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夜走っていると、明らかに街ゆくクルマのヘッドライトの光量が増していると思いませんか?量産効果が高まった恩恵化、今や軽自動車にもLED灯火が採用されるようになりました。
僅かなエネルギーで稼働し、寿命も光量も稼ぐことができるとなれば採用しない理由がありませんからね。おかげで車高の低い我々ロードスターは、まるでビデオゲームにおけるレーザー攻撃のようなビームを受ける羽目になりましたが・・・(※気の利いているヘッドライトは、対向射角のビームを消してくれるそうですが)
一般車に普及しているとなれば、アフターパーツの価格も気になるもので、某Amazonの年末ビックフライデーセールにて価格を確認してみました。すると、想定よりも安価であり・・・NBロードスターでもLED灯火を試してみることにしました。
結果から書きますと、一部失敗に終わったのですが・・・何か参考になればと思い、備忘録を残します。
灯火類、LEDとハロゲンの価格比較
電球適合表 | NB3(NB後期) | LED価格 | ハロゲン価格 | ||
期間 | H14.8~H15.7 | ※税込み価格 2022年12月1日時点 |
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場所 | 形状 | 定格 | |||
ヘッドライト | ロービーム | 9006(HB4) | 12V51W(55W) | ¥2,064 | ¥999 |
ハイビーム | 9005(HB3) | 12V60W(65W) | ¥2,064 | ¥1,018 | |
フォグランプ(※1) | H1 | 12V55W | ¥1,062 | ¥979 | |
ポジション | T10 | 12V5W | ¥790 | ¥236 | |
ウインカー | フロント | S25ピン角違い | 12V21Wアンバー | ¥1,256 | ¥999 |
サイド(※2) | T10 | 12V5W | ¥799 | ¥236 | |
リア(※2) | T20ピンチ部違い | 12V21Wアンバー | ¥2,239 | ¥879 | |
ブレーキ | テール&ストップ | T20ダブル | 12V21/5W | ¥1,274 | ¥345 |
ハイマウントストップ | S25シングル | 12V21W | ¥764 | ¥286 | |
バック | T20シングル | 12V21W | ¥849 | ¥345 | |
ライセンス(ナンバー灯) | T10 | 12V5W | ¥799 | ¥236 | |
ルーム | T10×31 | 12V8W | ¥599 | ¥192 |
※2)クリアマーカータイプにしているので、アンバー球を選択しています
上記の表はセール時点での最安値を記録したもので、評価値基準とは違うものになります。ただ、かつてヘッドライト用のアフターLEDは一万円近くしていたことを踏まえると、かなり安くなっていることが分かります。なお、ハイマウントストップランプとルーム灯以外は、全て左右セット(2個セット)の価格です。
しかし、それ以上に衝撃なのはハロゲンバルブの価格で・・・ホームセンター等でも購入できる手軽さもありますが、消耗品としても驚くほど安価であることが分かります。合計値を計算するとLEDが14,559円、ハロゲンが6750円なので、約2倍の価格差になっていました(215.7%)。
ただし、クルマのモデファイとしてはお手軽かつ安価な部類になるのではないでしょうか。
灯火類をLEDへ換装してみた
NBロードスター後期の灯火交換自体は、下記トピックをご参照ください。
参考:NBロードスター灯火類の交換
→https://mx-5nb.com/2021/12/20/light-exchange/
かつてのLED灯は±(プラスマイナス)端子の指定があり、ソケットを入れ間違うと点かなかったこともありましたが、現在は差し替えるだけでどれも普通に点灯してくれました。
唯一手間取ったのはフォグランプ。私のNB3ロードスターは適合表で「HB4」に指定されていますが、実態は「H1」のバルブになっていました。ボディ側のフォグ用ソケットがHB4規格になっており、変換ケーブルを介してシビエのフォグに繋がっているようでした。
また、H1のLEDは各種ありましたが、無加工だとクリアランスが稼げずコネクタータイプしか取り付けができず、そのタイプのH1LEDは評価が著しく低かったので、単純に色温度の高いハロゲンタイプの交換にしました。どちらにせよ、NBロードスターでフォグランプのバルブ交換をされる方は、いちど現物を確認したほうが良さそうです。
実際の点灯イメージを動画にしてみました。分かりやすいように左右で違うバルブを装着しています。カチッと点灯するほうがLEDです。
LEDならではのディレイのない点灯パターンと真っすぐなビームは、まさにレトロフィット。好みはあるかもしれませんが、とりあえず「動く」ことまでは確認できました。
お手軽LEDの問題その1、ハイフラッシャー
ウインカー(ターンシグナルランプ)をLEDに交換すると、消費電流が極端に少なくなるため「球切れした」とウインカーリレー伝わり、ハイフラッシャー現象(ハイフラ)が発生します。
ハザードを炊いた時点では通常点灯だったので気づかなかったのですが、テスト走行で交差点を曲がる際に気づいて、すぐに自宅へ引き返しました。ちなみに明滅間隔は保安基準指定(毎分60回以上、120回以下の一定の周期)があるので、このままでは車検も通りません。
今回は対策済みとされる「ハイフラ防止機能付き」を購入していたのですが、それもままならなかったようです。更なる対策には「ハイフラ防止抵抗の装着」「ウインカーリレー交換」が考えられましたが、そこまでコストと手を動かすモチベーションが湧きませんでした。
いちばん簡単な対応は、ヘッドライトかテールライトのウインカーをハロゲンに戻すこと。実は、夜間走行時にリアウインカーが余りにまぶしかったのでモヤモヤしていたのですが(後続車の迷惑になるレベル)、リアを戻すことで事なきを得ました。
お手軽LEDの問題その2、ヘッドライト
ヘッドライトにはHB4/HB3(ハイ・ロー)兼用のLEDを購入したのですが、まずは装着時に問題が発生しました。コストカットのせいなのかシェード(根元にある傘のようなパーツ)が緩く(取付け時には問題ありませんが)、バルブの取り外し時には外れてしまうのです。シェードの根元を瞬間接着剤で固定すれば問題ありませんでしたが、走行性能に関わるものを加工することに違和感を覚えました。
そもそも、シェード自体も薄いのか取り付け後にユラユラしており、エンジンの振動で光軸がずれるなんて普通に起こりそうで信用できません・・・
また、以前取り付けたLEDヘッドライトは放熱対策のヒートシンクが目立っていたのですが、今回のLEDヘッドライトは省略されていて、量産効果や技術革新があったのかな・・・と思っていたのですが、それは違いました。
10分ほどライトを点灯してテスト走行したのち、状況を確認すると・・・ソケット部分まわりが火傷するくらい発熱をしていたのです。もともと内燃機関が存在するエンジンルーム内は発熱するものですから、問題ないのかも知れませんが・・・今まで熱を持たなかった部分に「余計なストレス」がかかることはリスクであると判断し、取り外すことにしました。
ちなみに、現時点のLEDヘッドライトは発熱による影響が続くと30%ほど光量が失われるようです。となれば、そもそも目標性能の期待値に至らない可能性もありそうです・・・
折角なので、色温度の高いハロゲンバルブ(しかも安い)を購入してきました。
よくよく考えたら10年近く純正ハロゲンバルブは持ったような気がします。向かって左側が交換したハロゲンバルブ。LEDほどのカッチリさはありませんが、ハロゲンならではの色の広がりはいい感じです。テスト走行のちにコネクターを確認しましたが、安心の手触り。もちろん熱くなんてありませんでした。
NBロードスターLED化まとめ
電球適合表 | NB3(NB後期) | |||
期間 | H14.8~H15.7 | |||
場所 | 形状 | 定格 | LED化 | |
ヘッドライト | ロービーム | 9006(HB4) | 12V51W(55W) | × |
ハイビーム | 9005(HB3) | 12V60W(65W) | × | |
フォグランプ(※納車時期によって違いあり) | H1 | 12V55W | × | |
ポジション | T10 | 12V5W | 〇 | |
ウインカー | フロント | S25ピン角違い | 12V21Wアンバー | 〇 |
サイド | T10 | 12V5W | 〇 | |
リア | T20ピンチ部違い | 12V21Wアンバー | × | |
ブレーキ | テール&ストップ | T20ダブル | 12V21/5W | 〇 |
ハイマウントストップ | S25シングル | 12V21W | 〇 | |
バック | T20シングル | 12V21W | 〇 | |
ライセンス(ナンバー灯) | T10 | 12V5W | 〇 | |
ルーム | T10×31 | 12V8W | 〇 |
結局、リスクの少なそうな部分のみのLED化になりましたが、NBロードスターのようなネオクラシック世代になると何でもかんでもポン付けではいけないと勉強になりました。もちろん、きちんとコストをかければ問題なく性能アップ&ドレスアップが可能だと思いますが・・・
私の失敗が、何か参考になれば幸いです。
酷暑日が続くなか、交差点で右ウインカーを付けて待機していた際に突然ハイフラッシャー現象が起きました。驚いてウインカーを数秒消して、再び点けると通常のスピードに戻ったのですが・・・すぐに駐車場に入ってボンネットを開けると、ボンネットステーが素手では触るのが危険な熱さになっていました。となると、エンジンルームの熱気たるや・・・
一応、その後は同じ現象は起きず、ウインカー周りも全て点灯していたのですが、保安基準に関わるものが通常動作しないのは信条に反するので・・・恐らく熱暴走したであろうフロントウインカーのLEDは元のバルブに戻しました。涼しくなれば問題はなさそうですが、灯火類の交換は自己責任で行いましょう。
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