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新車登録から約15年、約15万キロになった愛車の懸案事項の一つであったラジエーターの状態。水回りでは先にヒーターホースの破損が起きるトラブルも経験しています。
そしてあくる日、ツーリングから戻ったらボンネットよりうっすらとLLC(不凍液)の焼ける臭いが・・・決して「お漏らし」をしている訳ではなかったのですが、予防整備を行うに越したことはありません。
そこで、友人の力を借りてDIYでの交換作業を行いました。なお、自が行った作業は外したパーツを磨いたり、ボルトを閉めたり、記録を撮ったくらいで、ほとんど友人が作業をしてくれました。
事前にパーツを揃える
近年はディーラーまでいかなくても、ネット回りでを揃えることが可能です。そこで、今回揃えたのは以下の通りです。
基本はモノタロウで揃えましたが、ラジエーター本体は愛車の基礎グレードがNR-Aなので、某オークションにてBP6D相当(1800RS用)を手配しました。また、スポンジテープは100円ショップで厚めのものを購入しました。
パーツ購入費以外にも、既にそろえてある各種工具や友人の手間賃(昼食代ともいう)など、見えない部分にもコストはかかっています。また、パーツ自体の値上げや、今回はエンジン奥にあるヒーターパイプ(※LLCが循環する)が交換済みだったので、交換を割愛しています。
したがって、これらはあくまで参考費用とみてください。
作業準備を行う
ラジエーターの交換を行うには、パイプ回りを外したり、LLCを抜くためにロードスターのフロントへ潜り込む必要があります。そこでフロアージャッキで車体を持ち上げ、ウマをかけていきます。
そして底面中央と、正面右にあるアンダーカバーを外していきます。その際、ネジやボルトが錆びているので、それを発見すると若干テンションが下がります・・・
アンダーカバーを外すとラジエーター底面にアクセスできるので、ドレンボルトを外してLLCを抜いていきます。
フラッシング作業を行う
今回は水回りのメンテナンスも兼ねているので、じっくりとフラッシングを行うことにしました。
エンジン水回りの洗浄を行うフラッシングには様々なやり方がありますが、今回は純水を循環させることによって、エンジン内に残留しているLLCも抜いてしまおうという魂胆です。
そこで、いったん外したドレンボルトを戻し、今度はラジエーター上部にあるラジエーターキャップを外してから、「エア抜き用のじょうご」をセットします。そこへ純水をドバドバ注入しながら、ラジエーターに繋がるウォーターホースをもみもみすると、水がどんどん入っていきました。
じょうごから水が減らなくなったら、エンジンをかけてアイドリング状態にすると水がさらに減っていくので、減った分だけ水を足していきます。
エンジンが温まっていくとぽこぽことエアが抜け始まります。サーモスタットが開きクーリングファンユニットが回り始めたころには、透明だった水にLLCの残留物が混ざり色がついてきます。ある程度時間が経つと水が沸騰するのが分かるので、キリがいいところでエンジンを止めて車体を冷やします。
約20分ほど待ち、ドレンボルトを外してフラッシング水を抜いていきます。このような作業を2回ほど行いました。その音は、まさにロードスターがおしっこをしているようです。(※待機時間で昼食に行きました)
ラジエーターを取り外す
作業性を高めるためにエンジンルームではインテークパイプとエアクリーナーボックスを外し、さらにLLCのサブタンクも外しておきます。
ラジエーターからエンジン上下に繋がっているパイプを外します。ほぼ、エンジン側は固着しているのでカッターなどで割く方法もありますが、今回はホースクランプ・プライヤーで固着部分を揉むことで外すことができました。
ラジエーターにはふたつのファンユニットが付いていますので、カプラーも2ヵ所取り外しておきます。本体はステーで止まっているだけなので、それを取り外せば上に引き抜くことが可能です。アルミ製で見た目より軽いですが、バンパーに落としたら悲惨なことになるので要注意です。
あとは、ボルトで止まっているファンユニットを外せばオッケーです。
15年15万キロのラジエーター
外したラジエーターのディティールを確認すると、経年劣化からくる汚れがよくわかります。ちなみに、愛車のグレードはNR-Aなので、1600cc用ではなく1800RS用のラジエーターが適合品になります。
また、経年劣化でボロボロになっていましたが、隙間が出る場所になる上下左右にスポンジが取り付けてあったことが分かります。特に、下側はなかなか見ない厚めなものだったようです。
このスポンジはパーツ注文ができないので、自分で貼りつける必要があります。ただ、専用パーツであったかというとそうではなく、結構適当なテープ跡になっていました。
また、ラジエーターキャップ近辺に緑色のLLC吹き出し跡が残っていました。このプラスチック部分は新品では「黒」なのですが、経年劣化により茶色っぽく変色していくようです。よく見ると、横線のシワも出ていました・・・また、普段は見えない下端にもLLCの滲みがありました。
新旧ウォーターホースは年式相応の汚れがありましたが、端が固着していた以外は柔軟性も残っていて、ある意味での日本車の堅牢さを感じました。
周辺パーツの交換&洗浄
せっかくラジエーターのパイプを外したので、サーモスタットも交換します。取付け用のアルミパーツには、水垢が溜まっていました。その奥にサーモスタットが取り付けてあります。ここのガスケットはかなり固着していたので、カッターで慎重にこそぎ取りました。
新旧サーモスタットを比較すると、水垢の汚れはありましたが、ゆがみなどはありませんでした。しかし、ゴムパーツの大きさが違うのが気になります・・・まぁ、刻印されている品番が一緒だったので、仕様変更があったのでしょう。
LLCのタンクも水垢がひどかったので、長めのブラシで洗浄を行いました。
あとは、外したのと逆の手順でファンユニットを組付け、隙間のスポンジも貼っていきます。
ここで一つトラブルが発生・・・純正相当品のラジエーターですが、ファンユニット上端のピンに隙間ができてしまいました。そこで、急所ホームセンターでワッシャーを購入し、間に咬ませました。
また、上下左右4ヵ所あるラバーマウントも新品に交換しました。このパーツ、NBロードスター用は廃版になっているのですが、純正相当品のマツダ(他車)パーツを購入することが可能です。
新品ラジエーターの取付け&フラッシング
跡は、一気にラジエーターまわりのパーツを組みつけていきます。がらんどうだったフロント周りにパーツが付いていくと、テンションが上がります!そして、新品ラジエーターでも純水でフラッシングをおこないました。今度は水を循環させても透明度は変わりませんでした。その水を抜いたのち、LLCの給水作業に入ります。
今回は希釈型LLCを使用します。NBロードスターのLLC容量は6Lなので、LLC2.5Lと純水2.5Lを給水していきます。希釈型LLCは粘度が高くなかなか入っていきませんでしたが、逆に純水はするりと入っていきました。
エンジンを回してエア抜き作業を行っていくと、透明だった水に色がついていきました。LLCに漏れもないし、においもしないし、水温系も安定しているので、これでひと段落です!
最後にアンダーカバーを取り付けて、作業完了です。
ラジエーター交換DIYまとめ
朝から始めた作業でしたが、じっくりフラッシングをおこなったり、足りないパーツをホームセンターに買いに行ったりしていたら、いつの間にか日が落ちてしまいました。
ただ、ずっと話をしながら作業を行っていたので、あっという間に一日が終わってしまった感じです。(※私はほとんど作業をしていないけれど・・・)
また、愛車の懸念材料がクリアになったこととともに、じっくり下回りを見たことにより、新たな宿題も発見することができました。ロードスター道はまだまだ終わらなさそうです。
最後に、こういった手間のかかるDIYを、(たぶん)いやな顔一つせずに行ってくれた友人氏には感謝です。ありがとうございました!
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