最後の「マツダスピード A-spec」(MS-3)

最後の「マツダスピード A-spec」(MS-3)

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今回はメーカー系チューニングブランドということで頭角を表したマツダスピードにおける、NBロードスターの話です。

NBロードスター「A-spec」


NBロードスターがデビューした98年は、NB自体がNAロードスターのパーツをコンバートできることと、マツダスピード自体もマツダと繋がりがあることから、早い段階で各種パーツが発表されていきました。

デビュー当時の広告で「NEW」と記載されていないものは、NAロードスター用のパーツがそのまま掲載されています。エクステリアパーツが新規になるのは当然として、取り急ぎベーシックなもの・・・脚周りや各種補強部品からリリースされていきました。


余談ですがアルミホイールはロードスター用に開発された「MS-03」という名称で模型化もされています。しかし、なかなか実物を見る機会がありません・・・


NBロードスター「A-spec」のエクステリアもなかなか実物にお目にかかることが少ないのですが・・・


なにげにNB後期型マツダ純正オプションのエアロパーツはマツダスピードに準じて配されています。

NAロードスター「B-spec」ボディキット(C-spec)


ただし、NAロードスターも忘れられた訳ではありません。こちらは伝説のNAロードスター「B-Spec」ボディキットです。

エクステリアは全て新規造り起こしで、リトラクタブルヘッドライトを廃し、軽量化したワイドボディにアリゲーターボンネットなど、ひと目でスポーツカーと分かるルックが素敵です。なお、テールライトはランティスクーペを天地逆にして装着しています。


ここで注目は、全国30台限定「NAロードスター C-Spec」の存在です。

先んじてリリースされていた「B-Spec」のボディキットにステージ3エンジン(200馬力超)を搭載した最強のNAコンプリートカー「C-spec」が、ついに販売されたのです。

ちなみにこの「C-spec」、エクステリアだけでなくインテリアも凝っています。ホワイトタン仕様の内装は「M2 1002」のイメージに近しいものになっています。

マツダスピードその後


NBロードスター用のパーツの開発は着々と進み、メーターやエキマニなど小ワザの効いたパーツも続々発表されていきました。しかし、ロードスターに向けたマツダスピードの広告は、NB1用のものを最後に「本家のもの」として目にする機会がなくなりました。

1999年7月に法人としての「株式会社マツダスピード」はマツダ本体に吸収され、マツダスピードのメンバーは解散してしまいました。

一応「マツダスピードのブランド」は、マツダ本体の「マツダスピード事業部」が使用するものして再出発を行うことになり、現在の用品ブランド(ショップオプション)「マツダスピード」に至ります。


本体に吸収されてからも「NBロードスターMPSコンセプト」などのチューニングカーを発表していますが、それまで培ったマツダスピードの純粋なノウハウは、ソフト・ハード両面からマツダ本体からは消滅してしまったそうです。(※なお、スタッフはオートエグゼなどのアフターパーツブランドを立ち上げます)

参考:

ロードスターMPS 初期コンセプト(MPS-2)


なお「マツダスピード」ブランドを最大限に活用すべく、後期型NBロードスターでは純正オプションパーツ全部のせの限定車「マツダスピードロードスター」がリリースされました。ロードスターで久々にマツダスピードが復活したと話題になり速攻で完売、マツダスピード神話が有効であることが実証されました。


また、NBロードスターの「NR-A」用に開発された競技用オプションも「マツダスピード」用品として販売されています。


ロードスターターボも海外名は「Mazdaspeed MX-5」として発表されているのも見逃せません。

話をまとめますと、純粋な「株式会社マツダスピード」としてはNBロードスター「A-spec」の広告が最後になりました。現在のマツダスピードは公認オプションパーツという扱いだからです。


レース参加のノウハウを現場にフィードバックして、メーカーでは出来ない「B-Spec」のような攻めた商品展開をおこない、ひとつの時代を築いたマツダスピード。当時のマツダ乗りならば、一度はそのブランドに憧れたことがあるはずです。

長くなりましたが、そこに至るまでの熱い時代と、ある意味最後の「A-Spec」だったNBロードスターのご紹介させていただきました。

関連情報

NBでレストアされたNAロードスター(リフレッシュビークル)

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