NBロードスター BOSEサウンドシステムのオーディオ交換

NBロードスター BOSEサウンドシステムのオーディオ交換

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NBロードスターのBOSEサウンドシステム


NBロードスターの純正オーディオは上位クラスにBOSEサウンドシステムが実装されていました。

オープン時に歪みのない重低音を生む8インチBOSE Nd™ウーファーはマグネットをコーン前方に配置して厚さを50mmに抑えるとともに、ネオジウム磁石の採用で通常コーンの約2.5倍の振動距離を確保し、ドア内部の支持構造を強化したうえで装着。


さらに中低音用2インチツイドラー(中高音用スピーカー)を加えた4スピーカーを、総合最大出力200Wの小型軽量スイッチングアンプでパワフルにドライブし、常にクリアなサウンドを提供。さらに、後期型では車速に応じて音量/音質を自動調整するオートボリュームコントロール機能を搭載しています(これ、けっこう感動します)。

ちなみに前期型は1DIN、後期型は2DINのマツダ・マルチファンクションシステム(共通デザイン)を採用しています。また、少しレア装備としては、最後期型(NB4/7)のスピーカー付きエアロボードも、BOSEサウンドシステムでは専用品になっています。

ただ、実際はボリュームを上げすぎるとスピーカーが耐えられなくて振動が出たりもしましたが、音質にこだわりのない私としては結構いい感じにドライブを演出してくれた、お気に入りのオーディオユニットでした。


しかし、当時の上位クラスといっても基本はラジオとCDで、オプションで6連奏CDチェンジャーやMD、最後期にはMP3のユニットも選択可能でしたが、iPodを発端としたシリコンオーディオが浸透した今となっては、(カーオーディオとしては)枯れた技術ということでなかなか厳しいものがあります。CDやMDなどメディア交換の手間がないだけで全然利便性が違いますからね・・・

もちろん、ラジオ飛ばし機能でiPhone等の音を鳴らす選択もあります。ただ、音質が微妙なことと毎回オートアンテナ(電動アンテナ)がにょきにょき生えてくるのが嫌で・・・そこで、私のロードスターもオーディオユニットの交換を行いました。

BOSE付きのオーディオユニット交換

 
NBロードスター(というか、当時のマツダ車において)BOSE付きのオーディオユニットを交換するには、少し手間がかかります。通常であればオーディオ取り付けキットを購入して、配線を色の通りに繋げるだけで音が鳴るのですが・・・BOSEの場合は専用アンプを介しているために爆音ノイズが入ったり、音が割れたりしてしまうのです。

したがって、当時のカーショップでは「マツダBOSE搭載車はオーディオ交換非対応」といわれていましたが、オーディオの分かる有志たちが対策を検討し、無事に取り付けられるノウハウが様々生まれていきました(先輩たちに感謝!)。その対応策はBOSEアンプの除去であったり、BOSEを介さないで配線を繋いだりなど様々。


そのなかで一番簡単だったのは「アイソレーショントランス」というノイズ除去ユニットを介すること。

オーディオユニットから直接スピーカーに配線するのではなく、RCA端子から音を出力→アイソレーショントランス(ノイズ除去)→車体スピーカー・・・というプロセスを踏むと、キチンと音が鳴ってくれるのです。


私は2002年当時にもNBロードスターに乗っていたこともあり、当時手配した配線をもとに今のロードスターへそのままユニット装着することが可能でした。なおアイソレーショントランスは、当時「XA-112」というユニットをソニーが販売しており(カー用品店でも手に入った)、RCA端子をギボシに変換してくれるコードまで入っていて助かったのですが・・・今は残念ながら廃版です。


しかし、ノイズフィルター自体は他社からも(とても安価に)販売されており、RCA出力を分岐させる配線を何とかすれば音を鳴らすことは可能です(実践済)。また、現在はノイズフィルター機能(配線)付きのヘッドユニットも販売されているので、コストにこだわらなければそういった選択も可能です。

 
ユニットの交換作業自体は簡単で、当時のマツダオーディオはユニット左右に付いている蓋を外し、そこにU字の取り外し金具(取り付けキットに入っている)を差し込んで外側に引けば、ユニット本体を引き抜くことが可能です。(金具がない場合は「針金ハンガー」を加工すればオッケー)

NBロードスターの固定アンテナ化


ちなみに私が交換したヘッドユニット・パイオニア「MVH-390(現在廃版)」は、iPodやUSBデータ対応機種なので、古くて使わなくなったiPhone3Gをシリコンオーディオとして接続することが可能になりました。古いiPhoneって味があって可愛いし、キチンと現行のMacでも認識してくれるので重宝しています。

しかし、ひとつ問題があり・・・ラジオを聞かない時もオートアンテナがにょきにょき生えてきて、とってもウザいのです。現行車種でオートアンテナを採用しているクルマはほぼ消滅したので仕方がないことですが、アンテナを伸ばさないためには仕様上オーディオユニットの電源を切るしかなかったのです。音楽を聴きたくてユニット交換をしたのに本末転倒・・・そこで、あえて「固定アンテナ」にすることを決めました。

品名コード 世代 種類 部品番号 当時価格(税別) 現状価格(税別)
66-930D NA ラジオ アンテナ ロー ボデー NA01-66-A3X ¥3,840 ¥4,810
66-941 アンテナ ポール N001-66-A30 ¥1,810 ¥2,885
66-930 NB ラジオ アンテナ NC20-66-930A ¥2,680 ¥4,253
66-941 アンテナ ポール KA03-66-930A ¥1,580 ¥3,055

(※2022年1月現在の価格です)

ちなみにNBロードスターは最初期にカタログ記載されていた「標準車」用に、固定アンテナのパーツが用意されています。ただ、たまたまNAロードスターの固定アンテナを格安で友人から譲っていただいたので、DIYにチャレンジをしてみました。ちなみにNA/NBどちらとも、まだパーツ購入が可能です。アンテナは長くて曲げることができないので、モノタロウでは配送料に特別料金がかかります・・・

 
交換作業自体は単純で、トランク内の内装を剥がすことでアンテナ本体へアクセスすることが可能になります。そこでラジオのケーブルとオートアンテナの電源カプラーを外していきます。


あとは、アンテナ上部のメッキ部分に切り込みがあるので、ドライバーセットに入っていた画鋲抜き(丁度はまります)で慎重に回して外し、本体のステーボルトを外せば下側に引き抜けます。

 
なお、この作業は慎重に行わないと(結果的に見えなくなるけれど)アンテナ基部のボディがゆがむので注意です。また、隙間から浸水するのが嫌だったのでブチルを詰めておきました(この写真は付けすぎ)。

 
アンテナ自体は市販のステーを介して固定するだけで何とかなりました。なぜか角度もピッタリ!電源カプラーは用心のためにメンディングテープを貼っておき、あとは元の手順で組み直すだけです。

NA/NBロードスターの固定アンテナはとても長くて1/1ラジコンのようでレトロカッコよく、非常に味のある姿に変えることができます。ちなみにNCやNDのショートアンテナを流用するためには、アンテナ本体にブースターが付いているので配線が必要です。


ただ、新品のパーツとなるとNBにベストフィットなのは専用部品の方が間違いないので、ストックしておきました。

流用していたNA固定アンテナは数年間使っていても何のトラブルもなく、とてもカッコ良くてお気に入りだったのですが・・・また別の問題が発生しました。それは、週末にしかロードスターに乗らないためコンディションを維持するためにボディカバーを導入したことです。


固定アンテナではカバーをかけるのに、いちいちアンテナを外すのが面倒で・・・別にラジオを聞かずにいればアンテナが無くても問題ないのですが、いざという時の交通情報は重要だし、ラジオの会話は癒されることもあるので聴きたくなるんですよね。

オートアンテナスイッチを取り付ける

 
オーディオユニットの配線を確認すると、「青」のケーブルがラジオの制御をおこなっていることが分かりました。そこで、カーショップでスイッチ(一番安いやつ)を買ってきて、間に咬ませる事にします。


アンテナで特殊な制御を行っていたらこの試みは失敗だったのですが、オートアンテナは幸いにして電源オン(通電)で伸びて、オフで縮むという単純な構造でした。ラジオを聴かない時はスイッチオフにすると、するするとアンテナが隠れていく、思った通りの動きになってくれました。

 
あとは、ストレージとして使っていた1DINの後ろに穴をあけてスイッチ配線を通せばオッケーです。ついでにプラスチッキーだったオーディオユニット周りを、100円ショップで購入してきたフェイクレザーと両面テープで化粧してあげました。

ちなみにアンテナのスイッチは、ストレージボックス内に目立たないように配置しています。


昔はオートアンテナ否定派だったけれど、20年ひと昔で絶滅してしまった今としては、ボタン一つでにょきにょき動くのは逆にレトロカッコいいと思えるようになりました。リトラクタブルヘッドライトに通ずるロマンさえ感じてしまいます。

そんな作業の備忘録でした。

関連情報→

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