ロードスター「猫クラッチ」対策

ロードスター「猫クラッチ」対策

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ロードスターの持病「猫クラッチ」とは


梅雨などの悪天候が明けた後、突然発生するNA/NBロードスターの持病に「猫クラッチ」という現象があります。

これはクラッチを踏んだ際「にゃー」と、猫の声に似た異音が足元より起こる現象です。実は新車のロードスターでも発生した現象で、NB3購入当時ディーラーに持っていくと「グリス塗っときました」の一言で対応してもらえました。つまり、原因はグリス不足です。

 
場所はクラッチレリーズシリンダーがほぼ確定的であり、放置していても(ある程度は)走ることができますが、走行性能に関わる部品なので、ストレスがかかる状態だと非常に危険です。そこで、作業の敷居はあまり高く無いので(自己責任の範囲ではありますが)、NA/NBロードスター乗りであればメンテナンスすることをお勧めします。


ちなみに本件は北米でもミアータのテクニカルサービス扱いで、対応策が公開されています。

猫クラッチ・メンテナンス


まずは右側のフロントタイヤを外し、下に潜れるくらいジャッキアップします。本来であればウマをかけたほうが安全です。


すると、奥に「クラッチレリージズシリンダー」が見えるはずです。赤丸で示したゴムブーツ内部のグリス不足が「にゃー」の原因です。


下に回り込み、マイナスドライバーで傷つけないようにゴムブーツをこじ開けて、隙間から【耐熱タイプのグリス】を吹き込めば作業は完了です。書くのは簡単ですが、地味に体力を消耗する作業です。(※5-56などの潤滑剤は用途が違うので、間違っても吹いてはいけません)


また、ゴムブーツはきちんとハマっていないと、アイドリング時に「カラカラ」と嫌な異音が発生する場合があります(クラッチを踏めば消える)。グリス塗布とともに、矢印の溝にきちんとブーツをはめ込んであげるといいでしょう。

施行後は心なしかクラッチペダルも軽くなります。

クラッチついでにペダル交換


クルマの足元を確認するついでにキャビンを確認すると、ペダルが恐ろしいことになっていました・・・削れて下地が見えている・・・


そこで、ペダルパーツを手配しました。ひとつ約295円(当時価格)と安価なのは流石ロードスター!マツダ汎用品なので、トラックやボンゴと同じ部品になるようです。


ペダルを外して並べてみました。左から「新品」「クラッチペダル」「ブレーキペダル」です。何万回蹴ったのか分かりませんが、磨り減ったパーツには歴史を感じました。


交換自体はゴムパーツをハメ直すだけなので、あっという間に終わり・・・ビシッと足元が締まると気持ちがいいです。アルミペダル?個人的には必要ないかな・・・

もちろん、一番の対策はパーツ交換を行うことです。事実として、私は2020年の車検にてレリーズシリンダーの交換を行いました。ただ、猫クラッチが発生するたびにグリースを注入することで、8年以上何とかなっていたのも事実です。けっこうすぐにできる作業なので、気になったら手を動かしてみるのも幸せになれますよ!

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