NBロードスターの積載性

NBロードスターの積載性

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ライトウェイトスポーツにとって軽いことは「性能」です。その反面、あると助かるのになかなか稼げないのが、トランクスペースなどの積載性です。しかし、ロードスターはかなりそのスペース確保にこだわり、普段使いができるレベルを担保した偉大さが、生き延びた理由のひとつといっても過言ではありません。

そこで、今回はNBロードスターの積載性を紹介するトピックです。

哲学を感じるNBロードスターのトランク


NBロードスターのトランクルーム容量は、初代(NAロードスター)の124ℓから20ℓ拡大し、VDA方式で144ℓになりました。これはスーツケース(67型サムソナイト(※Mサイズ))の格納や、リセスを使えば9インチのゴルフバッグ2個が入る、使いやすい形状を意識しています。

なおNCロードスターのトランク容量は150ℓ、NDロードスターは130ℓになりますが、オーバーハングを削っているので左右は狭く、底が深い形状になっています。


VDA方式というのはドイツ自動車工業会が定めた方式で、200mm×100mm×50mmのブロック(1ℓ容量)を積み上げて計測します。オーディオのDIN規格とほぼ同じで、ガンプラ旧キットの箱サイズ(※190mm×130mm×40mm)がサイズイメージに近しいかも知れません。


NAロードスターと比較してNBの容量が増えたのは、もともとトランクルームに配されていたバッテリーとスペアタイヤの搭載位置を、ボディ底面に移設したことにあります。

これはS2000のスペアタイヤや、R33,34GT-Rのバッテリー位置にも通ずる、エンジニアの確固たる「哲学」を感じるものであり、NBロードスター最大の「メカ萌えポイント」ともいえます。なお、車載工具であるジャッキなども、ともに床下収納されています。


また、トランクルームはマットだけではなく、全体に隔壁が備わったこともあり「質感」が大幅に向上しました。

実際の普段使いにあたり、「二人分の荷物を運ぶ」ことを踏まえても、十分使用に耐えるものになっています。

地味に多い、収納スペース

 
NBロードスターのプレスリリースには「収納スペースの確保」という記載があり、ドアポケットなどの地味にありがたい知恵を垣間見ることができます。また、鍵がかけられるグローブボックスはオープンカーならではの装備といえるでしょう。

 
NBロードスター後期型は、センタートンネルに2本分のドリンクスペースが配置されています。(※純正状態での前部はアッシュトレイ(灰皿)ですが、取り外すことでドリンクスペースになる)ここにドリンクを置くと、シフト操作がしづらいという意見もありますが、後付けのホルダーの見栄えを踏まえると、個人的にはこのままでも問題く使用できています。


また、NBロードスターから装備されたエアロボードにもポケットが装備されています。しかし、着座したままでは手が届かないので、正直使い勝手は微妙です。助手席後部にもポケットがありますが、ここは車検証などを入れておくのに便利です。

 
なお、国内のNBロードスターではステアリングラック脇のスイッチ配下に「謎のスペース」が存在します。しかし、ここに小物を入れるとブレーキ時に吹っ飛んでいきますので危険です。ETCなど電装品収納サービスホールと思われます。

エアコンスイッチ配下のポケットも国内専用のもので、海外ではシートヒータースイッチなどが配されています。個人的には、眠気覚ましのチューインガム置き場として活躍しているスペースです。

さらに、収納スペースを作り出す


パーキングチケット等をキープしたい時はちょっと不便ですが、サンバイザーがトップロックを固定する役割を兼ねているので、チケットを挟む際に便利です。オフィシャルではコンソールボックス蓋の背面に、その場所が用意されていますが・・・正直使いづらいです。


アンオフィシャルですが、NA/NBロードスターは幌を閉めるとシート裏の空間がそれなりのスペースとして活用可能で、ちょっとした荷物を置く場所として優秀です。ただ、後方車両からは丸見えです。

 
シートの下に荷物を入れるのは危険ですが、シートの脇や後方にはそれなりの空間が存在します。私の場合は(雨漏り用)吸水タオルや新聞紙、折りたたみ椅子などを収納しています。


もちろん一人で運転する前提であれば、助手席も優秀な収納スペースになります。また、屋根をオープンにすれば理論上は無限の高さを得ることが出来るので、縦に長い植木なども運ぶことが可能になります。しかし、道路交通法では(一部を除いては)高さ3.8m規制が存在するので注意です。違反は免許1点減点、もしくは100万円以下の罰金となります。


荷室と乗員スペースがセパレートしているロードスターは、タクシーなどのセダンと同じくトランクから荷物が溢れても、ロープなどで固定をしておけば違法行為にはなりません。


ただし、道路交通法第55条第2項「乗車又は積載の方法」をクリアしている必要があり、「方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯もしくは後部反射器を確認することができないこととなる積載」は完全にアウトです。もちろん、重量物によりハンドリングも危うくなりますので、あまりおススメは出来ません。

収納の「使い勝手」を上げる

 
【ゴミ箱】
ロードスターに限らず、地味に標準装備がなくて不便なのがゴミ箱です。コンビニの袋をシフトノブにひっかけて活用するのもいいですが、オープンカーなので見栄えも気にしたいですよね。

そこで、私の場合は愛車のVS内装に違和感のなさそうな軟質素材の「かご」と、マジックテープを購入して助手席奥にゴミ箱を設置しました。マジックテープで貼ってあるので取り外して、そのまま中身を捨てられるのが便利です。


【ティッシュ置き場】
地味に使用頻度の高いティッシュペーパーも、愛車にはブレースバーが付けてあるのでコンソールボックス上方に配置しています。内装との違和感がなさそうなケースをチョイスしました。

 
【トランクネット】
トランク内の荷物が暴れないように、リセスにトランクネットを配するのも便利です。社外汎用品でもいいですが、地味に便利なのが100円ショップの「自転車カゴネット」。

フックで取り付けるので、内装に傷をつけることなく収納スペースを整理することができます。コーナリング時に荷物が暴れないのは安心です。

荷物が載らないことが、スポーツカーのストイックさと捉えることもできますが、少なくともロードスターは「普段使い」できるのが美点のひとつです。意外と「使える」ロードスタ、ご参考になれば幸いです。

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