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新型コロナウイルスの世界的な流行により、不要不急の外出、行動の自粛が促される昨今・・・クルマ趣味の世界でも、大型ミーティングやイベントが軒並み中止になっています。
リアルなコミュニケーション事態が罹患リスクになるので、目先のことだけを考えれば残念な気持ちなってはしまいますが、今が踏ん張りどころ。たまっていくモヤモヤした気持ち(&パッション)を、別のものに注ぐいい機会と捉えるのがいいのかな、と。もう少し・・・我慢のしどころです。
こんな説教臭い話はさておき、今回はクルマ趣味のひとつと断言する、模型(プラモデル)の話です。そういう意味で歴代ロードスターはとても恵まれていて、各世代が今も模型店に並んでいます。そんな、ロードスター・バリエーションをご紹介していきます。
なお、販売価格は改変されることがあるので、あくまで2020年夏時点の情報とご認識いただければ幸いです。
1/24 NAロードスター
NAロードスターは、実車デビューより先の1989年9月にタミヤ社から模型が発売されました。オーガニックシェイプ(オーガニックフォーム)のエクステリアだけでなく、ダブルウィッシュボーン、パワープラントフレームといったシャシー回りまで作りこまれているのが特徴です。
キットは最初期型のNA6がモチーフなので、限定車やNA8を作成するとなると、実車の進化と共にアップデートされていった細かい装飾品を自作する必要があります。ただ、プレーンな素体として優秀であるとともに、パーツ点数も少ないのでサクッと出来上がります。
唯一クセがあるポイントはウインカー周りの処理です。接続ピンがどうしても目立つので、モデラーの腕の見せ所になっています。なお、30年前の販売価格は1,000円でしたが、再販されるたびに経済的な事情(物価上昇)にともない、現在は値上がりしています。
1/24スポーツカーシリーズ No.85
ユーノス・ロードスター 1,870円(税込)
1/24スポーツカーシリーズ N0.82
マツダ・MX-5ミアータ 1,870円(税込)
ミアータとユーノスロードスターのキットの違いは、実車と同じくハンドル位置をはじめ、フェンダーウインカーの有無やワイパー左右の方向、エンブレム等のセットが変わります。
また、両キットともオープン/クローズを選択して組むことができますが、ミアータにはソフトトップ(幌)、ロードスターにはハードトップが付属します。
Revell Miata MX-5
NAロードスターは米国の模型メーカーRevell社からも1/24スケールでキット化されています。再販に伴って豊富なパッケージアートのバリエーションがありますが、基本的に同じ内容です。
タミヤ版と最大の違いはエンジンルームが再現されていることと、幌スペースをスピードスター風のヘルメットケースにできるところです。国内ではなかなか入手困難ですが、定期的に再販品が出回ります。
また、なぜか近年は同じキットながら再販時にスケール表記が1/25に変更されています。
1/24 NBロードスター
NBロードスターのキットは、アオシマ社から発売されていました。基本になるキットはNB前期型(NB1)になるので、ハッピースマイルフェイスのモデルが中心になります。
こちらも当時は1,500円前後で販売されていましたが、再販がかかるごとにNAロードスター同様に値上がりをしています。ただ、単に値上がりをしているわけではなく、近年に再販されたキットはミアータ用(MX-5)の左ハンドルパーツもセットされているので、お得感は増しています。
また、タミヤのNAロードスターと同じくダブルウィッシュボーンからパワープラントフレームにかけたシャシーまわりも再現されています。ただ、RSグレードで販売されていてもトラスメンバー(補強パーツ)が再現されていないのは、若干残念なところです。
実車に比べてボディラインの抑揚は抑えられている印象はありますが、それは1/24というサイズが俯瞰視点になってしまうからです。目線を合わせれば、見慣れたコークボトルシェイプのNBロードスターが出来上がります。
さらに、キットはフロントバンパーが分割されているのでバリエーションが豊富なことも特徴のひとつです。残念なのは国内NBの不人気もあったからか、NB2(後期型)のキットが出なかったこと。後期型は実車でもエクステリアの違いがフロントバンパーまわり(&ヘッドライト)が中心なので、腕のある方はスクラッチにチャレンジするのもアリだと思います。
ザ・モデルカーNo.117(ザ・ベストカーNo.38)
マツダNB8CロードスターRS’99 2,860円(税込)
ザ・ベストカーGT No.45
ロードスターRS(NB8C) 2,640円(税込)
1/24 NBロードスター バリエーションキット
ザ・チューンドカーNo.61
マツダスピードNB8Cロードスター Aスペック’99 2,860円(税込)
バリエーションキットとして販売されているマツダスピードバージョンは、今は亡き純正マツダスピードの前期型Aスペックを再現しており、サイドステップ等のエアロパーツだけではなく、セミバケットシートやロールバーまで再現されています。
また、マツダスピードMS-03ホイールも造形されており、ここにコストをかけたアオシマ社の心意気は素晴らしいです。
SパッケージVer.R No.76
オートエグゼロードスター 1,980円(税込)
珍しいところでいくと、オートエグゼのロードスターもキット化されました。ロールバーの再現だけでなく、こちらにはハードトップも付属しています。ボディサイドを彩る大判デカールは、後の「痛車」シリーズに通ずるものがあります。
頭文字D No4
大宮智史NB8Cロードスター 2,420円(税込)
SパッケージVer.R No55
ガレージベリーNB8Cロードスター 2,640円(税込)
これらは成形色違いのバリエーションキットですが、ガレージベリー版はボンネットデカールがセットされている分、若干価格が上がっています。キット自体は、ガレージベリーの大胆なフロントグリルが再現されていることころが特徴です。
痛車No.3
らき☆すたロードスター1800RS 3,740円(税込)
痛車N0.15
Angel Beats! ロードスター 1800RS OP 3,960円(税込)
実車でも一大ブームが巻き起こった「痛車」シリーズの入門キットとして、幾度も再販がかかっているバリエーションキットです。
キャラクターラインのない流麗なNBロードスターのボディは、「俺の嫁」が映えるキャンバスとして優秀です。何気に、再販がかかるごとにデカールのコシが良くなっていたりと、メーカーからも愛されているようです。
参考までに、モデルグラフックス誌2008年12月号では、痛車の特集が組まれました。
アニメキャラクターを活かすための「デカールの貼り方」だけではなく、カーモデルを作成するための基本から学べる秀逸な内容になっています。何より、現役モデルではなかったNBロードスターが表紙になっただけでも、オーナーとしては嬉しい限りです。機会があれば手にしていただければ幸いです。
なお、模型業界では痛車を皮切りに、「痛戦車」「痛飛行機」とブームが起きましたが、ガールズ&パンツァーなど作品にまで楽しみ方がフィードバックされたのも、面白い現象でした。
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