NBロードスター ヘッドライト「黄ばみ」除去

NBロードスター ヘッドライト「黄ばみ」除去

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NBロードスターのヘッドライト(ヘッドランプ)価格

初期型であれば、発売から20年以上経過しているNBロードスター、大事に扱っていても経年劣化で色々ヤレてきます。特に、この時代のクルマであれば「必ずなる」といっても過言でないのがヘッドライトの黄ばみです。

ヘッドライトはクルマの表情(顔)におけるとても重要なポイント。ここが駄目なだけで一気に古臭く見えてしまうのは困りもの・・・正直、NBロードスターのヘッドライトは内部にメッキ処理がしてあるので、曇っているとショボくみえるんですよね。

最も効果が高い対策はヘッドライトを【新品交換】をすること。ありがたいことに、下記の表にもある通り2022年現在も新品パーツは共有されているので、ディーラーやモノタロウで手配することが可能です。

品名コード 世代 種類 部品番号 当時価格(税別) 現状価格(税別)
51-035A
ヘッドランプ
ユニット(R)
NB前期 ①標準 N053-51-0K0D ¥15,200 ¥25,900
NB後期 ②標準 N066-51-0K0D ¥22,300 ¥41,250
③ブラックベゼル(YS) N067-51-0K0 ¥22,300 ¥36,090
④標準:最終仕様 ※ N101-51-0K0A ¥22,300 ¥39,160
⑤スモーク(ターボ) N115-51-0K0 ¥27,500 ¥51,010
⑥スモーク:最終仕様 ※ N152-51-0K0A ¥27,500 ¥48,330
51-035Y
ヘッドランプ
ユニット(L)
NB前期 ①標準 N053-51-0L0D ¥15,200 ¥25,900
NB後期 ②標準 N066-51-0L0D ¥22,300 ¥41,250
③ブラックベゼル(YS) N067-51-0L0 ¥22,300 ¥36,090
④標準:最終仕様 ※ N101-51-0L0A ¥22,300 ¥39,160
⑤スモーク(ターボ) N115-51-0L0 ¥27,500 ¥51,010
⑥スモーク:最終仕様 ※ N152-51-0L0A ¥27,500 ¥48,330
※後期型最終仕様はロービームがHB4→H7へ変更されている (記載データは2022/1/11現在)

ちなみにNB前期型のニ眼ヘッドライトは1種類ですが、後期型の三眼ヘッドライトはバリエーションが存在します。装着自体はボルトオンでいけますが、最終仕様はロービームのバルブが変更されているので、ソケット形状が違うことに注意してください。流用するには配線をやり直す必要があります。

また、ヘッドライトは厳格な保安基準に基づくパーツなので安い買い物ではありません。現役当時と比べてパーツ価格は6割~8割上昇しているので、交換を決断するには、それなりにコストをかける覚悟が必要です。

そのうえで、黄ばんで劣化したヘッドライトをクリアに戻すサービスも世の中には存在します。ただ、折角なのでDIYの範囲でどこまでできるのか・・・そんなチャレンジをしてみました。

そもsもヘッドライトはなぜ黄ばむのか


NAロードスターのヘッドライトは規格品(シールドビーム)を採用していましたが、1984年の北米規制緩和でHB1(ハロゲン)が許可されて以降、デザインの自由度が格段に変わり、異型ヘッドライトが一気に普及していきました。


ただ、ヘッドライトはクルマ正面にあるため、走行中に飛び石などが当たる可能性があります。そこで透明性・耐衝撃性・耐熱性・難燃性・寸法安定性において優秀で、さらに軽いという夢の素材、ポリカーボネイトが一般的な構造材として採用されました。ちなみに耐衝撃性は一般的なガラスの250倍以上とされており、機動隊のシールドにも採用されていますね。


全天候で運用されるクルマですから、もちろん耐候性を担保するため表面をコーティングしているのですが・・・紫外線、熱、キズなどの影響で、表面が黄ばんだり、白くなったり、コーティングがひび割れてしまったりと経年劣化が起きてしまいます。すると光量にも影響が出るので、車検が通過できなくなる可能性まででてきます。結局「黄ばんだまま」ではいけないという事です。

つまり劣化した表面を処理することで、クリアなヘッドライトに戻る可能性が高まるのです。

市販ヘッドライトクリーナーで磨く


ヘッドライトを磨くにあたって最もお手軽なのは、市販のクリーナーでメンテナンスを行うことです。ホームセンターやカーショップで様々なアイテムが充実しているので、予算に合わせてチョイスすることが可能です。

<使用したもの>

・市販クリーナーセット

予算:1,000円〜 作業時間:約30分


メリットは基本的に「磨く行為」のみで対応できるので、洗車の時間にプラスする程度の作業で施工することができます。ちなみに、この時に使ったアイテムはクリーナー液とマイクロファイバーウェスがセットされているタイプ。


真っ白なウェスに数滴クリーナーを滴らし・・・黄ばんでいるヘッドライトを上下、左右と磨いていきます。すると液がこなれて伸びていき、汚れをウエスに移してくれます。コンパウンドのようにキュッキュとは鳴らず、クリーナー成分が伸びていき、汚れをこそげ取る感じです。

なお、研磨剤とともにコーティング成分が配合されていることが多いので、施工後は普通に洗車等ができます(商品のマニュアルに記載してあるはずです)。


左が使用前、右が使用後。こだわればもっと作業時間を積むことも出来ましたが、作業時間は片目15分ほどでした。施工直後は分かりやすく奇麗になるので嬉しくなりますが、継続性はマニュアル記載よりも早く青空駐車では数ヶ月で汚れる感じでした。ただ、施工自体は楽なのでルーチンで気軽に作業できる方にはお勧めです。

 
実は「磨く」だけならば研磨剤が入っている市販の歯磨き粉でも、ある程度奇麗にすることが可能です。


ただ、磨きっぱなしだと直ぐに汚れてしまうので、最終的にはクリーナーなどでコーティングしてあげないと直ぐにくすんでしまうので注意です。

少し手間をかけて磨く


少し手間をかけたい方にお勧めなのが、磨きのDIYです。ストックしてあった補修用品や、100円ショップで購入してきた部材も活用していきます。

<使用したもの>

・メンディングテープ(バンパー保護)
・ダイヤモンドクリーナー
・メラミンスポンジ
・シリコンスプレー
・コンパウンド(番手の高い液状のもの)
・ウェス
・パーツクリーナー

予算:1,500円〜 作業時間:約1時間


100円ショップのダイヤモンドクリーナーはヤスリで1000番相当といわれています。ボディに傷がつくのは嫌なので、ヘッドライト周りをメンディングテープで保護したのち、水研ぎで表面の汚れを削っていきます。


驚くほど黄色い粉が出ると思いますが・・・磨き続けると白くなっていきますので、優しく均一に磨いていきます。正直、「削る」作業なので透明なポリカーボネートがどんどん曇っていき、もう「戻れない」ことになりますので、開き直って徹底的に磨いてあげます。


ひと段落したら、メラミンスポンジに切り替えます。こちらヤスリで3000番相当といわれているので、ダイヤモンドクリーナーでザラついた表面を水研ぎしていくと、手触りが滑らかに変わっていくのが分かります。

ちなみに、ザラ付きの確認は利き手じゃない方の指先で確認しましょう。スーパーセンサーである指先は、利き手じゃない方が有利に「感じて」くれるのです。また、スポンジは使い捨てなので勿体ぶらずに使っていきましょう。表面に水をつけると透明になるので、そこで荒れを見つけて徹底的に磨いていきます。


ひと段落したら、ボディ傷の仕上げに使う液体コンパウンド(9800番相当)で徹底的に磨いていきます。なお、3000番〜9000番と番手を上げるプロセスも試してみたのですが、メラミンスポンジの後に高い番手で磨くだけで十分ツルツルになってくれました。


磨き終えたらパーツクリーナーで油分を除去し、ヘッドライト表面にシリコンスプレーを塗布してウエスで吹き上げると・・・想定外に奇麗になってくれました。


なお、継続性は市販のクリーナーよりも若干良く、半年くらいは綺麗なままでいてくれました。また、汚れてきたと感じたらパーツクリーナーからシリコンスプレーの塗布で、それなりに輝きを保つこともできました。

噂の3Mコーティング剤で磨く


巷で話題の3M製ヘッドライトコーティング剤「39173」の評判がたかく、面白そうなので施工をしてみました。

<使用したもの>

・メンディングテープ(バンパー保護)
・3Mヘッドライトコーティング 39173
・耐水ペーパーやすり 1200番
・ウエス
・パーツクリーナー

予算:2,000円〜 作業時間:約1時間

パッケージの中に入っているのは3000番の研磨パッドとふたつのコーティング剤。フルパッケージだと、1000番のパッドや当てスポンジ、手袋などが入っているようですが、私は一番安い商品を取り寄せました。

ちなみにこのコーティング剤は、ウレタンポリマー混合物や紫外線安定剤などヘッドライトのクリア化(クラリティ)に特化した薬剤が配合されているそうです。


最初に行うのは1000番のヤスリで水研ぎするのですが・・・我が家ではたまたま1000番が切れていたので、模型用の1200番で徹底的にヘッドライト表面を削っていきました。


今までそれなりに磨き作業を行ってきましたが・・・それでも「黄色いカス」がでるのは困りもの。白いカスになるまで、徹底的に水研ぎを行います。


その後、付属する3000番のパッドで水研ぎを行っていきます。なお、この工程は1000番の「倍の時間」をかけて磨くことが推奨されており、私は片側20分くらいかけました。1200番から比較しても、クリアになっているのが分かります。


削りが終わったらパーツクリーナーで汚れを除去したのち、付属のコーティング剤を軽い力で上側から横方向に「撫でるように」塗布していきます。一行終わったら、半分重ねるように2行目・・・といった感じで、焦らずしっとり「濡らしていく」感じです。薬剤がつくと明らかにクリアなライトへ戻っていきます!

なお、片側を終えたら同じコーティング剤で隣も同じ作業をおこない、10分ほど乾燥させます。

 
10分後、ふたつ目のコーティング剤(同じもの)のパッケージを空けて塗布することが推奨されていますが、NBロードスターはライトが小さいので薬剤が余っており・・・一枚目のコーティング剤で再び同じ作業をおこないました。余ったコーティング剤は次回活用することにします。


そこで完成したヘッドライトは、黄色さがなくなって驚きの白さ。ただ、新品に比べるとDIY感は否めませんが、それでもぬるぬるした感じなり、十分奇麗になったと思えました。

DIYに費用対効果を求めるのはナンセンスかもしれませんが、本当にどうしようもなくなったら「新品のパーツが買える」からこそ無茶できるというもの。もちろん、プロショップでウレタンクリアコーティングを行うという手もありますので、予算に合わせて作業を行ってください。

古いクルマでもヘッドライトがきりっとしているとクルマ全体が引き締まって見えるので、ヘッドライト研磨はおすすめの作業です。

関連情報→

NBロードスター&ヘッドライト・デザイン(前編)

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