赤いロードスター(18色)

赤いロードスター(18色)

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近年のマツダ車全体におけるテーマカラーは、デザインテーマとなる魂動デザインにおいて「色も造形の一部」として開発された「ソウルレッド」シリーズがあります。その深い赤のコンセプトは「見る者の魂を揺さぶるような究極の赤をつくろう」というもので、マツダブランドを体現するもののひとつとして定着しています。

ただ、ソウルレッド以前にもマツダは赤にこだわる会社で「赤いファミリア」「赤いMPV」「赤いプレマシー」など、意外なクルマにも赤いボディカラーが採用されています。「赤」はクルマのデザインに自信がないと設定できない・・・とまでされる色であり、フラグシップたりえるスポーツカーならば定番のボディカラーになっています。したがって歴代ロードスターでも赤いボディカラーは絶対に外せない存在です。

NAロードスターの「赤」2色


NA全車:クラシックレッド(Classic Red )【SU】:カタログカラー
同色のマツダ車:コスモ、AZ-1、デミオ、トリビュート、アテンザスポーツ、MPV、NBロードスター

クラシックレッドはNAロードスターのテーマカラーであり専用色として開発されました。ロードスターは当時のマツダデザインテーマ「ときめきのデザイン」第2弾(※)として、日本文化の持つ無駄を削いだシンプルな美しさを表現しており、それを際立たせるとても美しいソリッドカラーの赤に仕上がっています。(※第1弾はロードスターと同じチーフデザイナー、田中俊治氏(故人)が手掛けたセンティア)

当時のソリッドカラーはクリアコートをしないことから、かつては経年劣化でピンク色のカサカサになっている個体もありましたが、今やユーノスロードスターはご神体のような存在なので、ボロっちい個体を街で見かけることはなくなりましたね。逆に、今でもオリジナル状態を保っている凄いクルマもあり、オリジナルのクラシックレッドにおける色味は、想像よりも鮮烈。ピュアでまぶしい赤なことに驚かされます。

NAロードスター自体も、ボンネットのパワーバルジからフェンダーに繋がるライン、サイドビューから確認できるコークボトルシェイプ、ストンと落ちるフレア周り、硯箱(すずりばこ)のようなトランクなどどこから眺めても飽きない造形で、そこに塗られたクラシックレッドはリフレクション(光の反射)とともにドラマチックな表情を魅せてくれます。本当に奇麗なクラシックレッドはシンプルにカッコいい!

なお、NAロードスターのサイドシルはシャープなボディラインを演出するために、黒いチッピング塗装がほどこされるツートンカラーが正解です(※NA8後期型の濃色では割愛される)。

ロードスター専用色として開発されたクラシックレッドですが、AZ-1やユーノスコスモ(前期)にも塗られています。なお、RX-7(FD)やMX-6は「ヴィンテージレッド」、ユーノスプレッソやAZ-3は「ブレスレッド」と、同時期のマツダ車でもニュアンスの異なるソリッドカラーの赤が複数存在します。こだわりは素晴らしいけれど、そりゃ経営難にもなりますよね・・・したがって、以降のロードスターは基本的に他マツダ車と共通のボディカラーになっていきます。


NA8:アールヴァンレッドマイカ(Merlot/Vin Rouge)【A1Q】
同色のマツダ車:ユーノス500、ユーノス800、NBロードスター

アールヴァンレッドマイカは限定車「VRリミテッド・コンビネーションA」に用意されたボディカラーです。アールヴァン(=Art Vin)はトルコ北東部の都市で、「山珊瑚」という濃赤色な宝石の生産地であり、色名はその「深い赤」にちなんでいます。マイカと付く通り、塗料に雲母フレークを混入しておりキラキラした塗面になっています。おかげで、クラシックレッドよりもトーンは落ちていても輝きは負けていません。

シックなボディカラーとともに、カタログモデル「Vスペシャル」とは異なる、明るいタンレザーインテリアを採用。大人なロードスターを味わえる限定車でした。

ロードスター以外ではユーノス500(後期)やユーノス800にも設定されています。なお、ユーノス系高級セダンではハイレフコート(ボディを回転させながら塗装・乾燥させる鏡面塗装)塗装が売りでしたが、後期型は普通のクリアコートに変わっています。したがって、アールヴァンレッドマイカも普通のクリアコート仕上げです。なお、海外では市場により「Merlot Pearl」「Vin Rouge」など、赤ワイン用にちなんだ名前が付けられています。まさにワインレッド!

NBロードスターの「赤」6色


NB全車:クラシックレッド(Classic Red/Eternal Red)【SU/A3E】:カタログカラー
同色のマツダ車:コスモ、AZ-1、デミオ、トリビュート、アテンザスポーツ、MPV、NAロードスター

NBロードスターでは先代のイメージを継ぐために、多くのカタログカラーがキャリーオーバーされました。ロードスター専用色であるクラシックレッドもそのひとつで「遠くから見たらいつものミアータ、近くでみたら新型だ!」とったコンセプトイラストも残されています。ソリッドカラーであることに変わりはないですが、実はクリアコートを施していることからも後期型(NB2以降)ではカラーコードが更新されました。

NBロードスターはキャラクターラインを極力廃し、全て抑揚と曲面で構成されているオーガニックシェイプ(オーガニックフォーム)なエクステリアであることが特徴ですが、ボディ全体のぬるりとした造形を強調する点において「クラシックレッド」は本領を発揮しています。当時は街にカラフルなクルマがあふれていたので目立たない存在でしたが、白や黒の無彩色カラーの多い昨今においてはネオクラシック・スポーツカーらしいカッコよさも感じることができます。

なお、NAロードスターでツートンだったサイドシルは、NBロードスターではボディ同色のチッピング塗装に変更されました。リアフェンダーのフレアにボリュームがあるので、実車ではカタログ諸元以上にワイドで抑揚の効いた色気を感じるはずです。


NB1:アールヴァンレッドマイカ(Mahogany)【A7/23E】:限定カラー
同色のマツダ車:ユーノス500、ユーノス800、ミレーニア、NAロードスター

先代の限定車「VRリミテッド」をトレースして設定されたのが、NBロードスター限定車「NRリミテッド」です。アールヴァンレッドの限定カラーだけでなく、10周年記念車と同じバフがけの15インチ純正ホイールを架装しており、シックなボディカラーにキラッとした差し色がプレミアム感を演出します。

また、カラーコードが【A7】へ更新されていることと、北米版NRリミテッド(世界統一仕様)「Miata SE 2000」には「Mahogany(マホガニー)/Art Vin Red(アールヴァンレッド3)」という色名が採用されています。そのカラーコードは【23E】となっており、2000年代のマツダカラー(クリスタルブルーメタリックなど)と同じ系譜になっていることからもコードが更新されていますが、同色であると類推されます。

なお、カタロググレードの「VS」とインテリアカラーが異なることも特徴で(タン → アイボリー)、こちらはNBロードスター後期型(NB3以降)の「VS・コンビネーションB」にて正式にカタログ入りします。


NB3:ガーネットレッドマイカ(Garnet Red)【25F】:カタログカラー
同色のマツダ車:ファミリアセダン

NBロードスター後期型(NB3)のテーマカラーに採用された、クラシックレッド以来の「赤いカタログカラー」がガーネットレッドマイカです。実車は画像よりも彩度が高く、アールヴァンレッドよりも「明るい」ワインレッドに仕上がっています。なお、色名の由来はガーネット(=ざくろ石)からきています。

他マツダ車では唯一ファミリアセダンが採用していますが、僅か1年でカタログ落ちしています。したがって、国内では283台(全体の0.9%)しか流通していません。なお、カタログカラーのグレースグリーンマイカ(緑)と対をなす存在で、かつてのVRリミテッドのように並べると相性がいいのも特徴です。


NB4:ラディアントエボニーマイカ(Black Cherry)【28W】:カタログカラー
同色のマツダ車:アテンザセダン、ベリーサ、RX-8、MPV、CX-7、デミオ

ラディアントエボニーマイカはNBロードスター後期型(NB4)で採用、ガーネットレッドマイカと入替になったボディカラーです。色名の由来は「つややかな黒檀(※弦楽器などの材料になる木)」からきています。宣材画像だとガーネットレッドマイカよりも少し暗くなったくらいの印象ですが、実車は黒色に近しく「光が当たるとじわっとレッドに見える」なかなか面白いボディカラーです。海外名の「Black Cherry(ブラックチェリー):濃いさくらんぼ)」もなるほど、納得ですね。

最後期にカタログ入りしているので、全国で175台(0.6%)とかなりレアなボディカラーになりますが、同時期のマツダ車にも多く塗られた色なので、色自体は見かける機会はそれなりにありました。


NB4,7:ベロシティレッドマイカ(Velocity Red )【27A】:限定カラー
同色のマツダ車:RX-8、アテンザスポーツワゴン、アクセラ、ベリーサ、NCロードスター、CX-5

ベロシティレッドマイカは、国内のNBロードスターでは後期型(NB4世代)の限定車、ロードスターターボやロードスタークーペ(NB7)に採用されました。もともとは新時代のマツダ・フラグシップとなるRX-8のテーマカラーとして開発された色で、2000年代のデザインテーマ「アスレチックデザイン(Zoom-Zoom)」を体現する元気でスピード感のある「赤」です。フォード資本時代でもあったので、北米で受けそうなギラついたオレンジ寄りの色味に仕上がっています。面白いのはマイカ塗装なのにソリッド寄りに見えること。リフレクション(反射)ではなくフォルムを魅せるための色といえるでしょう。

なお、海外ではカタログカラーのNBロードスターにも塗られていて、マツダを象徴する「ソウルレッド」系と同じメーカーのテーマカラーでもありました。


NB4:パッションオレンジマイカ(Lava Orange)【27Y】:国内未導入
同色のマツダ車:トリビュート、ベリーサ、デミオ

パッションオレンジマイカは海外のNBロードスター最終生産車に採用された色であり、ターボ(Mazdaspeed Miata)などの限定車に採用されました。NBロードスターのテーマカラー「エボリューションオレンジ(金色)」を赤味に寄せたような色合いで、2代目デミオのテーマカラー「スパイシーオレンジ」に近しく、実際に3代目デミオのオレンジ色として設定されていました。

ロードスター30周年記念車(ND)の「レーシングオレンジ」も素敵ですが、実はNBロードスターもピリっとした色が似合います。ただ、2000年代前半に日本で「オレンジのスポーツカー」を販売するのは厳しかったのか、国内導入は見送られてしまいました。

NCロードスターの「赤」6色


NC全車:トゥルーレッド(True Red)【A4A】:カタログカラー
同色のマツダ車:デミオ、RX-8(True Red style)、マツダスピードアクセラ、プレマシー

トゥルーレッドはNCロードスターに専用開発されたソリッドカラーの赤です。ロードスター史上最も彩度・明度ともに高く、量産されたマツダ車においてもソリッドレッドの頂点ではないでしょうか。当時、新たに開発されたアクアティック塗装(水性塗料)にあわせて従来のクラシックレッドをアップデートする意味合いもありました。

プレーンなデザインのNCロードスターですが、当時のデザインテーマ・アスレチックデザインの特徴となるプロミネントフェンダーがひとつのアクセントとなっており、一見無機質なようでも観察すると躍動感に溢れれていることが分かります。それでも当時は、従来型よりもベルトラインが上がったことや、諸元上の数値で「ボディサイズが大きい」と騒がれて、本質が語られなかったのは残念でした。

そのようななかトゥルーレッドのロードスターはとても目立つ存在で、暗いところでも明るい「赤」は一目置かれる存在でした。恐らくですが、魂動デザインの「次」にNCロードスターが登場していたら評価は違ったと思われます。いかつい顔や背の高いSUVが闊歩するなかで、ある意味クラシックで、ある意味モダンで・・・未来のロードスターデザインといってもおかしくないんですよね。登場が早すぎたようです・・・


NC全車:カッパーレッドマイカ(Copper Red)【32V】:カタログカラー
同色のマツダ車:RX-8、アクセラスポーツ、MPV、CX-7、プレマシー、アテンザセダン

NCロードスターの上質グレード「VS」系のテーマカラーとして開発されたのがカッパーレッドマイカです。カッパー(銅)の色名通り、明度を落としたシブい赤になりますが、彩度は落としていないのでNBロードスターのガーネットレッドよりも色温度は高い事が特徴です。

マイカ塗装による深みと絶妙にシックな色合いが好評で、NCロードスターに限らずあらゆるマツダ車に採用され、根強い人気を誇ったボディカラーでもあります。最後期にはジールレッドマイカに差し変わりますが、その進化系はソウルレッドになるので、それらのルーツとなる「マツダの赤」といえるでしょう。


NC1~2:ベロシティレッドマイカ(Velocity Red )【27A】:限定カラー
同色のマツダ車:RX-8、アテンザスポーツワゴン、アクセラ、ベリーサ、NBロードスター、CX-5

NBロードスターの限定車でもさいようされましたが、もともとはRX-8用に開発された赤です。NCロードスターではデビューと同時に設定された限定車「3rdジェネレーションリミテッド」に塗られました。ピラーやドアハンドルなどのメッキパーツを架装したエクステリアが目を引きますが、専用インテリアにも注目です。

レッドレザーシートをはじめドア内張りも赤く決まっており、スポーツカーらしい尖ったコーディネートもこなすNCロードスターの懐の深さを感じます・・・が、国内ではあまり人気が無く予定数の販売に至りませんでした。なお、海外ではNC2以降にもベロシティレッドマイカの限定車が存在します。


NC1:ラディアントエボニーマイカ(Black Cherry)【28W】:限定カラー
同色のマツダ車:アテンザセダン、ベリーサ、RX-8、MPV、CX-7、デミオ

NBロードスターにも採用されていた色で、NCロードスターでは限定車「ブレイズエディション」に塗られました。ブレイズとは「きらめき」「強い光」「燃え立つような色彩」という意味があり、ラディアントエボニーマイカの対として「ハイランドグリーンマイカ(緑)」もブレイズエディションには設定されています。

限定車のコンセプトはNAロードスター「Vスペシャル」をリスペクトしたもので、インテリアカラーにはサンドベージュを採用。BBSのホイールやホワイトでまとめたレンズ関係など、クールでエレガントなコーディネートに仕上げています。先にも書きましたが、実車は「赤」というよりも「紫」というか・・・「黒」がベースで赤にも見える不思議な色合いです。


NC3:ジールレッドマイカ(Zeal Red)【41G】:カタログカラー
同色のマツダ車:CX-5、アクセラスポーツ、プレマシー

カッパーレッドマイカに差し変わる形で、NC3ロードスターの最後期に採用されたのがジールレッドマイカです。ジールとは「熱意・熱気」という意味で、ソウルレッドが登場するまでの魂動デザインマツダ車(CX-5)にも採用されていました。カッパーレッドよりも少しだけ「赤味」が増しているのが特徴です。しかしこのジールレッド、レアカラー過ぎてよほどのロードスターマニアでないとその存在に気づけないと思われます・・・


NC3:ソウルレッドプレミアムメタリック(Soul Red)【41V】:限定カラー
同色のマツダ車:魂動デザイン車(第六世代商品群)

「色も造形の一部」とするマツダ魂動デザインを体現するため開発されたソウルレッドプレミアムメタリックは、それまで見たことのなかった、とてもとても深みのある「赤」です。とくに太陽光の元で本領を発揮し、恐ろしいくらいの陰影で主張をしてきます。この色のデビューは本当に衝撃的でした。

したがって、基本的には魂動デザイン世代(第六世代商品群)のマツダ全車に採用されていますが、最後の登場になる予定のNDロードスターに先駆けて、NCロードスター「25周年記念車」にソウルレッドプレミアムメタリックが採用されました。この色、アルミフレークの下地にクリアレッドを重ねるという手間をかけており、クリアカラーをムラを出さずに塗装するのは本当に凄いことです(その代わり、事故の際に色味を合わせるのが大変だとか・・・)。

なお、25周年記念車自体が国内で激レア(日本国内25台)であることから、見かけたら拝むレベルの存在です。また、カラーコーディネート(ピラーやミラーなどが黒い)が、NDロードスターの予告となっているのも面白い特徴です。

NDロードスターの「赤」4色


ND(-2017):ソウルレッドプレミアムメタリック(Soul Red)【41V】:カタログカラー
同色のマツダ車:魂動デザイン車(第六世代商品群)

魂動デザイン、つまりマツダデザインのテーマカラーとなるソウルレッドプレミアムメタリックは、有無をいわさない存在感で、見るだけで心ときめいてしまいます。特に、NDロードスターのエクステリアはエッジの効いたデザインなので、リフレクション(光の反射)だけでなく、ソウルレッド特有のテクスチャー(映り込み)で真価を発揮します。

近年は他社においてもキャンディレッド系のボディカラーを揃えてきましたが、マツダ車のソウルレッドは明らかに別格です。本当にカッコいい・・・!


ND(2017):クラシックレッド(Classic Red/Eternal Red)【SU/A3E】:国内限定
同色のマツダ車:コスモ、AZ-1、デミオ、トリビュート、アテンザスポーツ、MPV、NA/NBロードスター

期間限定生産で、国内のみNAロードスターから由来する伝統のソリッドカラー、クラシックレッドを選択することができました。カラーコードもNBロードスターの時代にアップデートされた「A3E」が採用されています。しかし、ただの復刻ではなくNCロードスター時代からマツダに導入された水性塗料(アクアティック)で色味を再現したものになっています。

NDロードスターでは「アークティックホワイト(白)」とこのクラシックレッドの2色のみがソリッドカラーになるのですが、ソリッドカラーは抑揚の主張が大きめなNDロードスターにおいて、若干マイルドな印象に変わるところが面白いですよね。


NDロードスターのクラシックレッド車両は167台と、あまり多くない出荷数になりました。そうなると、他のマツダ車でもカタログラインナップに存在しなかったソリッドレッドをロードスター専用色として用意するのはコスト的に厳しいと思ってしまうのですが・・・

そこで、あくまで妄想ですが、実はこのクラシックレッドはNDロードスターの兄弟車になる「フィアット/アバルト124スパイダー(2016-2019)」の「ロッソコスタブラーヴァ1972(A7V)」と同じ色ではないかと類推できます。

124スパイダーはNDロードスターと同じラインで製造、もちろん塗装もマツダが行っており、124スパイダー(NF系)のボディカラーは全てマツダのカラーコードと合致します。しかしロッソコスタブラーヴァ1972のコード「A7V」のみアフターパーツメーカーでも調色不能となっており、124スパイダーのオーナー間では「タッチアップペイントをどうするか?」という論争が繰り広げられていました。

そこでマツダのソリッドレッドを辿っていき「ピュアレッド(NC)ではなくクラシックレッド(NA/AB)が近い」という結論に至っています。実は「A7」系のペイントコードはOEM車に設定するルールがあることから・・・マツダのお家事情を鑑みても200台程度の「専用色」を作る余裕はないはずで、恐らく・・・ということです。

なお、レストアプログラムで塗られたNAロードスターのクラシックレッドも、手塗りではありますがメーカー準拠のアクアティック塗料になっているそうです。


ND(2018-):ソウルレッドクリスタルメタリック(Soul Crystal Red)【46V】:カタログカラー
同色のマツダ車:魂動デザイン車(第七世代商品群)

魂動デザイン第二期(第七世代商品群)にあわせてアップデートされたソウルレッドが、ソウルレッドクリスタルメタリックです。NDロードスターRFが追加されるタイミングでNDロードスターにも採用され、カタログカラーも全車入れ替わることになりました。

前色との違いは「深みの表現」の差であり、太陽光に置いて比較するとより深い「光」だけでなく「影」も協調されます。宣材画像ではフラットに見えてしまいますが、背景が写り込む方がソウルレッドの持つ特徴的な「躍動感」を感じることができます。ソウルレッドプレミアムメタリックと並べてみると、クリスタルの方が明るくて、陰影もよりはっきりすることが分かるはずです。

どちらが好みかは人により違うと思いますが、どちらにせよ「色も造形の一部」と言い切るマツダデザインの底力を感じます。


ND(2019):レーシングオレンジ(Racing Orange)【A8X】:限定カラー
同色のマツダ車:なし

レーシングオレンジはNDロードスター「30周年記念限定車」に用意された専用カラーで、一見ソリッドカラーにみえますがマイカ系の華やかなオレンジ色であることが特徴です。NCロードスターの「ピュアレッド」「サンフラワーイエロー」と比較しても、暗所で明るく主張をしてくる、スピード感のある色になります。

30周年記念車は専用ボディカラーだけでなく、インテリアも含めて文句なしの架装である特別なロードスターですが、中古車市場ではプレミア価格になっていることだけが残念です。

なお、先に紹介したクラシックレッドと違い、世界統一仕様の限定車なので3,000台が製作されています。また、MAZDA2のエクステリアではレーシングオレンジの差し色を入れるアレンジが純正オプションで用意されています。


そんなわけで、つらつらと赤いロードスターをご紹介しました。ロードスターを歴代グラデーションで並べるのを見てみたいですね。そんな機会があれば楽しいでしょうね・・・

関連情報

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