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今回は複数回に渡ってお届けした国内販売台数のリザルト(まとめ)です。VINコードを解析したことで見えてきたものをレポートさせて頂きます。
実際の情報と差異がある可能性があるので、参考までにご覧ください。
本来はマツダでもマーケティング参考資料として分析を行っているでしょうが、今更ながらNBロードスターが矢面に立つステージはないと思われますので、こちらで公表させて頂きます。
ただ、あくまで日本市場のデータです。ロードスターはグローバル販売されるクルマで、マーケットの中心は北米になります。NBロードスターの視点でいえば30万台売れた世界市場のうち、今回の解析は1割ほどの内容です。
つまりこれが全てではなく、あくまで日本車としての傾向です。したがって「終わったクルマ」の「日本市場限定」という視点でご参考ください。
1998-2005 MazdaRoadster(NB)ALL-JPN
まずは日本市場で何台売れたか、シンプルなデータです。
全体で約3万台、NB6とNB8では若干1800ccの方が出ています。MT率は74.6%であるのは、ロードスターらしさである意地ですね。ABS装着率は約7割です(AT車は全車装着)。
先にも書きましたが、2003年以降の新型車には電子制動装置(ABS)の装着義務が発生します。したがってNBロードスターはABSやDSCが装着されない、最後の世代になります。
1998-2005 MazdaRoadster(NB)Gen-ALL
次は世代別のデータです。
日本市場の特徴はトップヘビーな販売傾向であり(新車効果といわれますね)NB1(前期型)で55.5%。NB2以降の後期型が44.5%になりますね。シリアル番号は間が歯抜けしているので、研究開発等に回されていると思われます。
1998-2005 MazdaRoadster NB6C-GradeALL
それではNB6(1600)における、すべてのグレードの販売内訳です。
一位はぶっちぎりで「SP」。これはユーノスロードスターにおける「スペシャルパッケージ」で、クルマとしてのスタンダードな装備を架装しているグレードです。実はNB8の「RS」を合計した数よりも多く、一番市場に求められていたのはエボリューションモデルではなく、ユーノスから続くベーシックモデルであったことが数字として出ているのは、少し驚きました。
ロットで出ていた限定車がそれに続き、廉価グレードの「M」と「NR-A」が続きます。「NR-A」はもう少し数でているイメージだったのですが、全体の6%ほどしかいなく、希少なグレードのようです。
「WebTuned」は約4年受注販売されましたが、NB8も含めて約150台/年となり、計算上は約3日に1台ネットでクルマが注文されていたようで、それなりに優秀な成績のようです。また、「標準車」は僅差で「クーペ」より多いですが、実車に出会うことはほぼないと思われます。
1998-2005 MazdaRoadster NB6C-Color
こちらはNB6の販売カラー一覧です。白が強いのは他の日本車と一緒ですが、一番多いのは「ブリリアントブラック」でした。カラーコードが二つ存在するので表では分けていますが、合計2,016台になるので、断トツの売り上げです。
銀色も強く、前期の「ハイライトシルバーメタリック(18G)」と後期の「サンライトシルバーメタリック(22V)」で全体の2割以上になるようです。なお「クラシックレッド」もコードが二つ存在するので、合計すると1,276台になります。
緑系は少ないのは「VS」のようなエレガンスグレードがNB6には設定されておらず、実質WebTuned専用色になっていたからです。それでもNB3テーマカラーだった「スプラッシュグリーンマイカ(25R)」が「グレースグリーンマイカ(18J)」に及ばないという・・・
1998-2005 MazdaRoadster NB8C-GradeALL
NB8、1800ccモデルの内訳です。同じグレード名でもパワーユニットが違う前期型と後期型は別カウントしています。販売母数の関係から前期型が多いのはさておき、「RS」が多く出ているのは流石です。つまりNB8の半分は「RS」のようです。
NB8のATはベーシックグレード「S」も選択出来たのですが、NB8を選択するならば「VS」が選ばれたのも、データではよくわかりました(全体の3割)。
1998-2005 MazdaRoadster NB8C-Color
NB8の販売カラー一覧です。個人的にはこのデータが一番驚いたのですが、実は一番売れたのは「グレースグリーンマイカ(18J)」で、銀、白、黒と各色の合計よりも多いのです。つまりNBロードスターで「グレースグリーンマイカ」を見たら、ほぼNB8の「VS」と思って間違いないレベルです。次いで多いのは(合計数でいけば)銀、黒と続きます。
合計数だけで見ると、「WebTuned」専用色だった「サンバーストイエロー(HZ)」よりも、「クーペ」のカタログカラーだった「ライトニングイエロー(A4J)」の方が多くなります。また、希少色「ノルディックグリーンマイカ(27C)」よりも「スプラッシュグリーンマイカ(25R)」の方が少なかったようです。
1998-2005 MazdaRoadster(NB)ColorALL
これがNBロードスター全体のボディカラー割合です。全28色のうち、14位からは限定カラーも混ざってくるのですが、そのセールス以下のカタログカラーも多数あるようです。モデル末期だったことを踏まえても、珍しいボディカラーは多数存在することがわかります。
全てをみると、実質「銀色」のNBロードスターが多い結果になりますが、データ的に一番多いボディカラーは「グレースグリーンマイカ(18J)」になります。また、「クラシックレッド」の合計よりも「エボリューションオレンジ、マイカ(18K)」の方が多いことも驚きです。
ここからはオマケです。以下、カタログモデルの希少グレードです。
NB6「M」ATモデル/クラシックレッド(SU・A3E):7台
NB8「VSコンビネーションA」MTモデル/ノルディックグリーンマイカ(27C)、ラディアントエボニーマイカ(28W)サンライトシルバーメタリック(22V) 各1台
以上、データを解析したからこそ見えた、NBロードスターの内訳です。
あくまで内輪な内容ではありますが、NBロードスター自体もクルマが電子制御化される狭間の世代であり、国産最後の5ナンバーサイズFRという事も付記しておきます。
NBオーナーの皆様、自分のロードスターはこの中にいらっしゃったでしょうか。自分の愛車も母数に貢献していると思うと嬉しくなりませんか?
参考リンク