ポルシェ1/4の価格で楽しめるハンドリングカー

ポルシェ1/4の価格で楽しめるハンドリングカー

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今回は300万円以下という、エントリー価格でNBロードスターがトップ評価を得た話です。

エンスージアストの国イギリスで100年以上続いている自動車雑誌「AUTO CAR」。2003年6月(JP8月号)の記事で「Autocar’s best sub-£15k driver’s car(300万円以下で買えるベストハンドリングカー)」という企画がありました。(※£→英ポンド)

残念ながらデジタル化された「AUTOCAR」には2003年の記事は掲載されていませんので、以下にご紹介させて頂きます。

「300万円以下で買えるベストハンドリングカー」

(2003年6月号(JP8月号) 記事より抜粋)

ポルシェのハンドリングを1/4で手に入れる方法
Autocar’s best sub-£15k driver’s car


クルマ好きにとってポルシェ911というのはいつの時代もベンチマークです。憎たらしいくらい正確に動くマシーンは「スポーツ・ドライビング」の何たるかを語る際に関所のような存在です。

でも、同じドライビングプレジャーをもっと安く手に入れられるなら、それに越したことはありません。だって仮に1000万円あったとしても、クルマに全額つぎ込むことは無いでしょうし。

そこで今回の企画は現実的な金額・・・つまり300万円(sub-£15k)前後で達成してくれそうなクルマを選び、それを容赦なくランキングすることにしました。

テストの前に念を押したいのは、最速のクルマが必ずしもベストでは無く、ドライビングプレジャーが最も大きな評価基準になることです。

テストは2.7キロのテクニカルなクローズド・サーキットで本誌(AUTO CAR)ロードテスターのほか、英国BBC放送で人気“ドリフトの達人”ティフ・ニーデル(左)と、現役BTCCドライバー、フィル・ベネットの二人が強力な助っ人として参加してくれました。


先にもありましたが判断基準はラップタイムではなく、Fun(愉しさ)、Performance(出来栄え)、Value(費用対効果)のバランスで評価されるところで、クルマの出来が良くても面白くない、もしくはその逆の評価もあるところです。

エントリー車両は25台、まずは11位まで


参加車両は全部で25台。スポーツカーを始め、ホットハッチからセダンまで、なかなかエンスージアスティックなラインナップ!全てをご紹介するのは大変なので、まずは11位~25位まで。

個人的には激しく欲しかった、しかし国内販売されなかったStreetKaが疾走している姿がツボでした。それにしても、今でこそ現役で走っていたら素敵なラインナップ。現時点(※2017年)で14年前なんですけどね・・・

300万円以下のベストハンドリング、トップ10


プジョー106、206やシトロエンン・サクソ、フォードフォーカスなど、ラリーで活躍したホットハッチがある中、以外に検討しているのがトヨタセリカ。エンジンを使い切ってテールスライドをかませる、ミニよりも楽しくて当然だ!と日本車乗りなら嬉しい事が記事に書いてあります。

そして最後まで競ったのは2代目シビックタイプR(LA-EP3)。ケータハム(スーパー7)を差し置いて、ダントツの速さだったりします。今でこそタイプRは高級車になっちゃいましたが、当時はまだなんとか手の届くクルマだったんですよね・・・ちなみにパフォーマンスは全車唯一の10点満点です。

そして、唯一「Fun」で10点を獲得しているMX-5(マツダ・ロードスター)。その解説は以下になります。


優勝はなんとMazdaMX-5!ドライビングプレジャーは絶対的な速さとも、価格とも無関係です。
あまりにも長い付き合いだったから、その真の姿が見えなくなっていたのかもしれない・・・とでも言い訳しなければならないが、我々は予想外の結果ながら、わずかな手直しを受けただけで10年以上生産されているMX-5を今回のウィナーとしました。

このクルマの再評価は、ストップウォッチの数字とは全く関係ありません。ドライビングプレジャーと絶対的な数字は必ずしも結びついていないことを、見事にMX-5は証明してみせました。

実際MX-5は、タイトな90度カーブと高速コーナーが組み合わされたこのコースでは1分30秒台ともがいており、タイム的にはとても上位に食い込めませんでした。ところがMX-5がピットレーンに戻ってくると毎回テスターの間でキーの争奪戦が、それも一日中起きたのです。我々はテスト2日目の朝にリアタイヤを交換してくれるタイヤショップを探し回る羽目になりました。

MX-5はお金で買えるクルマとしては最もドライビングの楽しみが味わえる一台であり、かつレーシングドライバーでなくてもその能力のほとんどを引き出すことが可能なクルマです。

ボディの中身を透かして見れば、なぜこれほどの走りを見せるのかその秘密に納得がいきます。最初からルーフを持たない、強固で軽量なモノコックボディ、FRという正当的なパワートレーン、ダブルウィッシュボーンのサスペンション、そして控えめなタイヤサイズを滑らせるのに必要十分なエンジンパワー。

インテリアは味もそっけもないし、エンジンもいささか洗練性に欠けますが、そうしたマイナス要素を補って、余りあるプラス要素がいくつもあります。ステアリングホイールの繊細なリムは指先に常にインフォメーションを与え、ずんぐりしたシフトレバーはカチカチ決まり、サスペンションは驚くほどソフトですが挙動は安定しているのです。何より特筆すべきは、スロットルでいかようにもコーナーリングがコントロールできる点にあります。

もう異論はないでしょう。MX-5こそ満場一致で決まった300万円で買える最も愉しいクルマです。恐る恐る911を走らせるくらいなら、ロードスターで思いっきりドリフトかましましょう!

ティフ・ニーデルのレビュー


まるで10年ぶりに乗ったような感覚だったが、私はすぐに自分が見落としていた、このクルマの偉大なる魅力に気づいた。見事なシャシー・バランスと素晴らしいステアリング・フィール。そして思い通りに操れるオーバーステア。なんて素晴らしいクルマだろう。

参考)今回のMX-5は2003年式EU版ですがスペックは若干日本と違います。エンジン型式こそBP-Z3となりますが(日本名BP-VE)、6MTではなく5MTだったり、15インチ・ホイールだったりします。走りに厳しいお国柄に合わせたチョイスですね。


いかがだったでしょうか、本当にステアリングを握ったからこそかける、この自動車愛あふれる文章。ロードスターがどうこうというよりも、ほかのクルマの紹介文も十分素晴らしかったです。まさに言霊!そして、NBロードスターの素性を端的に表現していると思います。

今でこそNDロードスターのデビューで旧世代ロードスターも注目されていますが、振り返る的な再レビューを読んでいると、正直的(マト)を得ていない記事ばかりで寂しい気持ちになります。だからといって過去ばかり見ても仕方がないのですが、クルマ文化のヨーロッパでここまでいわしめたNBロードスター。

それだけの価値があったNBロードスターも、もはや中古で投げ売り状態・・・機会があれば、借りてでもいいので、幌を開けて、半日でもいいので運転して欲しいです。

本当に、人馬一体の言葉に偽りはありません。この走りをぜひ体感して頂きたい!そう思わせる、素敵な記事のご紹介でした。

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