ビッグワンガムのロードスター(レストア)

ビッグワンガムのロードスター(レストア)

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伝説の食玩「ビッグワンガム(BIG・1・GUM)」


80年代のキッズを興奮させたプラモデル「ビッグワンガム(BIG・1・GUM)」を憶えている方はいらっしゃるでしょうか?こちらは、老舗お菓子メーカー・カバヤ食品より発売されていた伝説の「プラモデル付きガム」で、いわば「食玩」の元祖的な存在です。


ルーツは70年代まで遡り、前身となるビッグリーグガム、ニューエフワンガムといった「おまけプラモ付き」という商品コンセプトを引き継ぎ、当時価格100円~200円にて提供されたシリーズです。

キット内容は船舶、飛行機、列車、自動車、重機など、豊富かつかなりシブいラインナップを揃えており、スナップフィット(接着剤を使用しない)の簡易性や、安価なことも相まって、当時の男の子なら一度は手にしたことがあるのではないでしょうか。

コレクション性も高かったビッグワンガム・シリーズは2000年代初めまで続いたのですが、残念ながら現在はブランド消滅しています。しかも、販売資料はカバヤにも残ってなく、(一部のキット以外)プレミア性も低いことから、コレクターも少ないのが現状です。


そのようななか、我がNBロードスターも「NEW BIG・1 GUM(ニュービッグワンガム)第二期」にラインナップ入りしていまして、赤・青2種類の1/43スケールのNBロードスターを安価で手に入れることができました。ただ、同じビッグワンガムでもニューシリーズは残念ながら組み立てキットではなく、完成品シリーズとして展開されました。いわばチープトイな趣です。

ちなみに同時期のラインナップはセリカ、MR-S、S2000と中々の顔ぶれ。スポーツカーが憧れのクルマだった時代の名残ですね。


流通量も比較的多かったからか、気づけば「出会える」機会も多く、しかもリーズナブルにゲットできるので、我が家では4台以上お出迎えをしています。造形はそれなりですが、それを「味」と思えば、なかなか可愛く見えてくるものです。

NBロードスターのジャンク品を発見、分解する


そんななか、先日ホビーショップを徘徊していたら100円ジャンクコーナーに見慣れたロードスターの姿が!これは「助けなければ」と使命感にかられ、もちろんお出迎えをしました。ただ、ボディは傷だらけでフロントガラスのクリアパーツは割れており、なかなか可愛そうな状態です。


それならばレストアしてあげよう・・・ということで、分解をしていきます。構造自体はかなりシンプルなので、裏面にあるふたつのネジを外すと・・・


見事に分解することができます。少ないパーツ点数でNBロードスターの特徴を捉えている、なかなかいい感じの造形です。ナンバープレート等、小さいパーツも接着されているわけではないので、パーツセパレーターで引き抜けばオッケーです。


折角なので、少し造詣をいじって「なんちゃって後期型」にしようと思います。いじるポイントは2ヵ所、「グリルの形状変更(ファイブポイントグリル化)」「フォグランプの追加」になります。実車の写真を見ながらマジックであたりを付けて、棒ヤスリやアートナイフを使って削り込んでいきます。


より後期型を志すなら、目元をキリっとさせる必要がありますが・・・失敗しそうなのでやめました。また、サイドミラーの造形が微妙だったので削り落とし、水研ぎして全体を慣らしています。


さらに、下地処理としてサーフェーサーを吹いておきました。ちなみに、ダッシュボード上部はそのままプラの状態で行くので、マスキングをしてあります。


問題はフロントガラスのパーツです。コンビニ弁当のパッケージでヒートプレス造形をしようと思ったのですが、めんどくさいのでそのまま行くことにしました。本当はもう少し立っていた方が、それっぽいんですけれどね。また、塗装の関係でAピラーが太く見えるので、塗料を全て落として・・・


ピラーが細く見えるように再塗装することにしました。割れている部分は、そういう歴史をたどってきた食玩ということで、そのままにしてあります。ただ、模型用コンパウンドで磨き込んでおきました。

ビッグワンガム・ミニカーの塗装を行う


塗装色は私の愛車の近似色になる「あずき色」を複数回拭いて、その上にクリアーを塗り重ねました。


さらに、ブラウンで「墨入れ」を行ったあとに立体的に見えるようにヘッドライトの描きこみを行おうと思ったのですが・・・


これがなかなか小さいパーツなのでうまくいかず、下手に描くよりもベタ塗りで艶々にしたほうが、この玩具には合っていると気づきました。これは描きこみに失敗して途方に暮れた写真で、この後にヘッドライトは塗り直しています。

なお、サイドマーカーは私の愛車に合わせたので、銀色のままにしてあります。こういうことができるから、模型って楽しいんですよね。


また、地味に出来のいいインテリアパーツもVSコンビネーションB相当に塗装をしておきました。これらを組み立てれば、レストア完了です!

ビッグワンガムのNBロードスター、レストア完了


完成した写真がこちら。

左はキットそのまま、右側がレストアした個体になります。フロントガラスが低いのが気になりますが、それ以外はスケール相応に頑張っている感じで・・・手間がかかったので可愛く感じます。


何気にお気に入りなのがリアビューで、少ないパーツながらもやけに再現度の高いインテリアにより「あぁNBロードスターだ!」と感じることができます。


同じサイズのチープトイである、ハッピーセットのNDロードスター(レストア済み)と並べても違和感なくいい感じです!


発売当時、キッズたちが好んで「ビッグワンガムのNBロードスター」を購入したかは不明ですが・・・


とりあえず、ゴミ扱いになっていた1台を救うことができ、大満足です!ホビー系のショップには、まだまだお宝がいっぱい・・・皆様も、自分の愛車をDIYしてみてはいかがでしょうか!?

関連情報→

ハッピーセットのロードスター(レストア)

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