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自動車の模型はメーカー間を問わず1/24という共通の縮尺を中心に展開されています。その背景には、1フィート(304.8mm)を1/2インチ(14.7mm)に縮小したサイズが基準になっており、北米では1/2インチスケールとも呼ばれています。
なお、国内では1960年代からすでに採用されていた歴史があります。模型のサイズが統一されることにより、メーカーが違えどもコレクションに一貫性が生まれる利点からも、モデラーにも愛されているサイズなのです。
特に、今回紹介している歴代ロードスターの模型は、世代により発売しているメーカーも異なるので、各社の設計思想が比較できるなど、コレクタブルな楽しみ方も可能です。
そのよう中、今回はNC/NDロードスターの模型を中心にご紹介させていただきます。
1/24 NCロードスター
インチアップ ID.87
マツダロードスター MX-5 3,080円/新:3,520円(税込)
スポット No.18
マツダロードスター デラックス 3,300円(税込)
※エッチングパーツ付き
インチアップ IDSP.72
マツダロードスター デラックス 4,180円(税込)
※エッチングパーツ付き
NCロードスターのキットはフジミ社より発売されています。キットのリリースはNCロードスターデビューから約1年後の2006年9月で、NC1ロードスターの幌モデルを中心に展開しています。
このキットもバリエーション展開を見越しており、フロントバンパーだけでなく、ボンネットやサイドステップまで別パーツ化されています。さらにエンジンルームまで精緻に再現されている意欲作で、ディティールアップキットも用意されました。
また、NCの特徴でもあるバンパーにビルトインされたヘッドライト再現され、裏打ちのメッキパーツも含め、ストレスなく「パチピタ」で組むことが可能です。クリアパーツ自体もテールランプは着色されており、パチ組みでも美しい仕上がりになります。グローバル販売を見越して左ハンドルパーツも封入されているので、MX-5として組むことも可能です。
もちろん歴代キット同様にシャシー回りも再現されており、リアのマルチリンクサスペンションは肉抜き穴も含めて精巧に再現されています。また、サスペンション自体も本物のばねを使用して車高調整も可能です。しかし、剛性が低いので固定したほうがストレスなく飾ることができると思います。エンジンルーム再現のためのボンネットの合いも若干わるく、微調整が必要です。
また、発売当時はスポーツカー自体が下火の時代だったためか、RHTやNC2以降の後期型のバリエーション展開がされなかったことも残念でした。しかし、キット自体はNCロードスターのオーバルシェイプを美しく再現しており、他の1/24ロードスターと並べても、違和感ないものに仕上がっています。
1/24 NCロードスター バリエーション キット
スポット No15
マツダロードスター 3rdジェネレーションリミテッド 2,640円
インチアップ ID.101
マツダスピードロードスター 3,520円
3rdジェネレーションリミテッドは、実車デビューと同時に発表されていた限定車ですが、限定キット自体も基本的にはノーマルのものと色指定が異なるのみです。安価でスポット生産された、お得感のあるキットです。
マツダスピードバージョンは各種エアロパーツに加え、マツダスピードのホイールやセミバケットシートなどを再現しています。実車同様、ファン(かわいい)なロードスター・フェイスが精悍なものに変わります。
NCロードスターのキット自体は再販がなかなかかからないので店頭で見る機会が少ないかも知れませんが、リデコ・パッケージを期待して、気長に待ちましょう。個人的には、見つけたら即購入でいいと思います。エンジンルームのパイピングを眺めるだけでも、ご飯三杯はイケます。
1/24 NDロードスター
スポーツカーNo.342
マツダ ロードスター(MAZDA MX-5) 3,520円(税込)
NDロードスターの模型は、実車デビューから約半年の2015年末にタミヤよりキット化されました。近年、カーモデルの新作が少なくなっているなかで、手軽にかっこいいスポーツカーが作れるオススメキットです。
シャシー回りの再現をはじめ、左ハンドルのMX-5パーツのセットや、メッキパーツを組み合わせた灯火類などタミヤクオリティを誇るスキのない仕上がりで、もちろん幌のオープン/クローズも選択可能です。面白いのは女性ドライバーのランナーも封入されており、メカメカしいカーモデルに彩を添えています。また、ソウルレッドプレミアムメタリックを再現するためにスプレー塗料も開発されました(別売り)。
スポーツカーNo.353
マツダ ロードスターRF 3,520円(税込)
また、タミヤ公式Twitterで先行発表され話題になったNDロードスターRFも、満を持して2020年3月に発売されました。リトラクタブルルーフはもちろん開閉の選択が可能です。
シャシーは実車と同様に幌のNDロードスターと同一ですが、RSグレードの再現になるのでレカロシートやBBSホイールなどがセットされています。面白いところは、エンジンヘッドを自作する必要はありますが、パワートレイン単品でも製作することが可能なところです。単純なメカキットとしても楽しむことができるのです。(※幌モデルも可)
1/24 NDロードスター レジンキット
NDロードスターはインターアライド社が展開するMODELER’S(モデラーズ)ブランドにて、レジン製組み立てキットも販売されています。
レジンキットとは、樹脂で成形するパーツを組み立てるもので、(ざっくり表現をすると)完成済みミニカーが「キット状態」で販売されているようなもので、上級者向けの作りとなっています。ただ、基本的に模型用工具があれば製作が可能です。
少量生産が前提になるので、価格はプラスチックモデルと比較すると高価になりますが、その分マニアック(ニッチ)な展開を行うことが可能です。
モデラーズ MK006
マツダ グローバルMX-5カップ レースカー 11,800円(税込)
こちらのキットは、世界統一仕様車のカップカーを再現したものです。左ハンドルをはじめ、ロールゲージなどのレーシングギアも忠実に再現されています。エッチングパーツ、窓枠印刷済クリアフィルム、ミラーシート、デカール等々がセットされ、戦うロードスターを再現することができます。
モデラーズ MK009
MAZDA ROADSTER RF (2016) 10,780円(税込)
こちらはタミヤに先駆けて2018年に発売されたキットです。基本、ベースグレードの再現になっているので、シートやホイールも標準のものがセットされています。美しいRFのフォルムを見事に表現していますが、三角窓はグロスブラックで塗りつぶすのが正解ですね・・・
模型ロードスターの世界 まとめ
なお、NDロードスターのキット作例はモデルグラフックス誌2020年6月号に幌/RFともに詳しく解説がされています。
誌面では素晴らしい最限度の30周年記念車を拝むことができるので、機会があればご覧いただければと思います。
また、NDロードスター発売記念として、タミヤプラモデルファクトリーでチーフデザイナーの中山氏やクレイモデラーの淺野氏を招いたイベントが開催されました。今ではイベントでも聞くことがなくなった、スーパーカーデザインから繋がるNDロードスターデザインにも触れているので、ファンの方は必見です。
以上、1/24スケール・模型ロードスターのご紹介でした。不要不急の外出が望まれる昨今、手を動かすことにチャレンジするもよし。キットのランナーを眺めて酒の肴として楽しむもよし!掌で展開できるロードスターの世界、いかがでしょうか!?
参考リンク