RX-8車評(SE3P)唯一無二のスポーツカー

RX-8車評(SE3P)唯一無二のスポーツカー

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私のクルマ遍歴の中で、家族が増えたことをきっかけに一度ロードスターを降りています。その際に乗り換えたのが、マツダRX-8マツダスピードバージョンでした。忘れないうちにレビューを残します。

ロードスターとの繋がりは、もちろんNCロードスターとの同時企画なので、共有する部分もあったこと。グレードは2004年式のRX-8 マツダスピードバージョン(1,306cc 6MT 250ps 1,340kg)です。
新車価格 3,780,000円/中古車価格帯 9~366万円

RX-8 走行性能


他のマツダスポーツカーと同じく前後重量配分を50:50とし、重量物を中心に収めるというヨー慣性モーメントにこだわるパッケージングにより、ボディサイズの割にハンドリングの印象は(想定以上に)「軽い」いです。

しかし決してヒラヒラではなく、軽快にコーナーを駆け抜けます。事実上の兄弟車であるNCロードスターの挙動が、RX-8の体躯で行われるといっても過言ではありません。微妙な表現かもしれませんが、ハンドリングは「でかいロードスター」という印象です。

また、ホイールベースに余裕があるので直進安定性がたかく、安心して高速走行ができます・・・しかし、エンジンがどこまでも回るので、アクセルを踏みたくなってしまうのは問題です。

RX-8 乗り心地

マツダスピードの足回りはそれなりに固めですが、チープなガタガタ音が内装から鳴ることはほぼありません。

むしろ、アイドリング状態のロータリーエンジンは恐ろしく静かで、本当に火が入っているか不安になるほどです。でも、アクセルを踏むとヒュイン!と一気に回ります。フラットトルクといわれますが、ロードスターから比べると恐ろしくパワーを感じます。

RX-8 ユーティリティ


燃費

新世代ロータリーエンジンとはいえ、目に見えて燃料計が減っていくので財布には厳しいです。街乗り中心の実燃費はリッター7.8ほど。最高は9.8で、ちょっと調子に乗るとあっという間にハイオクガソリンが消えていきます。一番悪かったのは、妻のMT練習をしていた際にリッター4を切りました・・・

RX-8が現役当時、世界情勢の悪化による原油高騰が始まった時期で、スタンドに行くたびに1万円近くが消えていくのは、家族持ちにはキツいです。(おそらくMSV以外の仕様はもうちょっとマシだと思われます)


RX-8 積載性

よく比較対象になるのは同じマツダ・スポーツカーであるロードスターやRX-7だと思います。そこでRX-8だけが持つ最大限のメリットは「実用4シーター」車であることです。

日常使いでどうしても人数を運ぶ必要があるシーンは多々あります。スポーツカー(非GTカー)でありながらも、それを十分にこなす事が可能なのは、RX-8を相棒として選ぶ理由のひとつなると思われます。

実際、大人でも余裕で座れる後部座席はバケットシートのように収まりが良く、子供視点でみれば室内から勝手にドアを開けることもできないので、安全面で地味に便利だったりします。

トランクスルーがあるのでカーテンレールなどの長物も大丈夫だし、18インチのタイヤも4本運ぶことができます。想定以上に積載できるのは驚けるはずです。

RX-8 故障経験


デビュー当時は燃費その他の改善でECUアップデートが多く、何度もディーラーに足を運びました。

また、マイナートラブルとしては、プラグかぶりを車検時に起こしました。マニュアル記載もされているのですが、ゲームの裏技のようにコマンド入力でエンジン洗浄を行うことができます。

また、サンバイザーの剛性が低く、経年劣化で根元が割れました。マツダに持ち込んだら仕様だといわれて悲しかったです。貴島主査代行いわく「申し訳なかったね・・・」との事。

RX-8 満足している点


伝統の「13B」の名を引継ぎ、フロントミッドシップに搭載された13B-MSP(RENESIS) 2ローターのエンジン・ユニットは自然吸気(NA)なので、ドカンと腹に来る加速はありませんが、上まで一気に吹き抜ける(レッドゾーンで警告音が鳴ります)レスポンスに感動を覚えます。

また、2000年前半のマツダ・アスレチック・デザインの特徴である「走りをイメージされる」アグレッシブなフェンダーと、当時は珍しかった18インチホイールの迫力。

シャープな目つきのフロントマスクと、観音開き(フリースタイルドア)の恩恵でしょう、サイドビューもスタイリッシュ。標準車でも採用されているクリアテールは新しい時代のスポーツカーを予感させます。

個人的にRX-8のノーマル顔の(クセのある)グリル造形が引っかかっていたのですが、マツダスピードバージョンのフェイスは吸気口の面積拡大だけでなく、左右に配置されたオイルクーラーダクトへの送風も兼ねた迫力のある顔つきです。ちなみに、グリル内に牽引フック用の穴が造形され、ノーズに「マツダマーク」がついているのが“純正”マツダスピードバージョンの証です。

決して伝統よし、デザインよしのみのファンカーではなく、マツダのフラグシップ・スポーツカーとして調教されているので、走りに関しても問題ありません。また、MSV(マツダスピードバージョン)は給排気系もリファインされているので、市販されているクルマにしてはいい排気音を聴かせてくれて、気分を盛り上げてくれます。

まさに新世代スポーツカー(当時)の所有欲、オーナーシップを満たしてくれる存在です。

RX-8 不満な点


MSV(マツダスピードバージョン)のメーカーチューン車として販売されていましたが、MSオプションとして設定されていたマグネシウムホイールは不採用でした。コストの関係から仕方がないとは思いますが、画龍点睛に欠きます。

また、エンジンが回り始めると問題がないのですが低回転でのトルクは薄く、マニュアルアシスト機能なんて甘ったれたものはありませんので、急勾配の坂道発進はかなり神経を使います。吹かすとマツダスピード・マフラーが咆哮を上げますので余計いらん気を使いました。

また、車高が低いのでエアロパーツは前進駐車だと100%輪留めでバンパーを擦ります。また、勾配のある坂道(立体駐車場)でスピードを出して進入すると、バンパーを割ります(割りました・・・)。

RX-8 総評


旧来のマツダ乗りで「マツダの魂」といったらスカイアクティブでもなく、ロードスターでもなく、パワーユニットに搭載される唯一無二のロータリーエンジンであり、そのオーナになることがひとつのステータスだった時代もありました。

私がオーナーだった当時は、維持コストを捻出しなければならないことと、妻がAT免許を取ったことでファミリーカーを購入しなければならず、泣く泣く手放しました。

また、RX-8のMSV(マツダスピードバージョン)のポジティブとネガティブなポイントはイコールなものでした。燃費は給排気系も含めたファインチューニングの恩恵だし、車高の低さは足回りも含めたカスタマイズ仕様だからです。従って、ノーマルのRX-8はもう少し乗りやすかったと思われます。

逆に考えると、ネガティブな面をポジティブに捉えることができれば全く問題はありません。少しでもRX-8が気になっているのならば、一度NAロータリーエンジンの、恐ろしくレブまで吹き上がるあの感覚を体験することをお勧めします。覚悟が必要なのは、維持するためのコスト、主に燃費部分のみと断言します。

今更ながら、現在私が乗るとしたら、間違いなくライトニングイエローのStd(スタンダード仕様)を選びます。既に絶滅危惧の領域に入っているRX-8、オーナーになるチャンスは最後かもしれませんです!

関連情報:

NDロードスター(ND5RC初期型)試乗記

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