クリスタルブルーメタリックのNBロードスター

クリスタルブルーメタリックのNBロードスター

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今回はボディカラーの「色彩」が評価された話です。2016年にNDロードスターRFが受賞した「オートカラーアウォード(AUTO COLOR AWARDS)」。こちらは「マシーングレー・プレミアムメタリック&オーバーン内装」が評価されたことで話題になりました。

オートカラーアウォード(AUTO COLOR AWARDS)

1998年から始まったこの賞は、一般社団法人日本流行色協会(JAFCA)が主催する、自動車のカラーデザインに関する顕彰(けんしょう)制度です。その理念は以下の通りです。

モビリティのカラーデザインは、CMFG(カラー、マテリアル、フィニッシュ、グラフィック)、ライフスタイル、安全性など様々な分野を視野に入れプロダクトデザイン業界の最新技術を開拓し、デザイン開発をおこなっており、社会、環境、経済、他の業界のデザインに対しても大きな影響力を持ちます。

このようなモビリティのカラーデザインの中で、今年最も魅力的なモビリティのカラーデザインを表彰し、その考え方や成果を他業界や社会とシェアする機会を創出することにより、日本のカラーデザイン全体の向上をめざしています。

参考サイト:https://www.jafca.org/seminarandevent/20160105.html


2016年に受賞したロードスターRFのプレスリリースとともに、ひっそり書かれていたのが【2代目(NB型)ロードスターの受賞以来・・・】という内容。NBロードスターの「クリスタルブルーメタリック」も2000年度(2001年)に受賞しているのです。

ちなみにこの賞は、一般消費者に対し日本国内で販売される自動車(2014年からは2輪車も)であることが前提で、対象車はメーカーからのエントリーされます。

つまり、カラーまで含めた「デザインに自信があるモデル」がメーカー自身より選抜されているので、色彩を軸にしたカーオブザイヤーともいえます。2005年(第8回)以降はエクステリアだけでなくインテリアカラーも含めて審査をおこなわれました。歴代グランプリ車両はどれもクルマにマッチングする色彩!

2016年 NDロードスターRFの受賞理由

「CMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)と形状が一体となって、非常に調和した美しさを持っている」「マシーンの鉄をイメージさせるグレーを、液体を思わせるような金属感により、グラマラスでセクシーなデザインとして作り上げた」

などと、ロードスターRFのテーマカラーとして設定されたVSグレードが評価されています。


なお、2019年のグランプリにはMAZDA3とCX-30の「ポリメタルグレーメタリック」もグランプリ受賞しています。ポリメタルグレーメタリックの企画意図は『樹脂独特のヌメリ感と金属感の複合をイメージして生まれた新しい質感』とのことです。

2000年 NBロードスターの授賞理由


NBロードスターの「クリスタルブルーメタリック」の受賞理由は以下の通りです。
技術的な面だけでなく「NBロードスターとのマッチング」が評価されています。

「斬新な色を投入するのが難しいといわれていた日本のスポーツカー市場に、若々しく活動的なブルーを投入し高い支持を得た」

「美しく透明感のあるブルーの色調は、ファッションのトレンドカラーに即していると同時にロードスターの曲面フォルムを際立たせている」

「爽やかで、上品で、しかも行動的なイメージを持つ魅力的な色であり、未来に明るい希望を抱きたい新世紀に相応しい色である」

「アルミと新開発マイカの2つの光輝材を使用したことで塗色の表情を豊かに演出している」

「色の美しさのみならず、スポーツカーの従来のカラーイメージを刷新する力を持っている」

クリスタルブルーメタリックとは


マツダから、新色の開発意図も発表されています。

上質でラグジャリーな「ニューコンセプトSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)」をイメージしたデザインにベストマッチしたボディカラーを開発した。

「ユースフル・アンド・スタイリッシュ(若々しくスタイリッシュ)」をコンセプトに新ロードスターのイメージカラーとして開発した。


さて、当時のNB2ロードスターのボディカラーは7色(限定車+2色)ありましたが、国内で納車されたうちの23%が「クリスタルブルーメタリック」でした。それにしても、今では考えられないほどカラフルなNBロードスターのカラーラインナップ!確かに、今までのスポーツカーでは見たことのない「空色(うまく表現できない・・・)」でした。

マイナーチェンジでフェイスリフトを行った後期型の顔にマッチしていて、個人的には「新しいロードスターが来た!」と高揚した記憶があります。

「クリスタルブルーメタリック」はマツダ車ではDW型デミオにも採用(というか、この色が量産されたのはデミオのおかげかも)されていますが、その後、NDロードスターまで国内では近似色が採用されることはありませんでした。

空色のロードスター


近似色といえば、NB4ロードスターの海外限定車「Arctic」などに採用された「レイザーブルーメタリック」。最初はクリスタルブルーメタリックかと思って二度見したのですが、国内ではベリーサやMPVに採用された、もっとクールな青です。


また、3代目NC型ロードスターの海外限定車【niseko】などに採用された「アイスブルーメタリック」と・・・


4代目ND型ロードスターの「ブルーリフレックスマイカ」。こちらは魂動コンセプトカー「SHINARI(撓)」にちなんだ、通称「魂動ブルー」があります。


さて、当時のマツダは新車がなく、既存ラインナップの商品力強化で勝負していたという関係もあり、NBロードスターはテレビCMも放映されました。そのような中、スポーツカーの走行性能だけでなく、デザイン的な観点・・・とりわけ色彩でも評価されることはロードスター乗りとして嬉しいものです。


特に透明度の高い「クリスタルブルーメタリック」は「空の色」なので明るい緑と親和性が高く、個人的にもオーナーになりたかった一台。そんな記憶を蘇らせてくれた「オートカラーアウォード」でした。

関連情報

青いロードスター(前編)

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