NBのシャシーセッティング(C-4)

NBのシャシーセッティング(C-4)

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元主査である貴島孝雄さんのインタビュー共有続きです。NBロードスターは乗用車的な乗り味に・・・なんてコメントを今だにしている方がいらっしゃるかもしれませんが、根拠を持って作り込んだ、今回はそんな話です。

貴島さんのプロフィールはこちら

ステアリングに関して


NBのパワーステアリングはトーションバーを太くしている。油圧が効いてないときはトーションバーをねじってバルブが開くから、トーションバーの味を感じる。それが細いと「ぐにゃ」っとするので、ねじる力がある程度あることでしっかり感を生み出す。

バーを長くしたら応力が高くなるし、レイアウトも難しくなるので、できるだけそのバーを太くして「しっかりする味」を重視したセッティングをおこなったし、ギアメーカーにもそういうものを要求して作ってもらった。


NBにはノンパワステの「標準車」があったけれど、実はマニュアル(ノンパワステ)があの時代には少なくなっていたので、パワステのほうが安かった(笑)。それでもNBにはマニュアルが必要だと思った。

なぜなら、そのトーションバーがないから最初から「しっかり」している。だから私は絶対にそのモデルを残したかった。標準車はエアコンレスもやって1,000kg切っている(※990kgが選択可能だった)。

脚回りのセッティング ロールセンター


これは、最初NAでも私が意識したセッティングだったが、(Tさんに)戻されてしまった。つまり、NAでは捨ててしまった領域、限界時や高速安定性にモロに影響が出る部分の修正をおこなった。


ロールセンターは、サスペンションの支点とタイヤの位置によって調整ができる。それがダブルウィッシュボーンの特徴でもあるし、マツダのノウハウでもある。これでコーナーを曲がるときにタイヤが左右にたわむのを抑え、しっかり脚をつけて面積を稼ぎ、タイヤを使い切ることが可能になる。

ミリ単位(※フロント20mm下げている)だとほんの僅かの差に感じるかも知れないけれど、これが効く。リアもストロークを稼いでタイヤを使い切るようにセットしている。わざとスリッピーにすることなんてありえない。グリップできる脚を作っている。

参考:

NBロードスター 脚回りの話(NBセッティング編)

タイヤの選び方


NAではタイヤパターンにこだわってグリップを重視しなかったけれど、NBはトータルバランスが高くなっていたからタイヤの性能を若干上げた(ミシュラン Pirot SX GT 195/50R15)。ただ、タイヤはお客さんの「走り方」や「ステージ」によるので、どれがベストとはいい切れない。サーキット重視でハイグリップでも、街乗りで雨が降ったら危ない。


NBでエコタイヤがしっくりくるっていう意見もある意味正解。最近はトヨタのハチロクが同じ思想でプリウスのタイヤを履いているけれど、エコタイヤはコーナーの限界を音や感覚で掴みやすい。AZ-1みたいにいきなり破綻したら危ない(笑)。


決してハイグリップやインチアップがいいってことはない。自分に合うタイヤを探すのがスポーツカーの面白さでもある。人馬一体のフィッシュボーンチャート「曲がる」で、コーナーリング限界をJ07(NB)以上に高めないというのがある。

これはグリップの低いタイヤでも楽しめる感度というか、07(※NBのコードネーム)以上に滑りの限界を高めたら素人が扱えないということになる。58G(※NAのコードネーム)では低すぎる。これが人によって扱いやすい限界ということを指している。

参考:

ロードスターにエコタイヤ

世界基準のハンドリング


ハンドリングの味は個人の好みがある。結局はその人が、それまでに乗ったクルマが基準になっている。FFベースのものすごく感度を上げたような、キビキビ動くクルマに乗っていると、NBが乗用車的という判断はよくわからないけれど、そう感じる事があるかもしれない。

マツダの社内基準で「前モデルを超えていないと次期型を出さない」というルールがあるけど、たとえばNAの方がソリッドなハンドリングかも知れない。しかしそうではなくて、クルマとしてのトータルバランスが優れているかで判断をおこなう。


NAはクイックというよりも、ある意味熟成されていないというか、「高速安定性」と「キビキビ動く」のバランスが取れていないというか・・・ヨーロッパのアウトバーン、180km/hでビュンビュン飛ばすところは危なくて走っていられない。

一方、クルマはガタガタした石畳も走ったりするし、アメリカのだだっ広い道路をまっすぐ走るときには速度も65マイル(※約105km/h)くらいなので、アウトバーンみたいに速度領域は高くない。


そんなあらゆる場所でキチンと走れるようにしているのがNBの脚回りになる。どの速度で巡航してもキチッと走れるくらい熟成をしているから、ある意味での安全面もぜんぜん違う。世界レベルの走りができるように鍛えてある。

海外仕様でセットを変えるようなメーカーもあるけれど、ロードスターは全世界共通にしている。グレード違いでバネレートは変えてあるけれど、スペックとしては共通になる。あの硬さで、ヨーロッパのアウトバーンも安心して走れるようになっている。

次回に続きます

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NBのバリエーション(C-5)

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