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なぜかアフターパーツ扱いな「フロアマット」
座席の足元を汚れから守る大切なオプション「フロアマット」。およそ9割以上のクルマに装着されているとされていますが、メーカーオプションではなくショップオプション(ディーラーオプション)なので、古いクルマのカタログ画像で目にすることは少なかったりします。(NBロードスターのカタログは、総じて足元がお留守です)
フロアマットを標準化しない主な理由は「自分のライフスタイルに合わせて選べる要素を残したいから」と某メーカーではアナウンスしているようですが、ディーラーで新車見積もりをお願いすると「フロアマットを付ける」前提で話が進むことが多く、1円でも車両本体価格を下げたいメーカーと、値引き余地を残したいディーラー側の思惑もあるのでしょう。
ちなみにロードスターはメーカーが用意している「純正パーツ」なので部品番号も揃っています。ただ、残念ながら現在はNBロードスターのフロアマットはすべて廃版になっていました。しかし、マットはほぼすべての中古車に装着されていますし質の高いアフターパーツも揃っているので、よほどのオリジナルに拘らない限り、パーツの心配をする必要はなさそうです。
NBロードスター純正「フロアマット」
NBロードスターのフロアマットは、今では珍しくなりつつある毛量が多めなタフテッド・カーペット(刺繍カーペット)が採用されており、フロア形状に合わせてカットされた上にオーバーロック加工のかがり縫いで太めのフリンジが形成されています。
裏面はパイル形状(とげとげ)になっているのでフロアからそうそうズレることはありませんが、経年劣化でパイルの先が崩壊するので、カーペットの下にゴマのようなゴミが溜まります。また、運転席側のみ足元にピンを通せる穴が空けられており、フロアと強固に固定できるようになっています。なお、このピンの位置はNA/NB共通になります。
前期型(NB1)のショップオプションでは、フロアマットA~Dの4種類が用意されました。
柄のせいか実物にお目にかかる機会が少なそうですが、安かったので地味に装着率が高い「フロアマットA」。当たり障りのないフォーマルなチェック柄の「フロアマットB」。スポーツカーらしいスピード感を表現している「フロアマットC」。当たり障りのない無難な「フロアマットD」。
また、ユーノスロードスターの時代にはマットのアクセントになる「Roadster」のロゴは金属プレートがセットされていた物もありましたが、NBロードスターは「黒地に白字ロゴ」の刺繍に統一されました。デビュー後しばらくは明るい色が設定されず、VS系であっても黒いフロアマットを装着している個体が多くあります。
ただ、流石にそれでは味気ないと思ってくれたのか、NB1の限定車リリースと同時にカラフルなフロアマットが設定されました。もちろん、いずれもショップオプション扱いです。
10周年記念車で設定されたものは「フロアマットB」をベースに青主体のカラーと「Roadster10thANNIVERSARY」の大きな刺繍が入っています。また、NRリミテッドと同時に念願の明るいフロアマットが設定されました。基本は「赤地に金字ロゴ」が施されていますが、「黒地に金字ロゴ」のバリエーションも存在するようです。
NB後期型のショップオプションでは割り切ったラインナップになっていて、フロアマットの基本設定は3種類になりました。シルバーとレッドはフリンジ部分の色違いバリエーションで、ベージュはNRリミテッドからキャリーオーバーされたものになります。また、前期型で用意されたマットもディーラーで継続して購入可能でした。
なお、フロアマットはNAロードスターと共通のパーツに見えますが、NBロードスターのフロアマットは運転席側のフットレスト部分が大きくカットされており、逆に助手席側は幅広になっています。お互いのパーツは近しい形なので互いに装着することは可能ですが、特に運転席側のマットはフットレスト部分は耳が折れてしまうので対応が必要です。
従ってロードスター30周年記念用品としてNA/NB専用フロアマットが限定販売されましたが、これはNAロードスターに合わせたセットなのできちんと収まりません(専用部品じゃないじゃん!とツッコミをいれたいところです)。
ただ、NAロードスターのフロアマットはレストアプログラムで復刻されているので新品購入をすることが可能であり、加工すればストレスなく装着することが可能ですし、復刻版には金属プレートのロゴがあしらわれていてカッコいいんですよね・・・
19年放置のフロアマットを洗浄する
フロアマットに採用されているタフテッド・カーペットは高級感あるのですが、逆さまにすると延々に埃が落ちていきます。それもそのはず、わが家のロードスターは2003年式(製造より19年)経ちますが、本格的に洗浄したことはありません。
もちろんインテリア清掃の際に掃除機をかけたり、布団叩きを使ってパンパンしますが効果は少ないようです。ちなみに洗車場にあるマット洗浄機はゴムマットを前提にしているそうで、毛が高いロードスターのマットには焼け石に水っぽいです。そこで、感染症対策が求められるご時世だからこそ、19年間蓄積された泥や雨水の汚れを一掃しようと思います。
水を使って作業を行うのでまずは晴れる日を狙います。最近の真夏日は植物を枯らすほど厳しいですが、フロアマット洗浄にはうってつけの気候です。洗浄には中性洗剤を使います。洗濯用の物でもいいと思いますが、今回はボディシャンプーを希釈してブラシをかけていきました。
水をかけながら、カーペットに紛れている泥や小石などを洗い流していきます。
ある程度奇麗になったら、高圧洗浄機で一気に洗い流します。
最初は地面に置いていたのですが作業性が悪かったので、塀に立てかけて水を充てました。するとコーヒー色の泥水がマットから染み出してきて、本当に驚きました・・・が、ある程度の時間が経つと透明な水になっていきました。
また、高圧洗浄機のパワーなのか経年劣化なのか不明ですが「Roadster」の刺繍が消えてしまいました。まぁ・・・仕方がありません。
マットのどこに水を当てても透明になるまで、徹底的に洗浄を行います。本来であれば、ひと段落した後に衣料用柔軟剤を希釈してもう一度水洗いするといいようですが、我が家には柔軟剤が無かったのでこれでひと段落させます。
あとは、天日干しをしておきます。仕様上、水を多く吸うマットなのでなかなか乾かず、朝9時に作業を行って水分が飛んだのは夕方になりました。
折角なので、待ち時間にフロアマット下のカーペットも奇麗にしておきました。意外に汚れているんですよね。
なお、洗浄を時短する方法としてコインランドリーでフロアマットを使う事例もあるようですが、他の方の衣類を取扱う場所なので、個人的には微妙かなぁと思います。ただ、使用許可を貰えるランドリーもあるようなので、使用可否の確認を問合わせたほうがいいと思います。
奇麗になったフロアマットを再びキャビンに戻すと、気持ちもスッキリすることができました。今年の夏も猛暑日が続きますが駐車時のキャビンは恐ろしく熱くなるので、マットの水分はより飛んでいき、ダニも死滅するでしょう。
とても汚れが蓄積されているので、機会があれば足元の洗浄をお勧めします!
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