NBロードスターのサスペンションメンテナンス(交換編)

NBロードスターのサスペンションメンテナンス(交換編)

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ショックアブソーバーの部品を注文する


NBロードスターのサスペンションリフレッシュ、ショックアブソーバー交換を行うにあたり、私は純正リプレイス品で定番の「NEW SRスペシャル」を購入しました。また、このショックは単体で機能をせずスプリングやマウント類を純正ショックより移植することになります。そこで、消耗品パーツも交換をすることにしました。

検討プロセスはこちら→https://mx-5nb.com/2021/05/10/shock-absorber-replacement1/

パーツリストを参照しながら注文をしたのは以下の通りです。

品名(※10%OFF適用) 型番 価格 個数 金額 消費税
ショックアブソーバーセット NEW SR SPECIAL ¥28,710 1 ¥28,710 ¥2,871
ナット フランジ (H0) H001-28-333 ¥365 8 ¥2,920 ¥292
ブーツ ダスト (NC) NC10-28-015A ¥1,107 4 ¥4,428 ¥443
ブッシュUPリヤーダンパー (NC) NC10-28-775 ¥212 4 ¥848 ¥85
ブッシュロアーリヤーダンパー (NC) NC10-28-776 ¥212 4 ¥848 ¥85
ストッパー バンプ (NC)※ NC10-28-111B ¥3,114 4 ¥12,456 ¥1,246
ラバー スプリング シート (NC) NC10-28-0A3A ¥243 4 ¥972 ¥97
シートラバー (G0) G030-28-013A ¥171 4 ¥684 ¥68
シートラバー (NC) NC10-28-012B ¥846 4 ¥3,384 ¥338
シャシーコート(クリア) 防錆塗装剤 ¥380 1 ¥380 ¥38
小計 ¥35,360 38 ¥55,630 ¥5,563
合計 ¥61,193

基本的にショックアブソーバー全体の構成パーツは前後で同じものが使用されているのですが、唯一パーツナンバーが違ったのが、ショックアブソーバーを受け止めるバンプストッパー。私はそれに気づかず4個注文をしてしまったので、リア用のものをフロントに流用しています。(※フロント用の品番はNC10-34-111です)

また、サスペンションをボディに留めるフランジナットも前後セット分購入していますが、こちらは(使用しましたが)結果として必要ありませんでした。


なお、パーツ自体もモノタロウ全品10%OFFセール時に行なっていることと、パーツ価格改定前の金額なので、あくまで参考程度でご覧ください。また、作業工賃は友人氏のDIYで行なので、おごりの昼食代くらいです・・・

作業の下準備を行う


「NEW SRスペシャル」の数少ないデメリットとして、コストを抑えるために塗面が弱いというものがあります。

そこで、作業の一週間前にクリアのシャシーコートでコーティングを行いました。これは過酷な環境にさらされるサスペンション周りですから、タイヤ交換/ローテーション時にもコーティングを行うことにします。


また、サスペンションを組むにあたりマニュアルがわりにパーツリストの印刷をしておきました。おかげで現物合わせの際に、迷うことがなく作業を進めることができました。


なお、工具類は友人氏のガレージにあるものをお借り(というか、自分は清掃と記録だけ・・・)しました。その中で特殊なものがあるとすれば、スプリングコンプレッサーというスプリングを外す際に固定する工具があります。準備しようと思ったら「用意しておきますよ」となり、助かりました。

作業当日は程よく風が吹く快晴な、サスペンション交換日和。ロードスターをウマにかけてタイヤを外し、各種ナットに潤滑剤を塗布して作業開始です。

リアサスペンションの分解


リアのショックアブソーバーは、トランクの内張を外すことでアクセスが可能になります。燃料ラインを保護するプレートはエッジが立っているので、手を切らないように注意です。工具を駆使して、ラインの奥にみえるショックを止めているフランジナットを緩めていきます。


下回和りでは、片側だけでいいのでスタビライザーのリンクを外します。さらに、ダブルウィッシュボーンの各種アームにあるブッシュを緩めることで、アームを下げることができるようになります。ブッシュを緩める際には、組みつけ時の参考にするため、マーカーで印をつけておきます。

そして、ショック下部のブッシングにつながっているボルトを外し、ショックがフリーになったことを確認します。ぐらぐらと出来たら、トランクルームのフランジナットを完全に外します。


途中、ショックのダストブーツをめくってみると【粉々になったバンプストッパー】が・・・これで走っていたと思うと恐ろしくなるとともに、そんな状態でもそれなりに走れてしまっていたロードスターのサスペンション構造に感動しました。メンテ不足であることには違いありませんけれど・・・


あとは、ロアアームを下に抑えながらボディに傷をつけないようにショックアブソーバーを抜き取ります。これらの作業は簡単に書いていますが・・・ひどい固着ボルトはなくとも、力がいる作業には間違いありません。

ショックアブソーバーの組立て


外したショックアブソーバーにスプリングコンプレッサーを取付け、スプリングを固定しながら縮めて分解を行います。


粉々になってしまったバンプストッパーはさておき・・・金属パーツをクリーナーで洗浄のち、用意しておいた消耗パーツを組み付けていきます。外したダンパーブッシュを確認すると、経年劣化により硬くなってはいるものの、ひび割れ等はありませんでした。

なお、NBロードスターはサスペンションマウントの構造がNAからリファインされているのが特徴です。


スプリング反力とショックアブソーバーのロッド反力を別体化した「入力分離」タイプのマウント構造にすることで、コーナリング時のロール速度を低減させるとともに、低速領域の乗り心地をよくしています。また、バンプストッパーは減衰効果のあるウレタンを採用しており、悪路走行の跳ねを抑えます。


ピストンロッドの組み付けは、上部の出代が16.7±1mmとなっていて、エアツールではなく「手組みで行うように」と整備書で指示されています。

リアサスペンションの組み付け


ショックを外したついでに、経年劣化で錆が出ていたアームをワイヤーブラシで磨き、防錆加工を行います。

そして、外した際と逆の手順でショックアブソーバーを組込み、アーム類を仮組みをしていきます。その際、次回のためにボルト類へ固着防止のスレッジコンパウンドを塗布しておきます。


その後、アーム基部を油圧ジャッキで下から固定したのち、マーカーの印をもとにブッシュ類を締め付けていきます。

車体を浮かせた状態でブッシュを締め込むと、着地した時点で車重によって沈んだ分の捻れが生じ、可動部は元へ戻ろうとする力が発生します。ショックアブソーバーの伸びようとする力により、ブッシュに捻れる力が常にかかってしまい、劣化を促進してしまいます。

これは「1G組み付け(1G締め付け)」と手法で、車両がタイヤをつけて静止した状態を再現し、サスペンション本来の力を発揮させるためのおまじないです。

フロントサスペンションの分解/組み付け


フロントのショックアブソーバーへはエンジンルームよりアクセスします。NR-Aの場合はストラットタワーバーと同じ基部に固定されていますが、タワーバー自体を外す必要はありません。まずはリアと同じくフランジナットを緩めておきます。


フロントはリアと違い、作業性を高めるためにスタビライザーのリンクは両方外します。また、リアと同じくアーム基部にマーカーを付けて、固定部を緩めていきます。


フロントのショックアブソーバーにはABSケーブルが付いていますので、それを取り外したのち・・・1番の大物、通称「隠しボルト」とされるロアアーム・ボールジョイント基部にあるボルトを外します。


次にロアアームの基部を緩めることでアームが下げることで、ショックアブソーバーが「抜けやすくなる」状態になります。エンジンルームのフランジナットを外し、アッパーアームを力技で下げながらショックアブソーバーを抜き取ります。ボディに傷をつけないように注意です。


なお、ショックアブソーバーの組立てはリアと基本的に一緒です。

フロントのバンプストッパーは劣化があるとはいえ、リアのように砕けているわけではなく形状が保たれていました。ロードスターはFR車なのでトルクが後部に集中することと、リアサスのストロークがシビアなので、どうしてもリアの負担が大きいということでしょうか・・・


組立てたショックアブソーバーを戻しフロントも「1G組み付け」を行い、ショックアブソーバー交換の作業は終了です。ただ、脚回りの基部をいじっているので、アライメントを後日調整する必要があります。ショック交換後30分ほど試走をおこない、異音等なかったので一安心です。


取り外したビルシュタインは洗浄を行っておきます。目に見える大きな錆や液漏はなく、ピストンロッドも全体重をかけなければ縮みませんでした。完全な「抜け」状態ではないようですがロッドの戻りが遅いので、内部ガスの劣化があると思われます。こちらは梱包を行い、きたるべきオーバーホールまで保存することにします。

NEW SRスペシャルの乗り味は


後日200kmほど走ってみて、その乗り味の印象は驚くくらい「ビルシュタインに近しい」ものでした。純正ショックよりも若干固めたセットと聞いてはいましたが、想定よりも引き締めてあったのは嬉しい誤算です。

また、路面のインフォメーションを積極的に拾えるようにもなりました。これはダンパーロッドの「戻ろうとする力」が回復したからだと思われます。

ある程度身体に馴染んできたところで、ドキドキしながらバンプのある道を走ると・・・底付きは見事になくなり、しなやかにグリップしてくれました。「路面から浮くような」腰砕け感が無くなったことで、安心して踏める脚になりました!もちろん「10マイルテスト」も問題なくクリアしました。


また、ハードトップに換装したことで、鈍い私にもより変化を大きく感じることができました。

ハードトップで剛性が向上するのは毎度のことでしたが、いつにも増してハンドリングのシャープさを体感できたのです。カチッと決まるコーナーに、なるほど、そりゃサーキット派であればハードトップ付けるわけだわ・・・と、今更ながら実感しました。

なお、ロードスターの車高は上がると思っていたのですが、そのままの状態を維持してくれました。

ただ、(繰り返しますが)ショックアブソーバー交換前でもそれなりに走れていた状態だったことから、改めてダブルウィッシュボーンのメカグリップには驚かされるばかりです。

しかし【粉々に砕けたバンプストッパー】を見た後ですから、メカ的にも心情的にも安心できる状態になったことは、愛車の良さを再確認することにもなりました。実は、新たな宿題を発見しているのですが、それはまた別の話で・・・ロードスター道はまだまだ奥深く、終わらないようです。

最後にこの場を持って、作業を行ってくれた友人氏には感謝をさせていただきます!

関連情報→

NBロードスター 脚回りの話(素性編)

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