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今回は海外仕様のEPCデータ解析と、VINコードの読み解き方の解説です。
実際の情報と差異がある可能性があるので、参考までにご覧ください。
VINコードとは(海外市場)
VINとは車両識別番号(Vehicle Identification Number)を意味し、欧州仕様はシリアル番号を含んだVINコードがコーションプレートに記載されています。
当然、VINコード記載の元になる海外仕様の某EPCのデータベースが存在し、その表記法則は国内仕様と異なります。国内でこのデータを目にすることは少ないかもしれませんが、折角なのでNBロードスターのアーカイブとして共有させて頂きます。
欧州「MX-5」のEPCコードを読み解く
こちらは以下の12区分に分けることが出来ます。
↓
①製造者 JMZ(Japan Mazda)
②型式 NB1(NB型MX-5のコード)
③車両区分 8 → 2ドアカブリオレ
④エンジン仕様 6 → 1600cc
B = 1600cc(NA)
C = 1600cc low HP(NA)
P = 1800cc
6 = 1600cc in an NB
⑤トランスミッション 2 = 5MT
6 = 6MT
⑥生産地域 50 → 語尾0は広島(※語尾1は防府)
⑦車台番号 415068(シリアルナンバー)
⑧販売地域 DE ドイツ仕様(国コード)
⑨グレード NE18EBH(NB4 ABS付、LSD無)
⑩カラーコード A3F(クラシックレッド)
⑪内装色 NE4(タン内装/黒幌)
⑫生産日 20041020 2004/10/20
対応表
国内では見ない仕様としては、ボディカラーのバリエーションやNB8Cに「5MT」があったり、VS内装に「黒幌」の選択が可能だったことが分かります(※灰色のルーフもありました)。
これらのデータとリンクするものがボンネット内のコーションプレートに記載されており、クルマの素性を読み解くことが可能になるのです。余談ですがVINの記載内容は、上記データベースの⑦までになります。
欧州「MX-5」コーションプレートVINで解析する
↓
1800cc 6MT
車台番号 315792(NB3)
対応表
因みに内装コードの法則は統一表記なので、前回をご参照ください。
北米「Miata」VINコードを読み解く
さらに北米では、国際標準化機構(ISO)3833によって定められた17桁の「VINコード」により、マツダに限らず全ての自動車が管理されています。
ちなみに日本国内向け車両は、国土交通省が定める「型式 – 番号」と車台番号を使用しているためVINコードは採用されていません。
しかし、NBロードスターはグローバル販売を行うクルマなので、北米向けには当該地域のVINコードが採用されているのです。
それでは、北米仕様のVINコードを読み解きますと…
これらは以下の17桁、8区分に分けることが出来ます。
↓
①国際製造者 JM → JapanMazda(マツダ乗用車)
②車両属性 1 → Car(乗用車)
③型式 NB → MiataMk2
④車両区分 35 → Convertible(オープンカー)
⑤エンジン仕様 3 → 1.8DOHC BP
※4 = 1.8 liter Turbo(04-0x)
⑥CHECK DIGIT 8 → コード演算アルゴリズム
⑦生産年度 Y → 2000年
⑧生産地 0 → Hiroshima
⑨車台番号 153757 → シリアルナンバー
面白いのは、欧米では中古車を購入しようとする人などがVINコードでクルマのグレードや仕様の確認を行ったり、盗難暦や事故暦、欠陥車等も見極められる車両履歴の照会サービスが一般的になっていることです。車両履歴のかなり細かいフィードバックが求められるのは、何よりもクルマを長く楽しむ文化があるからだと思います。
まとめ
実際には、こんな「VINコード」や「車台番号」なんて知らなくてもNBロードスターのハンドリングに影響はありません。正直Miata/MX-5 mark2(NB)の中古車を輸入することが無ければ、ここまで踏み込む事は少ないと思います。
ただ、話のネタとして分かっていることの共有でした。20年前のロードスターでも、まだまだ知らないことだらけです・・・