NBロードスターのライバル(競合車2)

NBロードスターのライバル(競合車2)

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前回に引き続き、NBロードスター現役時代(1998年~2005年)の競合車種を振り返ります。


1998年は初代「iMac」が一世を風靡し、世の中全てのガジェットがスケルトンになった時代です。

そんな時に現役だったNBロードスターの競合車種は、オープン、スペシャリティ、クーペ、そして小排気量(&アフォータブル(安価))といったあたりが対象となります。

特に2000年前後は国内でもインポートカー(輸入車)の市場が開けていった背景もあり、マニアックな選択も可能になっていきました。古臭いといわれたNBロードスターよりも、そちらに食指が移るのも仕方がありません。

フィアット バルケッタ(183A1/183A6) 1995年~2002年(再販:2004年~2007年)

サイズ:3920×1640×1265mm
駆動方式:FF
車重:1090kg~1110kg
排気量:1746cc
馬力:130ps
ボディ形状:コンバーチブル
乗員:2名
価格:270万円~283万円


NAロードスターのフォロワーとしてフィアットから登場したモデルで、イタリアではオープンカーを「バルケッタ(小舟)」と呼称します。「フィアット・プント」ベースの横置きエンジン・FFモデルですが、ショートホイールベース化とともにFRのようなロングノーズがとても美しく、そのデザインはピニンファリーナが担当しています。


内装はボディ同色のパネルを用いて、外装との境界を無くす(どこかでも聞きましたよね)オープンカーならではの手法です。


前期型の生産はフィアットではなく「ランチアデルタHFインテグラーレ」を生産したカロッツェリアが担当しています。後期型ではエクステリアが大きく変わったのと、リアハイマウントストップランプが有機的なデザインになり、少々破綻しているのが残念でした。

MG MGF/MG TF(RD18K) 1995年~2005年

サイズ:3915×1640×1260mm
駆動方式:MR
車重:1090kg~1110kg
排気量:1795cc
馬力:120ps~145ps
ボディ形状:コンバーチブル
乗員:2名
価格:239万円~291万円


ローバーより量産車ブランドの「MG」を復活させるためのブランドピラーとして開発されたライトウェイトスポーツです。ベースは「ローバー100」(ハッチバック)のコンポーネントを前後逆にして、ミッドシップレイアウトに仕上げています。エンスーの国、イギリス製だけあって気品のただようエクステリアではありますが、納車時点(新車)で幌に隙間があるなど、オーナーはとても鍛えられたという逸話も残っています。

国内カーオブザイヤーにてインポートカー部門の受賞をするくらい好評でしたが、ローバー自体の経営破綻とともに国内でもMG車フォローに対する不安が募り販売減少、モデル消滅をしました。しかし、2008年に同モデルが中国資本で限定復活を果たしています。

余談ですが、丸目エクステリアはNBロードスターでもデザイン検討されていました。仮にロードスターも丸目でフルモデルチェンジしていたら、キャラが被っていたかもしれません。

プジョー 206CC(A206CC)

サイズ:3810×1675×1380mm
駆動方式:FF
車重:1210kg~1190kg
排気量:1587cc〜1997cc
馬力:108ps~137ps
ボディ形状:コンバーチブル
乗員:4名
価格:275万円~312万円


当時は各社のBセグメントハッチバックが多様化、ファッショナブルに進化しました。そのなかでも「プジョー206」シリーズは特出して洗練されたデザインとしてヒットしました。


とりわけこの「CC(クーペ・カブリオレ)」はハッチバックをクーペにデザイン刷新し、電動メタルトップでオープンになる真新しさが受け入れられ、世界的なメタルトップのブームを生み出しました。国内においてもインポートカーの割には良心的な価格設定と、オープンカーでありながら4人乗りができること、そしてメタルトップの先進性により「CC」人気に拍車がかかりました。この出来事はNCロードスターRHTが開発された背景でもあります。

「206」シリーズ自体が想定以上にヒットをしたこともあり、グレード構成やボディカラーは豊富に選択することが可能で「CC」シリーズはその後「207」「306」「307」「308」継続されました。

ダイハツ コペン(L880K) 2002年~2012年

サイズ:3395×1475×1245mm
駆動方式:FF
車重:810kg~840kg
排気量:660cc
馬力:64ps
ボディ形状:コンバーチブル
乗員:2名
価格:149万円~207万円


平成ABC軽スポーツカー世代より時を経て、待望の軽スポーツカーが復活を果たしました。ネーミングはコンセプトカーの「KOPEN(軽のオープン)」をあらため「COPEN」としています。

前後シンメトリー、全体的に丸みを帯びたティアドロップデザインは、軽自動車のレギュレーションに収まりながらもキュートで、さらに電動ハードトップ(初期はDHTモデルもあり)を備たことで手軽にオープンカーを楽しむことのできる存在として、ロードスターと競合しました。

なお、インテリアデザインには元マツダスタッフが関わっていたり、NBロードスターからも部品をライセンス供給していたりと、地味に味わい深い関係性でもあります。また長寿モデルとして10年間販売され、NA1.3リッターエンジンを積んだ仕様が輸出もされていました。国内では2世代目「コペン」シリーズも活躍中です。

マツダ RX-8(SE3P)

サイズ:4435×1770×1340mm
駆動方式:FR
車重:1310kg~1350kg
排気量:1308cc
馬力:210ps~250ps
ボディ形状:クーペ
乗員:4名
価格:240万円~383万円


NBロードスターの最大のライバルとして「MR-S」と双璧をなしたのが、身内の「RX-8」です。同時期のNBロードスターRSが235万、VSが240万。価格帯だけでも「RX-8」は十分視野に入る存在でした。

マツダスポーツ乗りにとって「ロータリーエンジン」の響きは麻薬です。それが自然吸気ロータリーエンジン(RENESIS)とともに4名乗車できるスポーツカーという真新しさ。さらに素晴らしいデザインとくれば、古くさいロードスターよりも新車のエイトが欲しくなるのも致し方ありません・・・


実際に運転してみると、マツダDNAを引き継ぐハンドリングと、ロングホイールベースによる安定性も兼ね備えていました。なお、エイトのベンチマークは「BMW M3」だったそうです。

しかし、ネックになったのは燃費をはじめとした維持費です。ロータリーだからオイルも減りますし、当時は珍しかった18インチタイヤは交換費用もそれなりにかかります。そしてサブプライムローン破綻(リーマンショック問題)やガソリン税改訂、東日本大震災などで景気後退とともにガソリン価格が高騰。その後ミニバン、エコカーブームが追い打ちをかけました。

趣味性の高いスポーツカーは一気に不人気になり、エイトに限らず各社スポーツカーまで市場撤退していきました。

まとめ


ここまで「新車視点」の話を書かせていただきましたが、さらに中古市場に目を向けると、まだ現役だったNAロードスターという強大なライバルも存在しました。リトラクタブルヘッドライトはロマンを感じますからね・・・

なお、オープンカーという点では「ポルシェボクスター」や「メルセデスベンツSLK」もありましたが、先方の方が明らかに車格が上なので、割愛させていただきました。


さて、あれから約20年。切磋琢磨した仲間たちも街頭で目にすることは少なくなってきました。思えばあの時代は電子制御も中途半場だったので、いい意味でドライバーの意思が介在する余地というか、雑で荒っぽい乗り味が魅力だったクルマが多かった気がします。

そして継続車種として生き残っているのはロードスターの他には「シビック」と「コペン」しかいないというのも驚きです。最新のクルマはもちろん面白いですが、この時代のラインナップのステアリングを握る機会があれば、ぜひ楽しんでいただければ幸いです。

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