NBロードスター トランクの雨漏り対策

NBロードスター トランクの雨漏り対策

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何が起こるか分からない天候が続く昨今、世界一の幌を持つロードスターであれども、オープンカーなりの雨漏り対策はやって損になることはありません。快適なキャビンを保つことは、愛車を楽しめる事とイコールだからです。

ただ、ロードスターで雨漏りが起こるのはキャビンだけではありません。雨上がり、ふとトランクを開けて底に「水たまり」ができていたら、テンションはだだ下がりになること請け合いです。

ちなみに私の愛車は一見なんともなさそうでしたが、トランクの底(バンパー側)に水たまりを発見しました。テンパータイヤ保護のパネルにその痕跡が見えます・・・

そこで今回は、トランクルーム(ラゲッジスペース)の雨漏り対策をご紹介です。

まずは応急処置


最初から意図されていたことでしょうけれど、ロードスターはボディ各部にサービスホールが設けられています。トランクルームも例にもれず、スペアタイヤを外すと2ヵ所「キャップ」が取り付けられていることが分かります。

水が溜まってしまった場合はキャップを外せば排水できますし、雨漏りの原因究明ができなければ、とりあえずキャップはずっと外しておくことをお勧めします。すこし固めですけれど、工具を使用することなくパコンと外すことが可能です。


また、サフェーサーや下地塗装がされてるとはいえ、水にさらされていたら錆が発生していることもあります。特に、インシュレーターが敷かれているとはいえ、直上にはスチール(鉄)製のテンパータイヤが置かれているので、残念ながら錆の発生条件がばっちり揃っています。

幸い、私の場合は表面の「浮き錆」で済んでいたので、テンパータイヤとトランク底にワイヤーブラシをかけたのち「錆転換剤」を塗布しておきました。

怪しいポイントをチェック

NBロードスターのトランク雨漏りで怪しいポイントは、主に【3か所】存在するので、チェックしていきましょう。


① レインレールからの雨漏り
幌のレインレールが落ち葉などのゴミで詰まってしまうと雨水が排水できなくなり、トランクルームに漏水する事象があります。対策は単純に幌の根本(普通の自動車におけるCピラー部分)にある排水溝の「水抜き穴」の詰まりを解消すればオッケーです。

参考→https://mx-5nb.com/2020/04/01/rain-leak-prevention/


② ハードトップ取付け部分の雨漏り
ハードトップ取付用フック部分のゴムシールが劣化して、そこから漏水することもあるようです。ハードトップを取り付けていなくても、ネジの根本や土台金具にはシールがあるので、それを交換することで解消解消できます。

また、長年ハードトップを装着していると、土台にある鋼板の「継ぎ目」にクラックが発生してしまうケースもあるようです。その際はシリコンシーラントやブチルゴム、もしくは溶接で解決する必要があります。(私の場合は問題ありませんでした)


③ 各種ランプシールからの雨漏り
テールランプ、もしくはハイマウントストップランプには防水シールが設定されています。しかし、どうしても経年劣化で破損してしまうので漏水リスクは高まります。こちらは単純にシール交換で対処を行うことが可能です。

また、事例は少ないですがトランク開口部のウエザーストリップが劣化することで漏水が起こることもあるようです。でも、このパーツの桁が違うんですよね・・・


どちらにせよ原因を突き止めなけば対策は出来ないので、シャワーテストを行ってみました。私の愛車はバンパー側(後端)に水が溜まっていたのでランプシール(③)が怪しいと判断しました。そこで交換作業を行っていきます。

ハイマウントストップランプのシール交換(自作)


NBロードスターのトランク中央に配されているハイマウントストップランプのユニットは、トランクの裏側からアクセスすることが可能です。

 
まずはハイマウントとライセンスランプの配線が「ナット隠し」と友締めされていますので、ゆっくり引き抜きます(工具は必要ありません)。

さらに、その下にあるナットをふたつ外します。ただ、ナットの取り付けられているボルトが長いので、ソケットレンチのエクステンションを駆使する必要があります。(私の手持ち工具では素直にマッチしなかったので、ソケットをロックさせずに手で押さえて外しました)


その後、ユニットの左側の「差込口」にマイナスドライバーを入れて爪を内側に押さえます。その状態を維持しながら、外側から押してあげることでユニットが外せます。

 
案の定、外したユニットのシールはボロボロに劣化していました。そこで新品交換したいところですが・・・残念ながら、NBロードスターのハイマウントストップランプ・シールはメーカー欠品になっていました。(※NAロードスターはパーツ再版されている)

 
そこで、ホームセンターで全天候型で背の高いシーラーを購入してきました。古いシールの汚れを取りまして・・・購入してきたシーラーを巻き付けるだけの単純な作業です。また、シールの剛性を保つためにアルミテープで補強を行いました。見えない部分ですし、雨漏りするよりはいいかなぁ・・・と。


最後は外した要領と逆の手順で取り付けていきます。純正部品と違うので、残念ながら一発でフィットしません。つけ外しとマイナスドライバーを駆使して、違和感ないように取り付けました。(この写真ははみ出ているので、この後に押し込んで修正しています)


ちなみに、手袋をつけずに作業を行うと、ザクザク手のひらを切るので注意です・・・

テールランプのシール交換


テールランプのシールは問題なさそうでしたが、まだパーツが購入できる(しかも安価)ので、予防整備を行うことにしました。この部分から漏水すると、バッテリーに水がかかるので危険ですし、バッテリースペースの底に穴が開いている個体もよく見かけます。


テールランプを外すには、後端のトランクルーム内装を外す必要があります。マイナスドライバーでもフックを外すことは出来ますが、内装剥がしを使用したほうがミスは少なく済みます。

また、この内装はトランク左端にある小物入れと友締めされているので、そちらも外します(ビス一本で止められている省エネ仕様です)

 
あとは、ランプユニット裏面にある2個のナットと、上部にあるネジを外せば手前に引き出せるようになります。ただ、勢いよく取り外すとバンパーを傷つけてしまう可能性があるので、ユニット下にウエスなどを配しておくことをお勧めします。

また、バルブのケーブルがユニットに引っ掛けてありますので、注意深く外していきましょう。

 
ランプユニットの裏側はトランク周りの流水ラインになっていますので、フレーム共々かなり汚れていました。せっかくなので、泥を洗い流してシリコンスプレーで磨いておきました。

 
ランプユニットには、ボディ取付のボルト部分に2種類・2か所のシールが設定されています。予想通りですが15年前のシール機能をしていたとはいえボロボロ・・・なのでさくっと交換します。なお、パーツナンバーは以下の通りです。この時点では、左右セット分で約800円でした。

リアーコンビガスケット(H4)×2 H432-51-158
リアーコンビガスケット(N0)×2 N066-51-158


また、ランプユニットに隠れていた部分が擦れて浮き錆がでていたので、転換材を塗布しておきました。あとは、元に位置にユニットを戻せば作業完了です。

漏水の本当の原因はフレームパネルだった


シール交換のちにシャワーテストを行うと、間違いなく雨漏りの状況は改善されました・・・が、まだ若干トランク底に水溜まりができたので、万全ではありませんでした。しかし、ハイマウントストップランプ(中央付近)あたりの流れが怪しいことは変わりません・・・


そこでトランクルームの構造を分析すると、トランク開口部まわりのウェザーストリップが怪しいことに気づきました。

ボディ左右に溜まった水はテールランプ近辺から下に排水されていき、排水しきれない水はリアバンパー中央(ナンバープレート上部)とウェザーストリップの隙間から排水されるようでした。


どうも、この「隙間」の流水があふれてしまうと、フレームに取り付けられていたリッドロック・ステーの隙間から水が漏れていたようです。よく観察すると水が流れた形跡がありました・・・なるほど、ぱっと見普通なのにトランク底だけに水が溜まっていたのはこういった理由ですか。

なお、このフレームの「隙間」はリアバンパーを外してもアクセスできない構造になっています。仮にパネルを切断して開けたら、どんな状態になっているのだろう・・・


恐ろしい想像はさておき、ステー部分の隙間にはゴムブチルを張り付け、その上にアルミテープで補強を行いました。とりあえずシャワーテストのあとは良好で、これが正解だったようです。

 
最後に、ウェザーストリップ周りの汚れも洗い流しておきました。結構汚れていて驚きです・・・


作業後、幸い(?)にも警報レベルの大雨があり、天候回復後にトランク底を確認すると水溜まりはありませんでした。無事、雨漏りがなくなったことが確認できたので、排水のために外していたキャップも元に戻しておきました。

関連情報→

NBロードスターの積載性

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