この記事を読むのに必要な時間は約38分です。
今回は約30年前にさかのぼって、1997年当時の新型ミアータ（NBロードスター）スクープ情報をご紹介します。
1997年のロードスター、時代背景
1997年・・・それはマツダにとって、そしてロードスターファンにとって、不安と期待に満ちていた不思議な年でした。
バブル崩壊の後遺症で経営が傾き、フォード傘下に入ったマツダ。ブランドロゴが「フライング・M（いわゆるカゴメマーク）」に変わり、世間では「ロータリーもロードスターも、終わりなんじゃないか？」なんて悲観的な噂さえ囁かれていた時代です。
そんななかで聞こえてきた、次期ロードスター（NB型）の足音。初代NAがあまりにも偉大すぎたせいで、期待よりも「変わり果ててしまうのではないか」という不安の方が大きかったかもしれません。
リトラクタブルヘッドライト廃止の噂、大型化の懸念、そしてアメリカ市場におもねった大味なクルマになるんじゃないかという不安・・・もとよりミレニアム（2000年まで非公式ながら）デザイン凍結宣言をしていたのに、話が違う！なんて反応もありました。
、次世代ではチャームポイントのリトラクタブルヘッドライト廃止の噂や、大排気量・大型化の予想もあったりして・・・当然既存オーナーからはポジティブではない反応を受けます。
北米のガチサイト、miata.net
その「空気感」の一部は、海外の超有名なミアータサイト（miata.net）にてアーカイブが保存されています。その内容があまりにも熱かったので、ここにご紹介させて頂きます。文章は意訳になりますので、英語力のある方は笑ってください。
約30年前の彼らの記録を、現代の視点で改めて振り返ってみましょう。
参考リンク：https://www.miata.net/
98～99年にリデザインされる！
当時のMiata.netに掲載されたスクープ記事。彼らの情報網の正確さには、今読み返しても舌を巻きます。これ、メーカーの中の人がリークしてたんじゃないか？って疑いたくなるレベルです。
彼らが「かなり確信している」として挙げたリストを見てみましょう。
’99?!? That’s what we hear from our sources. The release will still come in ’98, but it will be called a ’99 model. Does that mean there won’t be a ’98 Miata? We don’t think so.
Probably the most common question that passes through Miata.net is “What does the new Miata hold in store?” Unfortunately, Mazda doesn’t share much information with us (or anyone else, for that matter.) They’re keeping a very tight lid on the Miata redesign. But still, there are a few things we’re fairly certain of as well as a few other things that we and others speculate about.
98年・・・いや、99年のリデザインがやって来るぞ！
「99年モデルだって！？」我々の情報筋からは、そんな声が聞こえてきています。実際のリリースは98年に行われるようですが、呼び名はあくまで『99年モデル』になるそうです。「それじゃあ、98年式のミアータは存在しないってことかい？」いやいや、我々はそうは思いませんよ。
おそらく今、Miata.netを飛び交う質問の中で最も多いのがこれでしょう。「新しいミアータは、一体どんな隠し玉を持っているんだ？」
残念なことに、マツダは我々に（というより、実際のところ誰に対してもそうですが）情報をシェアしてくれません。彼らはこのミアータのリデザインに関して、それはもう厳重に口を閉ざしていますから。
それでも！我々が「かなり確信していること」、そして我々や他のファンたちが「推測していること」がいくつかあるんです。
１ Curved doors similar to the M Speedster and the M Coupe.
２ Non popup headlights similar to the MX-3.
３ Slightly more aggressive styling – a bit wider.
４ A bit more power (around 140 hp) combined with a 60 pound weight reduction.
５ Shorter shift throw. 6-speed gearbox in Japanese market only.
６ Glass rear window.
７ Room for 2 golf bags in the trunk. Spare tire lowered, but still inside car.
８ 200 Watt Bose Stereo system.
９ Retains Miata “character”. Everyone who has seen it loves it.
＜我々が”かなり確信している”9つの真実＞
１）あのコンセプトカー譲りの「セクシーなドア」
かつてのショーモデル「Mスピードスター」や「Mクーペ」で見せつけた、あの艶めかしく湾曲したドアラインが採用されるようだ。
２）リトラクタブルよ、さらば。ヘッドライトはポップアップしない固定式へ。
どうやらMX-3（日本名：ユーノス・プレッソ/AZ-3）の顔つきに近くなるらしい。
３）より「攻撃的」でワイドなスタンス
スタイリングは少しだけアグレッシブに。全幅も拡大して、地面に踏ん張るようなワイド感が増すようだ。
４）パワーアップと軽量化の「奇跡の両立」
パワーは140馬力前後へアップ。それでいて、なんと60ポンド（約27kg）ものダイエットに成功しているらしい。これが本当なら事件だ！
５）電光石火のシフトフィール（でも6速は日本だけ！？）
シフトストロークはさらにショートに。「カチッ」と決まるあの快感が増すわけだ。ただし、待望の6速MTは日本市場限定という噂だ（なんてこった！）。
６）ついに来た！ガラス製リアウィンドウ
あの曇って割れるビニール窓とはおさらばだ。これからはクリアな視界が約束される。
７）トランクにはゴルフバッグが2つ飲み込まれる
スペアタイヤは床下へ移動してスペースを確保。もちろん、ちゃんと車内に積んであるから安心してくれ。
８）200ワットのBOSEサウンド
オープンで風を切って走っても、最高の音楽が楽しめる強力なシステムが奢られるらしい。
９）魂（キャラクター）は、そのままに
これが一番大事なことだ。新型になっても「ミアータらしさ」は微塵も失われていない。実車を目撃した奴らは、例外なく一瞬で恋に落ちたそうだ。
Mクーペとはその名のとおりミアータのクーペ・コンセプト。MX-3は国内における「AZ-3・ユーノスプレッソ」です。ボディ重量にかかわる予想は、グレードにより正解なので、かなり精度の高い情報ろいえるでしょう。
フィールド・レポート
こちらは「次世代ミアータ」のマーケティング・クリニックに参加された方のレポートです。自動車開発における「クリニック」とは、主に開発途中の車種をクローズドな環境で評価・調査するイベントで、実際のクルマを展示して意見を不特定多数の参加者にヒアリングをおこなうものです。
当然ながらメモもビデオも禁止ですが、その洞察力に驚嘆するばかり。これもまた熱いです！
Mark Wold took part in a marketing survey which featured roadsters. There in the group was the new Miata! Most of Mark’s findings coincide with the other things we’ve heard. Here’s Mark’s report:
OK. Let me first say that what I was taking part in was definitely a market research program for determining marketing styles. For comparison values, they had us go over 6 vehicles: BMW Z3, Jeep Wrangler, Ford Mustang Convertible, VW Cabrio, Mitsubishi Eclipse Convertible, and a 1999 Miata. We were not asked one bit about how we liked or disliked the actual cars and comparisons only existed if it was brought up during an answer. For all they were asking, they could have just as easily given us an original style Miata.
The jest of their questions were targeted at finding out what “IT” is that draws us to a Miata. If asked why we prefer to go out and drive a Miata and answered “I just love it!”, they followed with “What is IT?”. My overall impression was that they have the 1999 Miata pretty much set in stone, but without the proper marketing, they won’t be able to regain some of the market that has been lost to other convertibles that have come out since the Miata was first introduced.
Please remember that cameras and recording devices were not allowed and that everything that I report here is from memory. I spent a lot of time going over as much as I could, making mental notes about what I saw. We were not able to test drive the car or any of the other cars, that were there for comparison, as this was market research to help them figure out how to sell the car, not for making refinements or changes in its functionality. All that said here it is!
＜フィールドレポート：極秘調査に潜入した男の証言＞
マーク・ウォルド氏は、ある日「ロードスター」に関するマーケティング調査に招かれました。そして、そのグループの中に・・・なんと「新型ミアータ」が紛れ込んでいたのです！マークが見てきたものは、我々が掴んでいた噂とほとんど一致していました。これが、彼の興奮冷めやらぬレポートです。
オーケー、まず最初に言っておくよ。私が参加したのは、間違いなく今後の売り方を決めるためのマーケットリサーチだった。比較用として用意されていたのは、BMW Z3、ジープ・ラングラー、マスタング・コンバーチブル、VWカブリオ、三菱エクリプス・コンバーチブル・・・そして、「1999年型ミアータ」の計6台だ。
面白かったのは、実際のクルマが好きか嫌いかなんて、一言も聞かれなかったことさ。比較の話が出たのも、こっちが回答の中で触れた時だけだ。彼らの質問の意図はもっと深いところにあった。もし目の前のクルマが「初代ミアータ」だったとしても同じ質問ができただろうね。
彼らが必死に探ろうとしていたのは「僕らをミアータに引きつけてやまない『IT（それ）』の正体が何なのか」ってことさ。「なぜミアータで出かけたいのか？」と聞かれて「ただ大好きだからさ！」と答えると、彼らはすかさずこう切り返してくるんだ。「その『大好き』の中身（IT）は何なんだ？」ってね。
私の全体的な印象としては、1999年型ミアータのハードウェアはもう完成している（石に刻まれたように固まっている）ように見えた。でも、適切なマーケティングを行わなければ、初代の登場以降に雨後の筍のように現れたライバルたちに奪われたシェアを取り戻すのは難しいかもしれないね。
忘れないでくれ、カメラも録音機器も一切持ち込み禁止だったんだ。だから、ここで報告することはすべて私の記憶だけが頼りだ。私はできる限り時間をかけて細部まで観察し、見たものを脳内のノートに必死に書き留めたよ。残念ながら、新型もライバル車も試乗はできなかった。今回の目的はあくまで「どう売るか」を探ることであって、クルマの機能や乗り味をテストする場じゃなかったからね。
さあ、前置きはこれくらいにして、中身を話そうか！
Because of these, the hood is changed to match up with them giving a longer appearance. The small hump in the center of the hood is still there. The new Mazda logo was located right were the existing logo is. Crouching down and looking from the front, a visible hump appears at the outsides of the front bumper.
There is less front tire showing. Going around to the side, that flaring out from the bump is continued behind the front tire, sloping up slightly along the rocker panel and slowly diminishing where it disappears near the trailing edge of the door. Another little flare out starts up in front of the rear tire along the rocker panel. As for the door itself, just like the pictures, it has the curved trailing edge as seen in the speedster.
The door opening mechanism is a pull up handle instead of pull out. The mirrors have been changed and give me the impression of a wing-like approach instead of a pod. Does that make sense? Going to the rear of the car the most notable change is the little hump across the deck lid, ala RX-7.
The center brake lamp is higher as it resides in the hump portion and one of the new Mazda logo sits right below it. The radio antenna is positioned on the left side rear quarter panel, behind the gas filler. The plastic portions of the rear fascia which are to the sides of the license plate mounting are now molded into the rear bumper.
The seam line above the bumper does not start until the outside of the tail lights. Speaking of the tail lights, they look to be about the same shape but the amber portion is now in the center and surrounded by red lenses. The battery was disconnected so I could not light them up for a look see.
まずはフロントから見ていこう。最も明白な変化は、窪んだ位置にあるヘッドライト・アッセンブリーだ。それは現在ウインカーがある位置から上に向かって配置されている。そう、もう「納屋の扉（バーンドア＝リトラクタブルライト）」は存在しないんだ。
ライトユニットにはアンバー色のパーキング／ウインカーレンズも含まれていて、それらは中央寄りに、ヘッドライトは外側に配置されている。その表情は、非常にMX-3（ユーノス・プレッソ）に似ているね。これらに合わせてボンネットの形状も変更され、よりロングノーズな印象を与えている。ただ、ボンネット中央にあるあの小さな「こぶ（バルジ）」は健在だ。新しいマツダのロゴは、現行モデルと同じ位置に鎮座している。
しゃがみ込んでフロントから見上げると、バンパーの両サイドに盛り上がりが見える。正面から見えるタイヤの面積が減っているね（空力処理だろうか？）。サイドに回り込むと、そのバンパーからの盛り上がりがフロントタイヤの後ろまで続き、ロッカーパネル（サイドシル）に沿ってわずかに駆け上がり、ドアの後端付近でゆっくりと消えていく。そして、リアタイヤの前で再び、ロッカーパネルに沿って小さなフレアが始まっているんだ。
ドアそのものに関しては、まさにあの写真で見た通り。「Mスピードスター（コンセプトカー）」で見られたような、美しく湾曲した後端のラインを持っている。ドアを開けるメカニズムは、手前に引くタイプから、引き上げるタイプ（フラッシュサーフェス）に変更されていた。ドアミラーも変わったね。ポッド（壺）型というよりは、翼のようなアプローチを感じさせる形状だ。言ってる意味、わかるかな？
車の後ろに回って最も注目すべき変化は、デッキリッド（トランク）を横切る小さな盛り上がりだ。まさに「アラ・RX-7（FD風）」といったところさ。センターブレーキランプはその盛り上がり部分にあるため位置が高くなり、その真下に新しいマツダのロゴが配置されている。
ラジオアンテナは左側のリアクォーターパネル、給油口の後ろだ。ナンバープレート取り付け部の横にあったプラスチック部分は、リアバンパーと一体成型されている。バンパー上部の継ぎ目は、テールライトの外側まで始まらないデザインだ。
テールライトについて言えば、形自体はほぼ同じに見える。ただ、アンバー（ウインカー）部分は中央に配置され、それを赤いレンズが囲むデザインになっている。バッテリーが外されていたから、点灯させて確認するわけにはいかなかったのが残念だけどね。
The lower portion of the trunk has been lowered a little more so that the spare tire, jack, and jack crank can fit down in there. Similar to a lot of cars on the market, there is fiber board platform over the tire/jack and the topside of it is covered in the felt like material the rest of the trunk is done in. The space where the jack used to be is still empty underneath the fold up platform but there are some small plastic drop in cubby holes built in to the platform.
On the right side, a well has been built that is big enough to hold the gel cell battery, with another fold up platform over it. I think it would be very hard to fit anything other than the gel cell in there. The space where the old spare tire used to be is still there but there is a fiber board panel in place. So looking in the trunk, it would appear as though there is a bigger, squarer storage space with one level floor across the entire trunk space.
エンジンベイを開けると、そこには見慣れた1.8Lエンジンが鎮座している。それ以外には、パッと見て大きな違いはなさそうだ。ただ、「納屋の扉（リトラクタブルライト）」を動かすための重厚なハードウェアが消え去ったおかげで、鼻先には少しばかり余裕（スペース）が生まれたように見えるね。
さて、後ろに回ってトランクを開けてみよう。ここにはいくつかの「嬉しいサプライズ」が待っていたよ。
まず、トランクの底面がさらに掘り下げられている。これによって、スペアタイヤ、ジャッキ、そしてハンドルといった道具一式が、すべて床下にすっぽりと収まるようになったんだ。最近の多くのクルマがそうであるように、タイヤとジャッキの上にはファイバーボードの天板が敷かれ、その表面はトランク内の他の部分と同じフェルト素材で綺麗に覆われている。
かつてジャッキが収まっていた場所（左側のフェンダー裏あたり）は、折りたたみ式ボードの下に空洞として残っているけれど、そこには小さなプラスチック製の小物入れ（くぼみ）が組み込まれていた。
右側には、ジェルセルバッテリー（密閉型）を収めるのに十分な大きさの「井戸」が掘られていて、ここにも折りたたみ式の蓋がついている。ただ見たところ、そこに純正のジェルセル以外のバッテリーを押し込むのは、かなり骨が折れそうだけどね。
そして、かつてスペアタイヤが堂々と鎮座していた場所（トランク内の右側）の空間自体は残っているものの、そこには今やファイバーボードのパネルが整然と配置されている。つまり、トランク全体を見渡してみると以前よりも大きく、四角く、そして端から端まで「完全にフラットなフロア」を持つ収納スペースが出現したように見えるってわけさ。
ガチンコのディティール考察（ほぼ正解！）
The cockpit brace has changed in that there is a plastic cover which extends down to the rear shelf. You could put something on the shelf and not fear that it would come forward in a hard stop. This plastic piece also has a portion which snaps up vertical and looks to me to be a factory wind-blocker. The top of this piece is right below the top of the seats and goes all the way across the cockpit brace.
The seats appear to be the standard black cloth. The passenger side is identical to the driver side without a pocket in the back. The center console no longer hinges up to the side but has the hinge in the back. The lid is lifted up and back. Inside you find the standard levers to open the trunk and the gas filler. Towards the front of the compartment is an integrated cup holder. The lid must be open for this to hold a cup or can.
The small electric window rocker switches have been replaced by much larger ones which are more towards the front of the car since the new console compartment is slightly larger. In front of the rocker switches is a built in ash tray with cover, built into the plastic with removable metal portion for emptying. The ash tray is about 1.5″X2.5″.
The center of the dash still has the two eyeball vents but they appear to be higher up. High enough that the top of the dash has two humps molded in over the vents. The flasher button remains between them. Below that is the radio cluster. Then below that is climate control which if I remember correctly, has turn knobs instead of slider controls.
Below the climate control is a small panel with a key switch. It has on and off positions and controls the passenger side airbag, with an LED that lights up when you have it turned off! The glove box looks to be the same and on the drivers side a few small changes.
The electric mirror control has a different style switch cluster. The cruise control switch is now an always on/always off rocker switch instead of the current push button momentary on/off. The instrument cluster remains about the same with fuel, water temperature, oil pressure( fake ), tachometer, and speedometer in the same place.
I don’t recall seeing an odometer or tripometer but there is a small LCD display in the center at the bottom. The writing on the gauge faces is noticeably different with an Arial type font and a bit of a slant.
室内へ目を移そう。最大の変化はやはり、ガラス製のリアウィンドウだ。ソフトトップにはブーツ（カバー）が掛けられていたから、幌を上げてフィット感を確認することはあえてしなかったけれど、ブーツの下を覗き込めばそれがガラスであることは一目瞭然だった。
コクピットブレース（エアロボード基部）にも変化がある。リアシェルフ（幌収納部）の方まで伸びるプラスチックカバーが追加されているんだ。これで、急ブレーキをかけた時にシェルフに置いた荷物が前にすっ飛んでくる恐怖とはおさらばできそうだ。このプラスチックパーツには、垂直に立ち上がる部分があって、どうやら純正の「ウィンドブロッカー（エアロボード）」のようだ。上端がシートのすぐ下あたりに来て、コクピット全体を横断しているから、風の巻き込みを防いでくれるはずさ。
シートは標準的な黒いクロス（布）に見える。助手席側は運転席側と同じ形状だけど、背面のポケットは省略されているね。
センターコンソールは、もう横開きじゃない。後ろ側にヒンジがあって、蓋は後ろへ向かって開くタイプだ。中にはトランクと給油口を開けるお馴染みのレバーがある。そしてコンソールの前の方には、一体型のカップホルダーがあるんだけど・・・カップや缶を置くためには、コンソールの蓋を開けっ放しにしなきゃいけない仕様だ（笑）。
パワーウィンドウの小さなロッカースイッチは、もっと大きなタイプに変更されている。コンソールボックスが少し大きくなった分、スイッチの位置は以前より前方に移動しているね。スイッチの前にはカバー付きの灰皿が埋め込まれていて、中の金属部分は取り外して吸い殻を捨てられるようになっている。サイズは1.5×2.5インチくらいかな。
ダッシュボード中央には、あの「目玉（アイボール）」のようなエアコン吹き出し口が2つ健在だ。ただ、位置が少し高くなっているように見える。ダッシュボード上面の造形が、吹き出し口に合わせて盛り上がっているからね。ハザードボタンはその間に残っている。その下にはオーディオ、そして空調コントロールがあるんだけど、私の記憶が正しければ、スライドレバー式じゃなくて、ダイヤル（ノブ）を回すタイプに変わっていたよ。
さらにその下には、キースイッチ付きの小さなパネルがある。これは助手席エアバッグのオン／オフを切り替えるもので、オフにするとLEDが点灯する仕組みだ！（※訳注：これは北米仕様特有の装備）
グローブボックスは同じに見えるけど、運転席側にはいくつか小さな変更がある。電動ミラーのコントロールスイッチのデザインが変わっているし、クルーズコントロールのスイッチは、押している間だけ効くタイプじゃなくて、常時オン／オフを切り替えるロッカースイッチになっていた。
メータークラスターは、燃料計、水温計、油圧計（たぶんフェイク、つまり指針がリニアに動かないやつだ）、タコメーター、スピードメーターが同じ配置で並んでいる。オドメーターやトリップメーターのアナログ数字は見当たらなかったから、下部中央にある小さなLCDディスプレイに表示されるんだろう。文字盤のフォントは「Arial」タイプの斜体（イタリック）になっていて、見た目の印象はかなり違っているね。
My overall impression is that if I were out to buy another car, I would not discount this model due to any of the changes. The changes are for the most part subtle. Not necessarily good nor bad. I for one don’t mind having the current barn doors but think the new lights look very appealing. As with the current cars, each new/different feature will have with it a following of lovers and haters.
ドアの内張りも変更されていて、アームレストがプラスチック一体成型になっている。下部には小さなポケットも成型されているね。標準スピーカーについては覚えていないけど、ダッシュボードの吹き出し口と同じくらいの高さに、ツイーターよりは少し大きな小型スピーカーが埋め込まれていたのは覚えているよ。
私の全体的な印象を言おう。もし私が次のクルマを買おうとしているなら、今回の変更点を理由にこのモデルを候補から外すことはないだろうね。変更点のほとんどは、微細な（subtle）ものだ。それが必ずしも「良い」とか「悪い」とかいう話ではない。
私個人としては、今の「納屋の扉（リトラクタブルライト）」も気に入っているけれど、新しい固定式ライトも魅力的だと思うよ。現行モデルがそうであったように、新しくなったそれぞれの特徴に対して、熱烈なファン（lovers）と、それを嫌うアンチ（haters）の両方が生まれることになるだろうね。
熱い想いが伝わってくる
如何でしょうか。実際に語られているのは不動モデルに触れるクリニックなので、エクステリアの話が中心です。NBロードスターをじっくり見ることのできる今となっては、パーツひとつひとつを感激しながら、何よりも新型ミアータは存在しているよ！というレポートは嬉しいモノを感じずにはいられません。そしてついに97年末、東京モーターショーで新型ミアータ（ロードスター、MX-5）はワールドプレミアを迎えたのでした。
こうして振り返ると、NBロードスターがいかに難しい立ち位置で生まれたクルマだったかが分かります。偉大な初代のイメージを守り、当時としては異例のキープコンセプトとして、メカはあくまで「感性性能」を磨き上げたのでした。NBのプレス資料に「Lots of Fun（たくさんの楽しさ）」と書かれている通り、リトラクタブルヘッドライトという「顔」を捨ててでも、軽量化と低重心化、そして走りの純度を上げることを選びました。
約30年後、目の前にあるNBに乗って感じるのは、この「楽しさ」がいまだに色褪せていないこと。97年のあの頃、不安視されていた「次期ロードスター」は、まごう頃なき傑作だった。現代の私たちは、その答え合わせができているなんて、幸せかもしれません。
関連情報→
