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ロードスターで一番高価だったのは、NDロードスターの30周年記念車ではなく、英国限定車「ジャスパーコンランMX-5」です。これは、デザイナーが最高品質の素材でコーディネートしたNBロードスターで、当時まだ珍しかったボディカラーのパールホワイトは、専用のマツダ・カラーコードまで設定されていました。
タイムレスデザインの鉄人・ジャスパーコンラン
ジャスパー・コンラン氏(Jasper Alexander Thirlby Conran)は、ファッションデザインのみならず、食器やインテリア、バレエやオペラの舞台衣装など多岐にわたって活躍する英国人デザイナーです。
同氏は英国王室御用達デザイナーといえる「大英帝国勲章(OBE)」が授与され、英政府は彼を「国宝」と表現しています。そのデザインの特徴は、機能性かつ、英国の伝統を重視したシンプルでタイムレス(時間で陳腐化しない)なものであり、フォーマルにもカジュアルにもコーディネートできるとされています。
世界的に展開され、国内でも青山にある「ザ・コンランショップ」は、デザイナーズ・インテリア・ショップ のパイオニア的存在になっています。
そんなカリスマであるジャスパーコンラン氏とコラボしたNBロードスターが、英国内専用限定車として発売された「MX-5 Jasper Conran」です。
MX-5 Jasper Conran
Today, the legend of the MX-5 lives on with the introduction of three very special limited editions.It’s time to stir up some new emotions.
スポーツカーがこれほど熱狂的なファンを得たことはありませんでした。発売以来10年以上、マツダMX-5はドラマチックなスタイリング、優れたパフォーマンス、そして多くの個性を備え、かつてのクラシックカーのようにドライバーズカーとしての絶対的な魅力にあふれています。
そしてMX-5は3つの特別な伝説的な限定車を経て、さらに新たな感情をかき立てる時が来ました。
Designed by top British designer, Jasper Conran, it delivers perfection in every detail. With stunning 15″ alloy wheels, a choice of brilliant Unique Platinum or Classic Black paintwork and beautifully appointed leather interior. The Jasper Conran limited editions.promise total driver enjoyment and satisfaction…
MX-5ジャスパーコンラン
これは英国のトップデザイナー、ジャスパーコンランによって細部まで完璧に設計されたクルマです。荘厳な15インチアルミホイール、鮮やかなプラチナまたはクラシックブラックの塗装、美しく整えられたレザーインテリア。ジャスパーコンラン限定版は、ドライバーの満足を約束します…
・Bodycolour exterior badges and exhaust trim. Remote control Alarm
・Only 100 available in Platinum, and only 400 available in Classic Black.
シリアルナンバー、ユニークなプラチナ外装、レッド・コノリーレザーのインテリアとドアパネル、レッドレザーのフードカバー、レッドインテリアカーペット。
またはクラシックブラックペイント、ブラック・コノリーレザーのインテリアとドアパネル、ブラックレザーのフードカバー、ブラックインテリアカーペット。
アルミエフェクトフェイシア(スカッフプレート)、アルミのダイヤルコンソール、インナードアハンドル、ギアノブ、ハンドブレーキレバー、アルミとレザーのステアリングホイール、15インチBBSアルミホイール、ソニーCDオーディオミニディスク、ボディカラーエクステリアバッジとエキゾーストトリム、リモートコントロールアラーム 。
プラチナは100台、クラシックブラックは400台。
専用ボディカラー・プラチナシルバー(JC1)
2000年にリリースされた「MX-5 ジャスパー・コンラン」は、国内ではRS相当のグレード「1.8iS(NB1)」がベースになりました。なお、海外では1800ccモデルも基本5速マニュアル・トランスミッションになります。
用意されたふたつの仕様のうち、400台はブリリアントブラックにブラックレザー内装、100台は専用色プラチナシルバーとブラックレザー内装が架装されます。
特に、専用色のプラチナシルバーは唯一のマツダカラーコード「JC1」が設定されているこだわりです。さらに、ユニークなデザインの15インチBBSアルミホイールとエキゾーストテールパイプトリムが仮装されました。
フェラーリと同じ質感、驚異のインテリア
特筆すべきは、インテリアです。全体に敷き詰められるのは通常の(タフテッドカーペット)基布に糸をつきさして作るカーぺットと違い、糸と糸を交錯させて緻密に織るウィルトンカーペットが採用されています。
さらにシート、ドアパネル、トノカバーにはフェラーリやロールスロイスなどの高級自動車などに使われている、英国王室御用達のコノリーレザーを採用し、デフロスターやドアハンドル、センターコンソールの周りにはアルミニウムシルバーのアクセントを備えています。
ナルディステアリングにはシルバートリムが施され、シルバーのギアノブとハンドブレーキハンドルも追加されました。さらにオーディオにはソニーのMDユニット(※当時は最先端だった)へアップグレードされ、シリアルナンバーのバッジがセンターコンソール内に貼られています。
当時価格、約400万円のNBロードスター
なお、「ジャスパーコンラン」の販売価格は2000年当時の£(ポンド)レートが約170円だったので・・・
→3,570,000円
プラチナシルバー:24,000£
→4,080,000円
税金制度の違いや、英国でロードスターが輸入車であることを踏まえても、NBのベースグレードが約165万円、ターボが約270万円、クーペタイプAが約325万円から比較してもぶっちぎりであり、30周年記念(368万円)よりも強気の価格設定であることは、さすがNBロードスター大好き大英帝国だと思います。
ただ、それ以上に世界的なデザイナーとコラボしたロードスターは、後にも先にもこの一台であり、現地で仮装された限定車とはいえカラーコードまで取得しているのは、ディーラーの情熱を感じることのできる一台です。
では、現在プレミア価格になっているのかというとそうでもなく、国内NB1とほぼ近しい相場になっており・・・運が良ければレッド・レザー内装にカスタムされたロードスターが3,000£(約42万円)ほどで手に入るようです。
イギリスの情熱を感じることのできるNBロードスター。オーナーには大事に乗ってほしいと思います・・・
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