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2021年初頭に発表され、ロードスター業界(?)で話題になっていたトイズキャビン社のカプセルトイ「MAZDA ROADSTERコレクション」。5月下旬から待ちのいたるところで見かけるようになったので、ガシャポンマシンを回した方は多かったのではないでしょうか。

カプセルを開けると、1/64スケール(手のひらサイズ)のミニカーとしてユーノスロードスターが400円で手に入るという寸法です。一部店舗では品薄になっていることもあるので、気になる方はマシンを回しに行かれることをお勧めします・・・が、折角なので個人的なレビューを記載しておきます。
なお、ラインナップは以下の6種類。シークレットは存在しません。
| エクステリア | インテリア | 屋根 | ヘッドライト | ホイール | |
| 1 | クラシックレッド | 黒 | 幌 | 開 | ガンメタ |
| 2 | マリナーブルー | 黒 | 幌 | 開 | ガンメタ |
| 3 | ブリリアントブラック | 赤 | DHT | 開 | ガンメタ |
| 4 | シャストホワイト | 黒 | DHT | 閉 | シルバー |
| 5 | ネオグリーン | タン | オープン | 閉 | シルバー |
| 6 | サンバーストイエロー | 黒 | オープン | 閉 | シルバー |
1/64 ロードスターコレクション レビュー

・安価にバリエーションを楽しめる
・造形が素晴らしい
・塗分けにこだわりを感じる
・フロントタイヤが動くので、表情が付けやすい
おそらくこのサイズでは初めて「リトラクタブル開閉(※固定)」を再現していたり、「ソフトトップを畳んだ状態での幌骨」が再現されています。細かいところでは、ルームミラーもきちんと再現されています。また、1600シリーズ初期のラインナップが銀色(シルバーストーンメタリック)以外がラインナップされているので、卓上にカラフルなロードスターを集めることが可能です。
面白いところでは、各種エンブレムやサイドマーカーだけでなく、緑と黒(Vスペシャル/Sリミテッド)の内装色はもちろん、コンソールの細かい塗分けにはこだわりを感じます。

・個体差が大きい
・謎の「標準ホイール」
・ハードトップの塗分けが雑すぎる
・全色揃えるのにコスト(運)が必要
「カプセルトイだから」の一言で済む話かもしれませんが、塗装、接着、バリの処理などにおいて、当たりはずれの差がとても大きいです。塗装に混入した埃は1000番で水研ぎしてクリアを吹けば解決しますが、普通の人はそこまでしないと思われます。塗装ならまだしも、接着剤のはみだしは如何ともしがたいです。
また、銀色の「標準ホイール」の造形は、大目に見てNA8のものと捉えることができますが、オプション扱いのガンメタのほうが、標準7スポークの造形に近しいです。ハードトップのガラス部分塗分けも大雑把で、折角ボディ造詣が素晴らしいからこそ目立ってしまいます。
そして1回400円という価格であっても、全6種を揃えるには理論上2400円かかります。しかし、ガシャポンですから絶対に別の色が出るわけではなく、色がかぶります・・・私は、あまりの個体差の大きさに途中で回すのをやめてしまいました。ちなみに、カプセルの色で中に入っているロードスターが分かる親切仕様です。

実は個人的に超気になったのは、紹介画像でも使われている「ベーシックなクラシックレッドのロードスター」がラインナップにないことです。仕様としては「リトラを閉じて、銀色のホイールで、幌をあけて、ソフトトップカバーを付けている」モデルです。なぜ採用されなかったのかが不思議です・・・
折角なので、作りこんでみる

造形自体は素晴らしいカプセルトイのロードスター。折角なので素材の良さを活かすために「かぶってしまった」個体を分解して、作りこんでみました。可能な限り分解を行って、細かい描き込みをおこなおうという魂胆です。

クラシックレッドの個体はブラウンで墨入れをおこない、ウインカーやリトラクタブル周辺の色を塗り直しました。また、NAロードスターで忘れてはいけないのが、サイドシルの黒いチッピング塗装です。

幌はマスキングを行った後、つや消し黒(+白一滴)で塗装をすると雰囲気が出ます。また、ボディ下部はパワープラントフレームも含みスケールなりの再現がされているので銀で塗装し、若干の汚しを入れています。

ウインカー部分はUVクリアレジンを流し込んでコーティングを行ってみました。

ボディはグロス(光沢)、キャビンとシャシーはフラット(艶消し)を吹いて、完成です。
さらに、作りこんでみる

クラシックレッドのロードスターが思ったよりもいい感じに仕上がったので、さらに作りこんでいきました。同じ要領で、ダブってしまった子たちを分解していきます。テールランプはピンで刺さっているだけですが、塗装と一緒に固着している場合もあるので注意です。
なお、構成パーツは以下の通りです。
| 各部 | パーツ数 | 詳細 |
| ボディ | 6 | ボディ本体 |
| フロントウインドウ | ||
| フロントバンパー | ||
| リアバンパー | ||
| テールランプ×2 | ||
| ※リトラクタブル×2 | ||
| シャシー | 8 | シャシー |
| マフラー | ||
| Fサスペンション×2 | ||
| タイヤ(2種類)×4 | ||
| キャビン | 8 | キャビン本体 |
| サイドパネル×2 | ||
| シート×2 | ||
| コンソール | ||
| ステアリング | ||
| 各種屋根(3種類) | ||
| 計 | 22~※24パーツ | |

オプション扱いだったホイールを銀色に塗り直し、タイヤはラバーブラックで書き込んでいきますまた、ラインナップになかった銀色と、手に入らなかった緑色(ブリティッシュレーシンググリーン)のボディを塗装します。

もちろん緑色の内装はタンで塗装し、可能な限り内装を描きこんでいきます。ついでに、クラシックレッドのリトラクタブルも閉じてみました。こちらは全塗装を行わず、素の彩色の良さを活かそうと思います。

ウインカーやヘッドライトはUVクリアレジンでコーティング、その後つやを整えていきます。

このモデルで唯一再現されていなかったソフトトップカバーは、エポキシパテで適当に造形しました。
ここまでやらなくても、お手軽なディテールアップ

分解してまで作りこまなくても、墨入れとウインカーにオレンジ色を描き込むだけで、それなりに映えてくれます。ちなみに、墨は赤、黄色、緑のボディにはブラウン、白、銀にはダークグレイで行いました。(※黒に墨入れは行っていません)

UVクリアレジンも100円ショップでレジンと紫外線ライトが手に入りますので、爪楊枝で乗せて3分ほど照射すれば、奇麗なウインカーが出来上がるのでお勧めです。
そんなわけで、完成

そんなわけで完成です。まずは初期カタログカラーから。
アメリカ国旗にちなんで、ミアータは赤、白、青の3色でラインナップされましたが、ユーノスロードスター専用色として銀色が採用されたのは有名な話です。

リトラを閉じている状態のクラシックレッドもいい感じです。ロードスターのミニカーは幌を開けている状態が多いのですが、閉じていてもカッコいいのがロードスターですね。

1600シリーズ(NA6)を並べてみました。こうなると、最初は当たり外れが気になりましたが、素材としては優秀なので満足度が上がりまました・・・

何より、腐ってもモデラーの端くれなので「塗ればいいじゃないか」と天の声が聞こえ、当てることのできなかった緑へリベンジを果たせました。

シリーズが好評であれば、バンパーが別造形になっている通りバリエーション展開もできるので、続編の可能性もあるかと思われます。ぜひおすすめ、とまではいいませんが・・・ロードスター好きであれば一つくらいは所有しても損はないカプセルトイと思われます。
そんな1/64ロードスターのご紹介でした!
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