大きく見せたかった時もある

大きく見せたかった時もある

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NDロードスターのキーワードといえば「原点回帰」・・・って、歴代ロードスターはいつも同じプレスリリースしている気がしますね。「キープコンセプトではなく、コンセプトを変える必要はない!」とは、ミスタースポーツカーの発言です。

今更ですが2014年に舞浜でNDロードスターのデザインが発表されたとき、もっとも賛否両論あったのがリアビュー、テールランプのデザインだったと思います。

小さく見せたいNDのテール


デザイン発表前から「鉄板だろう」と予想されていた、歴代の樽型テールランプはNDロードスターで刷新されることになりました。一見シンプルでありながら計算された楕円であり、ポジションを灯火するとNCロードスターのテールランプに近しいシルエットになる、凝った作りではありますが、歴代を踏襲していない、キープコンセプトではない!という声が上がったのです。

ただ、何をもってキープコンセプトか・・・という話でもあります。このテールランプのデザインは、制動灯(ブレーキランプ)が法規ギリギリまで内側に寄せてあります。その理由は明白で「デザイン的にコンパクトに見せる」ためなのです。

また、テールを頂点にして、軽量化のためにごっそりと肉をそぎ取りました。その結果(歴代ロードスターオーナーは給油口の場所に注目です)、リアフェンダーはかなりの迫力になりましたし、今にも駆けだしそうな造形はまさにロードスターであり、魂動デザインの真骨頂でもあります。

大きく見せたかった時もある


ところで、NBロードスターはNAロードスターの骨格をアップデートしたものなので、基本的なプロポーション、つまりシルエットはほぼ同じくキープコンセプトです。


ただ、NBロードスターのテールランプユニットは、「デザイン的にワイドに見せること」を意図してリファインされました。注目すべきはNAでは中央に配されていた制動灯(ブレーキランプ)が、NBは一番外側に移設されていること。NDロードスターとは真逆の思想でユニットの構成をしているのです。


NAロードスターからNBロードスターにモデルチェンジした際、「変わらないために変えた」というキャッチフレーズがありましたが、コンペを勝ち抜いた北米デザインを軽量・ライトウェイトにするために「デザイン力」で大きく見せたエピソードは、NB乗りの間では有名な話です。

片側1.5mmのロマン


ちなみにNAロードスターの全幅は1,675mm。NBロードスターは諸元上1,680mmとなっています。「大きさを全く変えるな」と開発目標を決めた中、デザインチームは「5mmだけどうしても!」という要望に非国民扱いされながらも許可をもらい、NBの美しいフェンダーラインが造られたというエピソードもあります。

ただ、実際は片側1.5mm(左右3mm)の増に留まりました。実は、正式なNBロードスターの全幅は1,678㎜です。


キープコンセプトでありながら、大きく見せたかった時代もある。果たして、テールライトの効果はあったのでしょうか?

関連情報→

【NB20th】「ロードスター」の継承(G-4)

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