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インタビューを終えて
NBロードスター20周年インタビューはいかがだったでしょうか。
振り返りますと今から約20年前は、インターネットはPC必須のISDN回線(電話回線)であり、携帯電話は持っていること自体がステータスであり、家庭用ビデオゲームはプレイステーションの牙城を崩そうと、ニンテンドー64やドリームキャストなどがデビューしていったような時代でした。
国内はバブル不況を脱しつつも就職氷河期が続き、自己責任という言葉のもとに企業は質実剛健な経営基盤を目指しました。自動車業界は白・黒・銀のミニバン・ツーリングワゴンが主流だった、そんな時期でした。
そこで、1997年末の東京モーターショーにて公開された「新型マツダ・ロードスター」が大歓迎されたかというと、そんな事はなく、新型スポーツカーなどのライバルがセンセーショナルなメカニズムやデザインで元気にやっているなかで・・・
「今更ロードスター?」
「初代の方が好み」
「乗り味が尖っていない」
なんて意見もチラホラしており、決して順風満帆なスタートではありませんでした。
新車特集をおこなう自動車雑誌にも「ユーノスからの目立つデザイン変更点(ヘッドライト・ドアノブ)が残念だ」と書かかれる始末で、当時の寒々しい記録が残っています。
現在の「ロードスター」の評価
あれから時代は流れ、スポーツカーの状況は一変しました。安全や環境基準のハードルが上がったこととともに、それに対応するための新車価格レンジも上昇し、気軽に買えるスポーツカーは既になくなっているといっても過言ではありません。中古車市場の方が活況な面があるほどです。
さらにロードスターは、どの世代も「世界第一線のライトウェイトスポーツ」という評価を得て、NB当時を思い起こすと嘘のような状況になっています。
ここで当時の恨み節を鼻息荒く騒ぐのも微妙な話ですが、「NB20周年」において私ができる事を考えた時、チューニングを施したロードスターでサーキットのラップタイムを主張する腕もないし、大規模なイベント開催する度胸もありません。
ただ、当時のアーカイブ(保存記録)を行うくらいは可能な事に気づき、その主旨を貴島さんにお伝えしたらご快諾いただけた、そんな経緯からスタートしたのが一連のインタビュー企画でした。
インタビューの大きな「気づき」
自分の中で「大きな気づき」だったのは下記の2つです。
フォード・アンブレラのもと「センスの良い、創意に富む、はつらつとした(= Zoom-Zoom)」というブランド・アイデンティティを唱えていたマツダ。フォードはそのイメージにはロータリー車ではなくロードスターとしました。
背景には、ロードスターが「儲かる」という実績があり、近年語られている経営が苦しくてもスポーツカーを続けたという美談がある一方で、モデル継続は必然の流れであった。
NBのコンセプトを決める際、ロードスターはなぜ「楽しいのか」を再検証し「人馬一体」を具体化した。
ロードスターは「走る、触る、見る」という軸をもとに、楽しさを共有できるコミュニケーションツールであると見出し、その方向性が現在にまで続くコンセプトとなった。
つまり、ライトウェイトスポーツであり、アフォーダブルであり、そしてスタイル(サイズ感)を具体化したのがNBロードスターであった。
なお、国内の評価はともあれグローバルでのNBロードスターは、スポーツカーとしては異例のヒットを継続していました。ただ、ここでNBのコンセプトが違うものになっていれば、現在もモデル継続されていたかは分からないくらいの、ロードスターのターニングポイントを担っていたという事実は衝撃的なものがありました。
従って、今回のインタビューは上記に2つ基づいた構成してあります。
最後に、NBのことも・・・
少し堅苦しい蘊蓄が続きましたが「自分の愛車の楽しさ」は人それぞれだと思うので、あくまで「参考意見」として捉えていただければと思います。ただ、私自身が願うのは、ロードスターが気になる方が「NBロードスターも結構いいじゃん」と、少しでも興味を持っていただければ・・・とても嬉しことと思います。
最後に、ここまでお付き合いいただいた皆様と、インタビューと共に文章校正にまでお付き合いいただいた貴島さんには感謝しきれません。ありがとうございました。
(NB20thインタビュー 終)