001」「M2 1028」に採用された専用カラーです。色名の通り基本はソリッドカラーの黒であり、光が当たると青味を感じることのできる上品な色味になっています。

M2車両はこだわりのオーナーが多く、大切にされている個体が多いので、ブルーブラックも極上のコンディションで目にすることが多いはず。特にメッキやレザーなどインテリアにも相当こだわっている1001(マルイチ・ゼロワン)は、ボディカラーとのコーディネートが素晴らしく、カフェレーサーモデファイは伊達じゃないことを感じることができます。

なお、フォード車両にも「HQ」というカラーコードがありますが(MEDITERRANEAN BLUE)、こちらは2011年に設定されたボディカラーになります。ただし(北米も含めた)マツダの工場で組まれたクルマは共通のカラーコードを持つので、密かにリファインされていた可能性があります・・・


NA6改:ブレーブブルーマイカ(BRAVE BLUE)【5N】:カタログカラー
同色のマツダ車:ユーノスコスモ、センティア

ブレーブブルーマイカはNAロードスターのバリエーション車両「M2 1002」(通称マルニー)に設定されました。こちらは専用色ではなく、ユーノスコスモやルーチェなどのプレミアムクラスに用意されたボディカラーであり、いわゆる濃紺がイメージに近しいです。どんな色も着こなすNAロードスターの懐の深さを感じることができます。

特徴的なのは特注のインテリアパーツでクラッシュパッドからシートベルトに至るまでアイボリーで統一されています。また、レザーシートは見た目の美しさを重視してヘッドレストスピーカーを廃止するこだわりです。ベルベットブルー起毛地張りのダッシュボード、本木目張りのセンターパネルなど、カタログモデルのVスペシャルをさらに消化させた、大人なコーディネートがきまっています。

残念ながら予定台数の販売に至らず、発注済みだったインテリアパーツを架装した「TOKYO LIMITED」が兄弟車として存在しますが、そちらは「ブリリアントブラック」に塗られています。また、現在ではプレミアムな一台としてほぼ市場に出ることはありません。


NA8:ラグナブルーメタリック(LAGUNA BLUE)【6W】:カタログカラー(SSP専用)
同色のマツダ車:キャロル、ファミリア・インタープレー

ラグナブルーメタリックはNA8(1800)シリーズ1の「Sスペシャル」のみに設定された、ある意味限定色といっても過言ではない、アルミフレークの入ったブルーメタリックです。ラグナとは「小さな湖」を指す言葉ですが、カリフォルニア州オレンジ郡南部の海浜保養地の地名(ラグナビーチ)でもあり、20世紀初頭から多くの芸術家が集まったことで知られる地名です。つまり、前衛的かつアーティスティックなブルーといえるでしょう。

色味としては「マリナーブルー」よりも明度が高く(明るく)、メタリックブルーは高級感とスポーティさを兼ねていることからホンダのシビックやCR-Xといったスポーツコンパクトなどに塗られていた、ある意味で自動車業界のトレンドになっていました。他マツダ車ではキャロルで多く見る色でした。


NA8:モンテゴブルーマイカ(MONTEGO BLUE)【2A/M8】:限定カラー(RSLtd)
同色のマツダ車:RX-7

「RSリミテッド」はSスペシャルをベースにBBS15インチホイール、レカロ社製フルバケットシートを装備した、走りにこだわった限定車です。NAロードスターの海外仕様に採用されていた、サイドマーカー上部の「RS」ステッカーがとてもカッコいいです。なお、モンテゴとは西インド諸島(ジャマイカ島)西部の北側に位置するジャマイカ第2の都市で、高級リゾート地域になります。

モンテゴブルーマイカの色味は青よりも「青緑」から明度を落とした、とてもシックな使いです。当時は主に高級車に採用されていたマイカ(雲母)塗装なので、光と影のフォルムで魅せる「ときめきのデザイン」もばっちり映えます。なおRX-7(FD3S)の初期型にも採用されていました。


NA8:サテライトブルーマイカ(Starlight Mica)【A5】:限定カラー(GLtd/RLtd)
同色のマツダ車:ユーノス500

サテライトブルーマイカはユーノス500に採用されていたプレミアムクラス用のボディカラーです。サテライト(人工衛星)の名の通り、薄暮(夕方から暗くなる時間帯)の青味ががかった空をイメージした色で、少し暖色に寄せたブルーブラックに仕上がっています。

「Gリミテッド」は幌まで含めて紺色で統一した限定車で、専用シートは欧州仕様に準じたヘッドレスト独立タイプになっており、でヘッドレストスピーカーの代わりにドアツイーターが追加されています。


限定車「Rリミテッド」はNAロードスターのチーフデザイナー(故)田中俊治氏の肝いりで、静なるサテライトブルーに対して動となる派手なレッド内装が特徴的で、ナルディウッドのオーガニックパーツでバランスを整えています。これだけ尖がった仕様なのにまとまっているのは、流石オリジナルデザイナーのコーディネートですね。



NA8:トワイライトブルーマイカ(TWILIGHT BLUE)【12K】:限定カラー(B2Ltd)
同色のマツダ車:センティア、ミレーニア、NBロードスター

トワイライトブルーブルーマイカは古くはセンティア、後年はミレーニアといったマツダのフラグシップ車両に採用されていたボディカラーです。トワイライト(夕闇)の通りトーンを落としたダークブルーになります。

「B2リミテッド」はNAロードスター最後期の限定車であり、専用の紺色幌やVスペシャルタイプⅡ用のメッキパーツなど、スピードグリーンの限定車「SRリミテッド」と同じく専用オプションパーツが全部盛りになっています。

NBロードスター「青」7色


NB1:トワイライトブルーマイカ(TWILIGHT BLUE)【12K】:カタログカラー
同色のマツダ車:センティア、ミレーニア、NAロードスター

トワイライトブルーはNBロードスターにおいてカタログカラーに昇格しました。旧Vスペシャルの専用カラー、ネオグリーン以来の快挙です。特に、ダークブルーのボディカラーとVSグレードに施されるタン内装のマッチングは定番といってもいいカッコよさで、NC/NDロードスターにも引き継がれるコーディネートになります。

なお、貴島主査(当時)が乗られていたNBロードスターもトワイライトブルーでした。


NB1:イノセントブルーマイカ(INNOCENT BLUE)【20P】:限定カラー(10th)
同色のマツダ車:RX-7、MPV、デミオ

イノセントブルーマイカは少し濃いめの「青」であり、世界統一仕様の「10周年記念車」に塗装されました。

日・北米・欧州・豪州で計7,500台(500台/海外7000台)がリリースされたこの限定車は、記念ということで青幌、ツートーンシート、各種クロームメッキパーツ、カーボンファイバー調素材と気合の入ったモデルであり、国内仕様に限ってはエンジンピストンのバランス取り(重量公差を無くす)されているのも大きな特徴です。

なお、イノセントとは「天真爛漫」「純粋」といった意味があり、ピュアスポーツカーのRX-7(FD3S)5型のテーマカラーとして開発された色になっています。


NB2:クリスタルブルーメタリック(CRYSTAL BLUE)【23C】:カタログカラー
同色のマツダ車:デミオ

クリスタルブルーメタリックはマイナーチェンジによりフェイスリフトを行ったNBロードスター後期型(NB2)のテーマカラーとして開発されました。

天候により「水色」から「空色」へ様々な表情をみせてくれる、なんとも表現が難しい色になります。2000年当時のトレンドカラーとしてアワードを受賞するなど、ある意味でNBロードスターを象徴する色になります。色味は明度・彩度をギリギリまで上げていて、当時はとても新鮮なボディカラーでした。

年をまたいでMR-SやS2000でも水色が採用されるくらいインパクトがありました。精悍な顔つきになったロードスター後期型では、排ガス規制前のNB8C(NB2)が、NBロードスターのNA(自然吸気)エンジンで一番元気なB型ユニットにチューニングされています。NB3以降でもカタログ上の馬力では同一表記ですが、規制対応により実はパワーダウンしているのです。


NB2~NB3:サプリームブルーマイカ(SUPREME BLUE/MIDNIGHT BLUE)【22A】:カタログカラー
同色のマツダ車:ファミリア、プレマシー、MPV

サプリームブルーマイカはトワイライトブルーから差し変わって採用されたNB2~NB3に設定されたカタログカラーです。

その色味は言葉では表現しづらく、あえて書くならば深縹(こきはなだ)や群青色(ぐんじょういろ)。トワイライトブルーを赤味に寄せた(紫までは行かない)深い青になります。なお、サプリームは「シュープリーム (Supreme)」と記載され「究極・至高・至上」という意味になります。

マツダ車ではファミリア、プレマシー、MPVにも採用されていたベーシックカラーでした。


NB2:スターリーブルーメタリック(STARRY BLUE/LASER BLUE)【24A】:限定カラー
同色のマツダ車:マツダスピードファミリア、デミオ、プレマシー

スターリーブルーメタリックは王道を行く青で、絵具のチューブからそのままひねり出したようなピュアな「青」です。スターリーとは「星の瞬き」という意味を持ち、その名の通りゴールドに塗装されたホイールが架装されました。なお、海外では「LASER BLUE」と突き抜けてスピード感のある青をイメージしたカラーネームになっており、カタログカラーとしても設定されています。

限定車「マツダスピードロードスター」はRSグレード(1800)に純正エアロパーツを装着し、マツダスピード・ブランドのエキマニ、マフラー、車高調を組み合わせた「走りに特化したモデルです。各種マウントパーツも強化されています。

当時、マツダスピードブランドを冠した「マツダスピードファミリア」も同じカラーコーディネートで限定販売されています。青いボディに黄色の差し色はカラーコーディネートの定番で、近年はスバルのエボリューションモデルにおけるテーマカラーになっていますが、ロードスターでも素直にカッコいいですね。


NB4:ストラトブルーマイカ(STRATO BLUE)【25E】:カタログカラー
同色のマツダ車:デミオ、RX-8、アクセラ、アテンザスポーツワゴン、MPV

ストラトブルーマイカはサプリームブルーと入れ替えで4型(NB4)のカタログカラーに設定されました。なお、海外ではNB3の限定車にて先に塗られています。

色名にある「ストラト(ス)」のとおり、成層圏(地球から宇宙の境目)へ抜ける空間をイメージした色であり、決して紺色や紫ではなく、とてもとても「深い青」になります。ランチアストラトスは駆け抜けるイメージを持って付けられたペットネームですが、マツダは色にストラトスの意味を込めました。

このストラトブルーマイカはRX-8をはじめ、プレマシーやアクセラなどのアスレチックデザイン世代で人気のあったボディカラーでした。


NB4:レイザーブルーメタリック(RAZOR BLUE)【28P】:国内未設定
同色のマツダ車:MPV、ベリーサ

レイザーブルーメタリックはNBロードスター後期型(NB4)の海外限定車「Arctic」などに採用されました。一見NB2のクリスタルブルーメタリックに近しくみえますが、若干彩度を抑えてクール寄りな設定になっています。ちなみにレイザーはLAZER(光線)ではなくRAZOR(かみそり)の綴りを採用しており、エッジを効かせたイメージを持たせています。

この青を基とした「Arctic(北極)」を意味するシリーズはNC、NDロードスターも定番の限定車として設定されていました。

NCロードスターの「青」8色


NC1:ウイニングブルーメタリック(WINNING BLUE)【27B】:カタログカラー
同色のマツダ車:RX-8、アクセラ、デミオ

開発段階からRX-8と共通点が多かった3代目NCロードスターでは、初期カラーラインナップも近しいものが採用されています。

ウイニングブルーメタリックは分かりやすい「青」であり、純粋な青がカタログ入りしたのはNAロードスターのラグナブルーメタリック以来になります。ウイニング(勝利)の響き通り王道の青であり、アスレチックデザイン世代の特徴となるギラッとしたメタリック感は近年中々みない色味でしょう。

ただし、1年後のRHT(リトラクタブルハードトップ)仕様のデビューに伴いカタログ落ちしてしまい、めったに目にしない、レアカラーになってしまいました。


NC1~NC3:ストーミーブルーマイカ(STORMY BLUE)【35J】:カタログカラー
同色のマツダ車:RX-8、ベリーサ、アテンザ、MPV、マツダスピードアクセラ、ビアンテ

ついに登場した電動ハードトップのNCロードスターRHTにおいて、そのテーマカラーに設定されたのがストーミーブルーマイカです。RX−8やNBロードスターでも採用されていた「ストラトブルーマイカ」の後継となる色で、いわば「藍色」といえるでしょう。ストーミー(STORMY)とは「嵐」を意味する言葉で、スピード感のあるイメージを持たせています。

なお、RHT資料はプレミアムグレードになる「VS」推しなので、ストーミーブルーは色のついた内装ととてもマッチします。カタログ写真では比較的明るめに撮られていますが実車はもっと濃い印象で、実はM2 1028のブレーブブルーマイカ化イメージに近しいです。かなり好評だったからなのか、最後期のNC3までカタログ入りしていました。


NC1:アイシーブルーメタリック(ICY BLUE)【33Y】:国内未導入
同色のマツダ車:ベリーサ、MPV、アクセラ、CX-7、デミオ、プレマシー

アイシーブルーメタリックは海外限定車「NISEKO」等で採用されています。NCロードスター(MX-5)限定車は日本語にちなんだペットネームが採用されており、こちらは北海道の「ニセコ」にちなんでいます。広大な自然にマッチングするオーガニックなイメージですね。アイシー(ICY)とはもちろん「氷」を指します。

NBロードスターの「クリスタルブルーメタリック」「レイザーブルーメタリック」をリファインした色味であり、単純なスカイブルーでいかないところがマツダらしいですね。


NC2:メトロポリタングレーマイカ(METROPOLITAN GRAY)【36C】:カタログカラー
同色のマツダ車:デミオ、ベリーサ、MPV、アクセラ、RX-8

色名に「グレー」と入りますが、青みの入ったグレーなのでご紹介します。メトロポリタングレーは大都市を意味する通り、工業的な美しさを感じる色味です。特に、陽が当たると「ストーミーブルー」よりもさらに落ち着いた、色気すら感じる「青」に見えることが特徴です。

イメージとしてはNA~NBロードスターで採用された「モンテゴブルーマイカ」に近しいです。ちなみに元主査である貴島さんの愛車の色でもあります。


NC2:オーロラブルーマイカ(ELECTRIC BLUE)【34J】:国内未導入
同色のマツダ車:アクセラ、CX-7、デミオ、プレマシー、アテンザ、RX-8

NCロードスターの「20周年記念車」は全世界統一仕様でしたが、国内は白いボディカラーしか設定されませんでした。海外ではNBロードスター「10周年記念車(イノセントブルー)」と同じく、鮮やかな「青」が採用されています。

様々な色味に変化するオーロラの名を冠する通り、艶やかで豊かな表情を見せてくれる青になります。海外名はElectric(電撃的)と、面白い名前になっています。なお、国内ではファイスリフトをおこなったRX−8後期型に開発されたテーマカラーであり、そういう意味ではRX-7後期型の「イノセントブルー」の後継色といえるでしょう。


NC3:ドルフィングレーマイカ(DOLPHIN GRAY)【39T】:カタログカラー
同色のマツダ車:ベリーサ、CX-9、アクセラ

ドルフィングレーマイカはNCロードスター最後期(NC3)のテーマカラーであり、メトロポリタングレーと入替でカタログ設定されました。色名(ドルフィン)の通りイルカをイメージしな優雅な色味で、都会的なグレーから有機的なブルーグレーになりました。

華やかな色味ではありますが、NC3ロードスターの球数自体が少ないために実色を確認する機会は少ないかも知れませんが、国内ではベリーサに塗られていたりします。


NC3:アクアティックブルーマイカ(AQUATIC BLUE)【40E】:国内未導入
同色のマツダ車:デミオ

アクアティックブルーは、ハイブリッドではなく内燃機関でエコとパワーを両立したスカイアクティブエンジンを採用した、その象徴となるスカイアクティブ・DEデミオのテーマカラーとして開発された色です。

残念ながら不人気となっていた国内NCロードスターには設定されなかったのですが、ヨーロッパでは人気を維持していたことから、走りに振った海外限定車「SPORT GRAPHTIE」などにアクアティックブルーは採用されました。これまた不思議な青で・・・若干緑に寄せている色味で、「青」ではなく「碧(※あおみどり)」に近しいイメージです。


NC3:ディープクリスタルブルーマイカ(CRYSTAL BLUE)【42M】:カタログカラー
同色のマツダ車:魂動デザイン世代

NC3ロードスターへのマイナーチェンジと共に、ストーミーブルーよりもシックに寄せたディープクリスタルブルーが採用されました。ただし、国内におけるNC3ロードスターの人気カラーは「白」になっていたので、このディープクリスタルブルーはとてもレアな存在です。

NDロードスターの「青」4色


ND(2015-16):ブルーリフレックスマイカ(BLUE REFLEX)【42B】:カタログカラー
同色のマツダ車:魂動デザイン世代

ブルーリフレックスマイカは「魂動デザイン」自体のテーマカラーであり、通称「魂動ブルー」と呼ばれています。近年のマツダはソウルレッドがテーマカラーとなっていますが、魂動デザインのコンセプトカー「SHINARI」専用に開発された由緒正しい色であり、魂動デザイン本来のイメージはこちらになります。

そうはいってもNBロードスターのクリスタブルブルーメタリックみたいに分かりやすい水色ではなく、実車では表現が難解なカラーになります。環境によってブルーやグレーにくるくると表情を変えていくため、玄人好みの色味といえるでしょう。

余談ですが、ハードトップモデルのロードスターRFでも最初期のみ「ブルーリフレックスマイカ」を選択することができましたが、約1年で後述の「エターナルブルー」に差し変わっているので、RFにおける実車はとてもレアな存在になります。


ND(2017-19):エターナルブルーマイカ(ETERNAL BLUE)【45B】:カタログカラー
同色のマツダ車:魂動デザイン世代

2017年末の商品改良とともに、上記ブルーリフレックスマイカと入れ替わる形でカタログ入りしたのが、エターナルブルーマイカです。素材画像では明度を抑えてありますが、特に陽光の元ではブルーリフレックスよりも青味が増しています。エターナル(永遠・不滅)の名の通り、広大な空や海を感じる色味です。


他マツダ車ではアクセラスポーツやデミオ、CX-3で選択することができました。なお、デミオには「ディープクリスタルマイカ」「ダイナミックブルーマイカ」という分かりやすい「青」が設定されており、それがNDロードスターに採用される期待感がありましたが、そちらは兄弟車のFiat124spiderへ塗られています。

エターナルブルーは「青」が欲しかったNDロードスターオーナーの悲願が達成されました。


ND(2020-22):ポリメタルグレーマイカ(POLYMETAL GRAY)【47C】:カタログカラー
同色のマツダ車:魂動デザイン世代

ポリメタルグレーマイカは2019年末の商品改良とともに設定されました。ポリメタルとは「ポリマー(化学物質)」と「メタリック」の両方の質感を持つことを意味しており、塩ビ管のような化合物をイメージしてデザインに昇華させています。

色名にグレーと入りますが、アウディなどの欧州車で目にする明るいブルーグレーであり、当時は同時にシルバー幌と組み合わせた「シルバートップ」が、期間限定で選択することが可能でした。

なお、この色はMAZDA3とCX-30のテーマカラーでもあり、魂動デザインとのマッチングは折り紙付き。2019年のオートカラーアウォードのグランプリも受賞しています。


ND(2020-):ディープクリスタルブルーマイカ(CRYSTAL BLUE)【42M】:カタログカラー
同色のマツダ車:魂動デザイン世代

ディープクリスタルブルーマイカは2020年末の商品改良にて、上記エターナルブルーと差替えで採用されたカタログカラーです。カラーコードからも判別できる通りブルーリフレックスマイカ時代の色で、NC3ロードスターにも塗られていた定番色が復活しました。

同時にM2 1002のコーディネートを彷彿とするホワイト内装の期間限定仕様「White Selection」が設定されました。メーカーストックのカラータンク都合であるかもしれませんが、旧ロードスターに採用されていたボディカラーが復活するのは、クラシックレッド以来の快挙でもありました。

まとめ


以上、歴代の「青いロードスター」を並べてみました。

国内ではカタログラインナップであってもなぜか短命で終わってしまう純粋な「青」ですが、海外に目をむけると限定車などでしっかり定番色として揃っており、国民性によって好みの色が違うことを感じます。ただ「青」は彩りを感じる色味なので、その火を消さないでほしいですね。


さて、ロードスター30周年記念車も「青」が設定されるかと予想していたのですが、鮮烈な「レーシングオレンジ」になりました。果たして青い限定車が今後復活することはあるのでしょうか・・・個人的には、NDロードスターに「マリナーブルー」が復活したら、神チョイスだと思うのですが!

関連情報

クリスタルブルーメタリックのNBロードスター

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