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ソロで楽しむのもいいけれど、ロードスター乗りであればぜひオススメしたいのがミーティングへの参加です。右も左も分からない環境で最初は手持ち無沙汰になるかもしれませんが、自分好みのロードスターを見つけてオーナーにご挨拶すれば勝手に世界が広がっていきます。
かつては感染症対策の観点から直接のコミュニケーションが厳しい時代もありましたが、礼儀・礼節を持ってほんの少しの勇気を出せば、同じ趣味の友人ができるはず。そこには「生」の知識・体験談など、リアル・コミュニティだからこそ得られるものが沢山あるのです。
楽しみ方の分だけ、待っている世界がある
ひとことでクルマ趣味といっても一概に言えず、その楽しみ方には多様な世界が広がっています。
特にロードスターのような趣味車は、純正のポテンシャルをとことん楽しむのもアリですし、高みを求めてカリカリにチューニングする方もいらっしゃるでしょう。ドレスアップももちろん楽しいし、のんびりと屋根を開けて流すだけで十分という方もいるでしょう。
あえてオープンではなくコンパクトなクーペボディを楽しむハードトップスタイルもアリですし、古くなってきた愛車のトラブルやメンテナンスを楽しむ・・・なんてのもあります。ツーリング先で写真をたしなむのもいいですよね。あえてソロで楽しむというのも全然オッケーだと思います。
情報化社会である現在においてはインターネットやSNSをたどれば、これらクルマ趣味に関するさまざまな情報を得ることができます。どれが王道だ!なんて断言できません。どれも正しい楽しみ方です。
ただ、ロードスターはこういった「楽しみ方」に関してリアルコミュニティが30年以上前から世代をまたいで継続している国内でも珍しいクルマです。そして、それを実感できる場のひとつがミーティング会場と思うのです。
共通言語から得られる「肯定感」
私事で恐縮ですが、私自身は陰キャ・引きこもり気質なのでミーティングでも「知らない人とコミュニケする気恥ずかしさ」や、一部のオーナーには面倒くさいイメージもあり、ずっとミーティングを嫌厭(けんえん)している時期がありました。
そんな自分がミーティングに参加したきっかけは単純なものでした。
中古ですがNBロードスターを再購入した際に「なんで集まってるんだろう?」「何が楽しいんだろう?」「どんな空気なんだろう?」と疑問を持ったのです。そこで、せっかくオーナーに戻ったんだから一度だけ経験してみようかな・・・と勇気を出してみたのでした。
そこで自動車系SNSを徘徊してみると、意外にも頻繁に地元でロードスターミーティングが開催されていることが判明しました。しかし、それでも参加表明(エントリー)するまで数か月かかり、会場に入りする手前で「やっぱり恥ずかしい」と引き返したこともあります。
知らないコミュニティに飛び込むのは・・・本当に、とても勇気がいるんですよね。自分の気持ちに無理をさせてストレスを貯めこむのは本末転倒ですからね。
ただ、SNSで知り合った方に一度だけリアルで挨拶がしたかったことと(どんな方か興味が湧いていた)、会場に向かう際のオープンドライブが気持ちよかったことに後押しされて、ドキドキしながらも無事にミーティング会場へ入ることができました。
目的の方にお会いして、挨拶もそこそこに始まった会話では一発でウマが合いそうだと内心ホッとしました。
さらに、互いの愛車紹介をする際に「グレースグリーンマイカ」「VS」「NR-A」など、知識としては持っていてもロードスターを知らなければ生涯絶対に口にすることはないと思われる【ロードスター用語】を使って、初見の方と会話ができている事実に衝撃を受けました。
「自分の趣味が認められた」といったら大げさかもしれませんが、マニアックな共通言語が通じる、同じ世界観を持つ方と交流できることは、言語化できないで感動に繋がったのです。もちろん意気投合して(年の差はあれども)新たな「友人」ができた瞬間でした。
きっかけは何でもいい
持論ですが、あの時の出来事を振り返ってみると、あれだけ緊張・心配していた自分は何だったのだろうと未だに思います。ミーティングはロードスター仲間が持つ空気を知る、それくらいのもので十分だったのです。
また、同じロードスターのオーナーコミュニティなので、気になる課題やトラブルを解決するヒントや、痒いところに手が届くアイディアを得ることのできる場であることも分かりました。
オイル漏れ、猫クラッチ、雨漏り、幌の補修などの経験をしている方は必ずいるし、気になるバケットシートに座らせてもらうこともできました。ボディ補強のノウハウもあれば、気になるロードスターのディティールをじっくり観察することもできます。信用を得られれば試乗をさせてくれるかもしれません。(※私は自分の愛車を試してほしいタイプです)
もちろん勝手にヒトのクルマを触ったり、勝手に評論を下すのはNGです。ただ、きちんと挨拶ができれば(よほどの無礼がない限り)オーナーさんは快くいろいろ教えてくれるはずです。仮に、その場で解決することができない問題もその先の伝手(知り合い)がある、心強いローカルネットワークもよく存在します。
ここには老若男女関係なくロードスターという軸で繋がっている仲間たちがいるのです。損得勘定なく、いい意味でおせっかいな大人たち。彼らの持つナマの経験や情報に勝るものはなく、このウェブサイト(NBロードスターアーカイブ)でウンチクを貯めるよりも、数多くのオーナーと話した方が「ロードスター経験値」は貯まると断言します。
ミーティングで気を付けたいこと
ただし、そうはいっても我々クルマを運転することが認められた大人です。社会人であるならば気にすべきマナーも存在します。釈迦に説法かもしれませんが、ざっと書き出すと・・・
エントリー方法の確認
各種ミーティングはメーカー協賛や大型クラブ主催など大規模なものから、地元コミュニティによるものや、ステージ選択型のもの(ツーリングメンバーの募集やストイックな文科系のもの)まで、インターネット等で開催告知がされています。そこで、正しい参加エントリー方法を確認しましょう。
飛び入り参加オッケーなものもあれば、事前申請が必要なものもあるし、有料・無料やたまに年齢制限があるなど、エントリー条件はけっこう異なるのです。昨今の大型ミーティングでは抽選になることもあるし、不参加なのに会場近隣をうろうろしていると、逆にその地域コミュニティに迷惑をかけてしまう可能性があるのです。
ただでさえ、まだ一般的には派手と思われるオープンカーが大量に走っていて、公道や駐車場を塞ぎようものならば、だたの迷惑集団に見えてしまいます。
コミュニティルールの確認
絶対にコミュニティのルールを順守しましょう。ただしルールといってもそんなに堅苦しいものは少なく、「エンジン空ぶかし」「会場近辺の暴走行為」「違法改造はダメ」など、道路交通法や道徳的な部分での指摘が多く、日常生活における「常識」を保っていれば大丈夫なはずです。
また、主催者へ敬意を持つことも大切です。イベントのオーガナイズはかなりの精神的・肉体的なパワーとコストを用いられます。有料イベントであっても、基本的にはスタッフはボランティア精神(手間賃)で対応していることが多くいのです。
参加者が品のない行為を行うと仲間たちの名誉に傷をつけることになるし、次の「機会」がなくなる可能性もあります(※これは主催側になると、痛いほどわかるでしょう)。逆に「儲ける」ために行われるイベントだと感じてウマが合わないなと思ったら、参加見送りをすればいいのです。
リアルなコミュニケーションでは同じクルマを愛するであろう相手もリスペクトをすることが大切です。趣味車にゾッコンな、いい意味で駄目な大人の集まりであっても、「きちんと挨拶する」ことは常識だし、いきなりタメ口(馴れ馴れしい)なのは誰にとっても違和感になります。魂の距離感を大切にしましょう。
なお、男性比率の多い会場ですから、女性オーナーにガツガツアタックするのも(気持ちは超分かりますが)かなり寒いので気を付けましょう・・・
ヤバいと思ったら逃げろ!
たまに、ユーノスロードスターしか認めない、ATは認めない、NCロードスターは大きいからロードスターではない、純正車高は認めない、逆にノーマルじゃなきゃ認めない・・・このような、自身の方向性や価値観と違う方に出会ってしまっても、その考えを真っ向否定してはいけません。
知識や価値観の押し付けでマウントを取ってくるのは正直ウザいですが、これはあくまで趣味の世界。そういう主張はある意味で正しいのです。自分の方向性と違うと感じたら、ややこしくなる前にそっと逃げましょう。
人間の潜在能力は面白いもので、違和感に気づく力というか、空気を読む力は間違いなく誰でも持っています。自分の直感を信じて「何かおかしいな?、ヤベーやつだな」となったら、離れる選択は当然アリなのです。趣味の世界で人間関係にトラウマを持ったら勿体ないです。
ロードスターをみるとオーナーが見えてくる
会場に来たけれど、知り合いもいないしボッチで心もとない・・・これはあるあるな事象です。そんな時にお勧めしたいのは自分の好みのロードスターを見つけること。人と話さなくてもクルマを眺めるだけで、見えてくるものがあるのです。
面白いのは「名は体を表す」のごとく、そこにあるロードスターにはオーナーさんの趣向が色濃く反映しています。もう一歩踏み込むのであれば、オーナーさんへの挨拶にチャレンジしてください。予想以上に得るものがあると思います!
かの貴島主査もNBロードスターの開発時、ロードスターが支持される理由は「運転の楽しさ」だけではなく「人を繋げる楽しさ」だったことに気づいた・・・とおっしゃっていました。NBロードスターのプレスリリースにある企画コンセプト「Lot of FAN」は、そういった意図や想いが込められているそうです。
もちろん、ロードスター(車種特化型)ミーティングだけではなく、スポーツカーやオープンカーなどテーマを広げた、もしくは特化したミーティングもありますし、あくまでオーディエンスでいたいならカーイベントやモーターショーでクルマ趣味は堪能することが可能です。
愛好者がただ集まるだけで「良かったねー」「楽しいねー」とやっているだけで自動車文化の醸成になるのか・・・なんてお堅い意見もあります。でも、自身が求めていけば自ずと望んだコミュニティに行きつけます。
私の場合はロードスターの濃いオーナーもいれば、マツダ好き、スポーツカー好き、写真、登山、模型など、まさにロードスター繋がりで友人関係が広がっていきました。そういえばロードスター降りてしまった方もいますが、現在進行形でいい友人たち・・・そういう意味でも、ロードスターは人生が豊かになるきっかけになったといって過言ではありません。
折角ロードスターに乗っていて、もっと見たい、知りたい、聞きたいと思ったら、ドライブがてらでもいいからミーティング会場に足を運ぶことを、お勧めしたいのです。筆者自身も様々なミーティングに顔を出しています。ガーネットレッドで花柄ナンバープレートのNBロードスターがいたら、相手をしてもらえると嬉しいです・・・
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