この記事を読むのに必要な時間は約9分です。
シルバニアファミリー・ふたりでおでかけオープンカー
シルバニアファミリー(Sylvanian Families)は、エポック社により1985年から商品展開するドールハウス(および人形)のシリーズです。その人気は玩具に留まらず映像化もされるほどで、ご家庭に小さな女の子がいたら一度は触れる機会があるのではないでしょうか。
実は、その多岐にわたるラインナップ上の「のりもの」カテゴリーにおいて、かつて素敵なオープンカーが販売されていました。
ふたりでおでかけオープンカー
オレンジ色のおしゃれな二人乗りのオープンカーです。
ほろ(車のやね)はあげたり、さげたりして遊べるよ。
今日はどこへおでかけしようかな♪
メーカー希望小売価格:2,980円(税抜)
発売日 :2015-04-11
アイテムコード :27630
品番 :v-03
上記、動画内で洗車しているショコラうさぎパパ(フレイジャーさん)の心中はお察ししますが、このクルマ・・・有名どころの幌車アイコンを盛り込んでいることが確認できます。そう、どうみてもアレに似ていますよね・・・そんなわけで小改造を行ってみました。
ちなみに、この「ふたりでお出かけオープンカー」は現在カタログ落ちしているのですが、2シータ―幌車というマニアックな題材がウケなかったのか・・・かなりの割合でオークションやホビーショップで投げ売りされているので、容易に手に入れることができると思います。
シルバニア・オープンカーを分解、形状変更する
某フリマサイトにて格安で手に入れたオープンカーは、長期間放置されていたのかホコリの汚れは気になりますが、それを払うと奇麗な状態であることが分かりました。ぶっちゃけると顔はNBロードスター、プロミネントフェンダーはNCロードスターのモチーフが入っているように感じられます。
ベルトラインのうねったコークボトルシェイプにおいて人形の顔が見えるのは、ロードスターの実車と同じコンセプトですね。
ちなみに、幌を畳むとこんな感じ。素材は布(クロス幌)であり、Z閉じをするので幌骨も気になりません(!?)。何気にウッド&革内装っぽく装飾されているので、エレガントな雰囲気が醸し出されています。うさぎパパは意外とエンスージアストなのかも知れませんね。なお、ボディはABS製のオレンジ成型色でした。
分解は意外と大変で、底面にある4本のビスを外すだけではあるのですが・・・以外に「がっつり」爪がハマっているので、内部ピンを割らないように慎重かつ大胆に、ボディを取り外していきます。
また、幌のリンク機構はユニットごと外すことが可能です。なかなか凝っている構造でしたが、組み直せるようにこの写真が重要になりました。
そんな訳で分解されたボディパーツたち。ステアリングは左ハンドル仕様にもできるようです。
どうやったらNBロードスターに似るのか、まずはマーカーを使ってイメージしてみました。
必要な作業は①エンブレムの削除、②エアインテークとウインカーの穴埋め、③グリルとフォグランプの開口あたりになりそうです。ちなみに、実車とバランスを見比べてヘッドライトを拡大させることも検討したのですが、左右対称にする自信がなかったので作業はオミットしました。
また、玩具はヘッドライトとバンパーが完全に分かれた造形でしたが、ヘッドライトを左右のラインで繋げると圧倒的にNBロードスターっぽくなることに気づきました。
そこで、該当箇所を模型用のポリパテで盛っていき、ヤスリで形状を整えていきました。
ちなみに衝撃にも耐えられるように(子供の雑な扱いともいう)、かなり肉厚なABSで成形されています。したがって「開口」を行うのはひと苦労・・・結局、ハンダコテで粗々に穴をあけ、鉄ヤスリで整えていきました。
さらに自動車用のサフェーサーで形状確認すると・・・ぜんぜん成形した部分が埋まっていなかったので、融きパテやプラリペア等を盛っては磨き・・・を繰り返していきました。
自己満足の世界なのでどこまでやるかは己次第ですが、とりあえずこれで下地作業をひと段落させます。
シルバニア・オープンカーを塗装する
まずは、明るい色から塗装するのがセオリーなので、全体にマスキングを施してタンの内装色を吹きました。
本当は私の愛車のベージュに合わせたかったのですが、インテリアの改造に手を入れると完成しなさそうだったので、サドルタン色と色合いがケンカしない、濃いめの内装色で塗ってあります。
内装の色が乗ったらさらに各部のマスキングを行います。ちなみに、塗料を乗せるためにミッチャクロン塗布が必要かと思いましたが、サフェーサーの状態でも食いつきが良かったので、そのまま塗装を行います。
塗装するのはもちろんガーネットレッドマイカで、これは愛車の補修のためにカーショップで調色してもらった余りのスプレーです。
15分間隔で時間を置きながら、ふわりと4回ほど色を乗せると・・・いつもの見慣れたカラーになっていきます。でも、マイカ塗装はこれだけじゃダメなんですよね・・・
そこで、まる一日乾燥させたのち、ライト部分のマスキングを外してクリアー(自動車用)を15分間隔で3回塗り重ねると・・・いつもの見慣れたガーネットレッドになってくれました!
ちなみに、マスキングを外す際に塗料が欠ける部分が出てしまったのですが、ガーネットレッド用のタッチペン(自動車用)でリカバリーすることができました。
ボディ塗装の仕上げとして、ベルトラインと三角窓部分をマスキング、ダッシュボードも合わせて模型用のガンシップグレーを吹きました。黒で塗装しても良かったのですが、模型的な見栄え重視で少し明るいグレーを選びました。
これでベース塗装は完了です。
シルバニア・オープンカーのディティールを作りこむ
ヘッドライトとテールランプの塗装イメージをPCで描いてみます。なるべく少ない色で、それっぽく見えれば・・・という意図でイメージしててみましたが、NBロードスター後期型のヘッドライトは3眼を表現するのがめっちゃ難しいんですよね・・・
テールランプはそれっぽく描けたのですが、ヘッドライトは何度やっても上手くいかず・・・都合3回目であきらめて、ハイライト入りのシルバー塗装にすることにしました(妥協ともいう)。ちなみに塗料はエナメルなので、乾いたのちにクリアーでコートをしています。
細かい造り込みは続きます。
ナンバープレートはプラバンでベースを作ってプラ棒でフレームをいれたので、プレート(ロゴ)の部分は差替えできるようになっています。
グリル裏に貼るメッシュは100円ショップの「網戸補修シート」を流用、凄く小さい「マツダマーク」は伸ばしランナー、エンブレムはプラバンの切り出し加工です。ガンダムマーカーで「MX-5」「Mazda」って何となく見えるように書いています。
また、フォグランプ部分は余っていたクリアパーツ(ガンダムエクシアのパーツを拝借)を、UVクリアレジンで接着しました。また、写真にはありませんがアゴの部分にマットブラックのフィニッシュシートを張り付けてあります。
シルバニア・NBロードスター
そんな訳で完成です!
ワインレッドの幌をベージュにしたいところですが、縫製技術が無いので今回はオミット・・・どうでしょう、NBロードスターに見えるようになったでしょうか?
リアからはこんな感じ。オープンギミック優先なので、閉じている姿は不格好ですが・・・それも味と捉えることにします。
そんな訳でオープンギミックを活かして・・・
それっぽく見えればいいかなぁというところです。ちなみに、フェンダーのサイドターンシグナルも作成したのですが、似合わないので装着しませんでした。
いい大人がシルバニアファミリーをいじくりまわすのはどうかと思いますが、いい改造ベースになりますので、皆様も「ふたりでお出かけオープンカー」をゲットしていただければと思います。
最後に、このクルマのオーナーでもあるショコラうさぎ一家にクルマをお返ししたいと思います。来ていただいたのはフレイジャーさん(パパ)とフレアお嬢さんです。
乗り味はいかがですか?「シャープなハンドリングがたまらんね!」・・・なんちゃって。
関連情報→