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フロントバンパーの落札
私の愛車、ガーネットレッドのNBロードスターは約10年前の納車時からフロントバンパーに傷が付いていました。
中央のフライングM(マツダマーク)から向かって右側、磨き時のポリッシャーに失敗したのか下地まで削ってしまったようで、納車時にクルマ屋さんから「自分で直してね」とタッチアップペイントをいただきました。最初は色々と素人補修作業を行っていたのですが、ある日突然気にならなくなって放置をしていました。
また、その後バンパー左側面を擦ったり、かぶせるタイプの純正フロントスポイラーを外したら接触面が削れてしまったり、洗車傷が残ってしまったり、飛び石跡が付いていたり、経年劣化で色あせていたり・・・と、相当なくたびれ感が出ていました。
なので、いずれは全塗装補修を視野に入れており、その際はナンバープレートフレームを外してスムージングしようかな・・・なんて妄想をしていたのでした。
そんな折、某オークションを眺めていると・・・なんと純正色「ガーネットレッドマイカ(25F)」のNBロードスター後期フロントバンパーの出品が!相場感をみようとウォッチリストで観察していたところ、レアカラーだからか落札されず、再出品ごとに価格が下がっていきました。
そうなると、現バンパーを修復する諸々のコストに対して、送料含む落札額では後者が圧倒的に有利であることが分かり・・・わが家へバンパーをお迎えする決意を得ました。ちなみに競り合った相手もいません・・・
届いたフロントバンパーは「置き配」ができないほど巨大なもので玄関を占拠し・・・業者さんもこんな立体的な形状を梱包するのは大変だなぁと感心しました(そりゃ送料がかかる訳です)。なお、家族の名誉のために書きますが、玄関の靴が散らかっているのは無理やりバンパーを搬入したからです。
とりあえず梱包を解くと、その大きさに反してバンパー自体は「軽い」ことに驚かされました。また、リビングにクルマのパーツを置く改めてその大きさと、部屋にクルマのパーツがある違和感を実感できました。流石にソファーに放置することはできないので、梱包材を巻いて取付けの日まで保管しておくことにします。
交換時に用意しておく方がいいパーツ
NBロードスターといえばもう約20年以上前のクルマなので、樹脂系パーツは油分が抜けてカスカスになっていることが多いです。特にエクステリアのクリップ系は外そうとすれば破損するし、無事なものを再利用するにも厳しそうな状態です。ただ、ありがたいことに現時点ではある程度のパーツ購入が可能なので、パーツリストを見比べながら準備をしておくことにしました。
コード | 品名 | 部品番号 | 個数 | 単価 | 価格 | 税込 |
50-036C | ファスナー | BF67-50-033 | 2 | ¥149 | ¥298 | ¥328 |
50-101A | グリル カバー | NA01-50-101A | 3 | ¥209 | ¥627 | ¥690 |
56-145C | マッド ガード クリップ | BC1D-56-145 | 10 | ¥119 | ¥1,190 | ¥1,309 |
99-175 | タッピング スクリュー | 9CF6-00-520B | 6 | ¥149 | ¥894 | ¥983 |
合計 (※2024/3末時点) | ¥3,009 | ¥3,310 |
上のふたつはバンパーを留めている樹脂パーツで、下のふたつはマッドガード(インナーフェンダー)を留めているクリップ。タッピングスクリューは現物確認すると錆びていたので交換することにしました。これらは安価な代替品で対応することも可能ですが、メーカーに「純正パーツを頼むこと」自体がパーツ製造継続の可否判断に繋がるので、応援する意味でも純正パーツの注文を行いました。
また、ロードスターの簡単な整備は基本的に汎用工具で対応可能にな造りになっていますが、クリップはがし(内張はがし)だけは圧倒的に作業性があがるので、用意することをお勧めします。
いざ、バンパー交換作業へ
バンパー脱着はタイヤが付いたままでも片側にハンドルを切ることで(頑張れば)作業が可能ですが、左右タイヤを外しジャッキアップ(ウマがけ)しておいた方が効率は圧倒的に良くなります。もちろん素人作業なので怪我をしないよう、自己責任で慎重に作業を進めていきました。
①マッドガード(インナーフェンダー)を外す
まずはバンパー裏側のインナーフェンダーに付いている5か所のクリップを外していきます。根元を抑えながらプラスドライバーで少し浮かせて、クリップはがしでズンズン抜いていきます。奥には1か所のみボルト留めになっているので、忘れずにそれも外します。
更に下側3か所にあるタッピングスクリューをドライバーで外していきます。ハードな環境に晒られるので被膜も剥がれていて、ウチのロードスターはボロボロに錆びていました。頭が回って良かった・・・
また、バンパーにはフォグランプも固定されているのでそれも外しておきます。カプラー部分で外すのが最良だったのですが、コネクターへのアクセスがし辛く経年劣化による破損も怖かったので、3本の固定ビスを外しました。
また、フェンダー側のインナーをめくると下側からタッピングスクリューでバンパーが固定されていることが分かります。こちらも忘れずドライバーで外しておきます。
取り外されたインナーフェンダー・・・樹脂製でペラペラ軽いのに、破れるようなことはなさそうな見た目より強固なパーツでした。
②グリル内の固定クリップを外す
私のロードスターは純正オプションのグリルネットが付いているので、固定ビスとステーを取り外していきます。ちなみに右側の牽引フックは事情により取り外してあります。
すると上に2ヵ所のファスナー(※私のクルマはグリルネットを取り付けるためのステーが共締めされています)と、下に3か所のグリルカバーが見えてきますので、それを取り外していきます。
ファスナーはプラス山が切ってありますので短めのドライバーでするする外す・・・といいたいところですが、おそらく土台が回ってしまいますので、工具を駆使して下側に力をかけるようにして外していきます。
下側のグリルカバーはバンパー裏側から爪を抑えると上に引き抜けますが、経年劣化で破損している確率が高く、交換前提で取り外していく方が気が楽でしょう。
③エンジンルームのボルトを外す
エンジンルームを空けると、整流板にある4ヵ所のボルトでバンパーが本体に固定されているので、レンチを使って外していきます。余談ですが、ボンネットキャッチャーの上には貴島主査からサインをいただいています(自慢です)。
諸々外したボルトやクリップたち。けっこうな数になりました。
あとはバンパーの「裏側」から「前方」へトントン叩くと、前側にパコっと外れてくれます。これ、横(手前)に引っ張るとバンパーが破損してしまうので要注意。
そうなるとバンパーが完全フリーになって引き抜けるようになります。外したバンパーはそのまま床に置くと角が欠けてしまうので敷物等を用意して、周りに注意しながら外していきます。
フロントバンパーが外れたロードスター。フォクランプは本体に繋がったままなので、一時的にグリルへ逃がしてあります。
感動的なのは、バンパーを外すとリーンフォースメント(衝撃吸収材)があるだけで他はスカスカなこと。これはヨー慣性モーメントの低減・・・すなわち「重量物は中心に添え、端はなるべく軽くする」を実現していることが実感できました。このクルマ、本当に凄い・・・
パーツ移植&清掃
なかなか見ないであろう、同色バンパーがふたつ・・・ナンバープレートも含めて、新旧バンパー同士で細かなパーツ移植を行っていきます。
まずは海外のMX-5(Miata)では謎パーツとされているフォグランプガーニッシュを外します。こちらは裏側から爪で固定されているだけなので、爪を抑えながらゆっくり引き抜いていきます。
新旧バンパーともに底面にあるアンダースポイラー(整流板)の取付けビスは錆びていました。そこで気休めですが防錆剤を塗布しておきます。こんなの裏から見ないと分からない・・・
左右サイドマーカー(ガーニッシュ)はクリアタイプのものへ変更します。こちらはプラスドライバーで簡単に付け替えが可能です。折角なので取付け部分も奇麗にしておきました。
地味に大変だったのは、グリルネットを取りつけるステーの位置調整。旧パンパーからマスキングで位置を測りましたがどうもうまくいかない。結局現物合わせで行いました。ここで気づいたのが、グリル下側を固定するグリルカバー(クリップ)は左右対称の位置ではなかったこと。不思議ですね・・・
折角なのでインナーフェンダーを洗浄、透明アンダーコートを吹いておきました。また、取り外したバンパーも20年間溜まった汚れを落とすべく特に裏側から念入りに洗浄、梱包材で包んで保管しておきました。
あとは逆の手順でバンパーを取り付けて、ナンバープレートを移植して作業完了です。
バンパー交換まとめ
そんな訳で元の姿に戻ったロードスター!・・・ですが、正直私以外は違いに気づかないと思います。究極の自己満足作業です。
ちなみに新バンパーは20年前のものではありますが極上のオリジナル塗装状態なので、当然ながら愛車との相性は抜群でした。国内流通283台のうちの潰されてしまったであろうガーネットレッドマイカの一台から「魂を引き継ぐ」という点でも、満足度の高い作業でした。
ちなみに作業時間は諸々の試行錯誤もいれて4時間くらい。ただしバンパー脱着のみであれば、1時間もかからない作業かと思われます。そして、慣れない作業を行ったことで翌日から恐ろしい筋肉痛が襲ってきたのでした。
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