ロードスターの「飛び石傷」ガラス補修

ロードスターの「飛び石傷」ガラス補修

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公道では安全運転を心掛けていても、(貰い事故といったら大げさですが)どうしても避けられないトラブルがあります。そのひとつが「飛び石」被害。

例えば、砂利トラックが前にいたら離れて走行していてもミサイルが飛んでくる事はあるし、高速道路でたまたま他車が跳ね上げた石がぶつかる・・・なんて、予測できずに起こります。

「ガコッ」「バチッ」・・・耳慣れない音や、振動を感じたらまさに要注意。樹脂製のバンパーであればタッチアップで何とかなるかもしれませんが、ボディやフロントガラスに傷が残ってしまったら、補修に手間がかかります。

また、近年の夏場は猛暑日が続きますが、まったく気にしていなかった傷でもゲリラ豪雨後の猛暑という、最悪な寒暖差によって傷が成長(膨張)して、大きく広がる・・・なんて例もあります。冬の凍ったフロントガラスには「お湯」をかけてはいけない、なんてのもありますね。

今回は、そんなガラス補修に関するトピックです。

厄介なフロントガラスの傷

フロントガラスの傷は厄介で、視界不良を我慢して放置していれば、車検に通らない可能性も出てきます。なお、車検時に求められるフロントガラスの規定は以下の通りです。

・損傷した場合にも運転者の視野が確保できること
・容易に貫通されないこと
・透明で、運転者の視野を妨げるひずみの無いもの

これらは車検時の検査官による匙(さじ)加減で判断されるそうですが、特に「運転席側」の飛び石傷が目立つ場合は、車検が通らない可能性が上がるようです。もちろん、ガラス交換をすることで難を逃れることはできますが、約5万円以上の出費になる可能性があります。

一方で、小さい傷ならば補修キット(リペアキット)が存在します。ひと昔前はこの手のパーツはいい値段だったのですが、量産効果が高まったからか、安価に入手できるようになりました。

そこで、愛車のフロントガラスにおける傷へ施工をしてみました。

到着したリペアキット


今回アマゾンで購入したリペアキットは、1000円を切る価格で提供されていました。内容はツール一式と、日本語マニュアルが添付されています。

施工プロセスは、透明レジンを傷に流し込んで「傷を消す」のではなく「目立たなくさせる」ことが目的のようです。レジンを硬化させるには紫外線が必要なので、晴れの日の作業が推奨されています。(UVライトでも可)

※透明レジン自体は100円ショップでも購入可能ですが、ホビー用途なので対候性の関係上お勧めは出来ません。


キットで修復可能な傷は1インチ(25mm)以下とされていました。合わせガラスの内側(フロントガラスは2枚重ねになっている)までいっている傷や、クモの巣状になっている亀裂は使用不可となっています。


今回ロードスターに施工する傷は、フロントガラス中央に飛び石を受けた2mmほどの大きさです。

今までの車検はクリアしていますが、規制が厳しくなっている昨今、いつ駄目出しされるか分かりません。運転時、たまたま視界に入るとテンションも下がります・・・(自分は悪くないのに!)

フロントガラスの傷消し作業


まずは、傷の穴を周りを付属するカミソリのエッジ部分で、ゴミを取る要領で削ります。小さい傷でも意外にカスが出るので、清掃時にパーツクリーナーで脱脂を行いました。

次に、傷が中央に来るようにポジショニング機を固定します。

 
その後、チャンバーの先端がガラスに接するまで、ねじ込んでいきます。


そして、付属のレジン液を数滴垂らします。(今回の傷はあまり深くなかったので、一滴で十分でした)


レジン液が傷に浸透するように、プレッシャードライバーをチャンバーに差込んで真空状態を作ります。傷が深い場合は、レジンを垂らしてプレッシャーをかける作業を繰り返すとの事です。


傷への浸透が確認出来たら、ポジショニング機を外し透明フィルムを張ります。レジンが足りなければ、この段階で数滴レジンを垂らせばいいようです。

なお、まだレジンは液状なのでだらっと垂れていきます。フィルムとの表面張力を使って紫外線に当てるという寸法です。垂れて、はみ出してしまったレジンは今のうちにふき取りましょう。

あとは、紫外線(太陽光)にて20分~30分ほど放置します。


レジンが硬化したら、付属しているカミソリを「立てて」表面を削っていきます。これ、ガラスに傷がつきそうでビビってしまいますが、大丈夫です。表面にブラシをかける要領です、


※ポイント
カミソリを寝かせてレジンを削ると、穴に浸透したレジンごと削り取ってしまう可能性があるので注意です。カミソリを「立てる」ことに気づかず、何回か同じ作業を繰り返してしまいました・・・


レジンが傷に埋まることによって、傷があった位置が平面になったことが分かります。ただ、若干艶消し状態だったので、この後液体コンパウンド(仕上げ用)で磨き、ガラス撥水コーティングをやり直しました。

作業後の違い


全ての作業が終わった後、車内からの見え方の違いを確認したところ・・・「気になる」状態から「まぁいいかな」くらいに変わりました。


根本的な傷消しとはいきませんが、穴がふさがっているだけでも精神的な安定感が変わってきます。


また、深い傷でなければポジショニング機を使わずとも、レジン液とフィルム(※複数枚付属している)を用いて、同時並行で作業をすることが可能です。


敷居が高いと勝手なイメージがありましたが、安価で、お手軽にできるDIYとしてガラスリペアはお勧めな作業です。紫外線が強くて出かける気にならない時には、愛車のメンテナンス作業にいかがでしょうか。

関連情報→

ロードスターのガリ傷補修

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