ドアウインドウ整備(高さ調整&グリスアップ)

ドアウインドウ整備(高さ調整&グリスアップ)

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NA/NBロードスターはネオクラシック相応にシンプルな構造なので、整備において各所へのアクセスが容易になっているのも特徴のひとつです。今回はロードスターあるあるな現象のひとつ、パワーウインドウが上下するときの渋さ解消と、幌やハードトップの干渉を調整をDIYで行っていきます。ただし、あくまで自己責任であることをご留意ください。


幌(ソフトトップ)では気になることは少ないかもしれませんが、ハードトップではドアウインドウのクリアランスが微妙になることがあります。ハートトップの立て付けが微妙だと上端が削れてしまうのです。単純にハードトップ脱着を行って再調整することも可能ですが、毎回シビアになるのは地味にストレスです。

そこで、ドアウインドウの高さを調整することにします。こちらは「雨漏り対策」にも関係することから、もともとミリ単位で調整することが可能なのです。

余談ですが、パワーウインドウの動きが渋くなった時に無理は要注意です。原因はバッテリーではなく、ウインドウを上下駆動させるさレール部分のグリスが切れておりワイヤーが切れる可能性があります。そうなると窓が落ち、ユニット自体の交換になり、結構なコストがかかります(私がそうなりました)。

NBロードスターのドア内装(内張り)を外す


ドア内装(内張り)を外す作業はプラス/マイナスのドライバーがあれば簡単です。内装はがしがあればベスト!赤いマルのネジと、黄色いマルのクリップをそれぞれ外していきましょう。


こちらは横から見た画像です。パネルを止めているネジとクリップ(ファスナー)を外したら、丁寧かつ大胆にパネルを引っ張ると、パチン、パチンと裏側のクリップが外れていきます。パネルが外れたら、ドアノブ部分でネジ止めされていたパーツ(ノブを引きながらだと外しやすい)と、ツイーターのケーブルを外しましょう。


ドアパネルはクリップが外れると「引っかかっている」状態になりますので、上方向に取り外すのがポイントです。三角窓の根元部分がガイドになるので、そこを起点に作業をすると分かりやすいです。


折角なので、外したドアパネルを清掃します。ドアのサイドポケット、なかなか掃除し辛いんですよね・・・逆さまにしてゴミを取りました。


ちなみに、パネルの脱着を繰り返すなかで取り付けが適当だったからか(もしくは経年劣化で)、裏面のクリップ用ステーが外れてしまいました。そこで、瞬間接着パテ(アルテコ)+硬化スプレーでステーを取り付け直しました。パネルは丁寧に扱いましょう・・・


また、ドアノブを保護する樹脂パーツのネジも頭をなめてしまい・・・ホームセンターで代替品を購入して交換しました。

ウインドウの高さを調整する


まずは調整前の状態を確認すると・・・三角窓のモール上端からウインドウが飛び出しています。この「頂点」は雨漏りトラブルの筆頭なので、本来ならばモール交換も行いたいところです。しかし、現状で雨漏りはしておらず、いじる方がリスクのような気がしますので、様子を見ることにします(モール自体は購入済みです)。


ドアの内側にまわると「防水シート」がブチルゴムでひっついているので、その上側を外していきます。ブチルに触ってしまうとベタベタするので注意です。その奥にふたつのサービスホールがあり、奥のボルトで止まっているステーを微調整することで、ウインドウの高さを決めることが可能になります。


ボルトをレンチで緩め、ウインドウを上下させてベストな位置を探し、【ガイドパーツ】の位置調整をします。パワーウインドウだと微調整が大変ですが、頑張りましょう。この時は、前側を2mmほど下げました。ハードトップに当たることもなくなり、削れてしまった部分はタッチペンでリペアしておきました。


上記作業から数年後、またウインドウが当たるようになったのでガイドパーツの調整をしようとすると違和感が。ガイドパーとを外すと、そのステーのゴム部分が経年劣化でボロボロになっていました。一時しのぎのために厚めのゴムで自作補強をしましたが、ここは新品パーツにした方が安心できるでしょう。



ガラスストッパー 749円×4(※)
J002-58-910A
※2025年2月時点

レールのグリスアップを行う


パワーウインドウの動きをスムースにするには、定期的なグリスアップが有効です。ユニットを上からのぞくと、レールのなかに白と緑、ふたつのガイドパーツが見えます。ここにウィンドウを上下させながらレール部分に工業用グリスを塗ると、スムースにウインドウが動くようになりました。


せっかくなのでドアの根元も清掃します。スポーツカーは綺麗にしていると馬力が増す気がします・・・

レール内のガラスガイドパーツを交換する


ロードスターはサッシュレスなので(窓枠がない)、窓を少しだけ下げた状態や、ドアの開閉時にウインドウがブルブル振動することがあります。これは、ドアウインドウを根本だけで支えているからで、その振動が激しい場合はガラスレール内の樹脂製ガイドパーツが経年劣化でグズグズになってしまうから、とされています。

かつて、この部品はアフターパーツ商品(もしくはガラス全交換)しかありませんでしたが、NAロードスターレストアプロジェクトの恩恵により、パーツ単品で取り寄せることが可能になりました。


交換作業は、まずはドア内側のサービスホールからみえる「3本のボルト」を外して、窓ガラスをフリーにします。その後、前項で紹介した「ガイドパーツ」を取り外します。


すると、窓ガラスを上に引き抜くことができるようになります。傷がつくと大変なので、置き場所を確保してから作業を行いましょう。


ガイドパーツはトルクスネジで止まっているだけなので、サクッと交換が可能です。NBのパーツ設定はないので、NAのパーツで取り寄せたのですが、一応取り付けることはできました。一応という表現をしたのは、パーツがそれほど劣化していなかったことと、NA用のパーツが数mm薄かったからです。


左がNA用/右がNB用相当
気になって、さらに調べてみると私のロードスターのガイドパーツは、他マツダ車汎用のものを取り寄せると、そちらの方がベストフィットだったようです。しかし、年式やグレードによって違う可能性もあるので確信はできません。とりあえずNA用でも普通に使えているので、このまま様子を見ることにしました。



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NAXU-58-515

PIECE-GUIDE(NB用相当)1,098円(※)
HG30-58-525A

※2025年2月時点

簡単なDIY作業でしたが、頭と身体を使ういい運動になりました!

関連情報:

NA/NB ハードトップ(DHT)のススメ

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