NBロードスターアーカイブ、6周年のご挨拶

NBロードスターアーカイブ、6周年のご挨拶

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6周年ののご挨拶


程よく過ごしやい秋風が吹く、まさにオープンカーを堪能できる季節となりました。皆様の愛車はいかがお過ごしでしょうか。

おかげさまで、ささやかながらも情熱だけは詰め込んだ当サイト「NBロードスターアーカイブ」は6周年を迎えることができました。これもひとえに、日々訪れてくださる皆様や、情報を寄せてくださるエンスージアストの仲間たち、そして何より、今この瞬間も世界のどこかで元気に走っている全てのロードスターと、そのオーナーの皆様のおかげです。本当にありがとうございます。

この1年を振り返りますと、世の中は相変わらず騒がしいままでした。経済に目を向ければ円安が(本当に!)止まらず、1ドル150円台が常態化、物価高騰のあおりをうけNBのような少し古いクルマを維持する者にとって、(かつてを思えば)燃料費に倍以上のリッター価格を支払うのが当たり前になりました。

併せて、段階的ではありますが純正パーツの価格上昇が止まらず、「あの時買っておけば・・・」なんて、何度思ったことか。ただし、オリジナルコンディションに拘らなければ選択肢はまだ残っているので、あとは覚悟の問題です。幸い、私の愛車は大きなトラブルもなく、安心して一年を駆け抜けてくれました。

一方、かつてはフル電動化で内燃機関(ICE)の販売は終了・・・なんて数年前は騒いだ気がしますが、いつの間にやら環境保全には多角的な見直しが行われ、やっぱりガソリン(もしくは代替燃料)で走っても良くね?なんて空気になってきました。我々の愛する「内燃機関のスポーツカー」は過去の遺産扱いされかけていましたが、息を吹き返しそうで嬉しい限りです。

ロードスターのはなし


昨年末から今の時期にかけて、ロードスター界隈の大きな流れとしては、やはりNDロードスターが継続して売れていることに尽きるでしょう。モデル末期と思いきや電子プラットフォームの刷新もあり、もうしばらく販売されることが確定しています。いわゆる騒音規制(2024年フェーズ3)も乗り越えたようで、次の大きな規制は2028年(ユーロ7)の排ガス規制なので、少なくともその前後までは延命するでしょう。かつてのライトウェイトスポーツは20年近く売られていましたが、NDも長く愛されるクルマになりそうです。

特に、2024年10月に発表された「35周年記念車」はある意味での話題となりました。当初の計画(1,000台)を大幅に上回るオーダーが殺到、最終的には3,000台を超えるシリアルナンバーが付与されたようです(私調査では3,287番まで確認)。今年の4月にはロードスターが国内登録車ランキングで28位に食い込み、その月のマツダ車で最も売れたクルマになりました。

もちろん、米国関税問題で一般車両の需要が落ち込んだことや、35周年記念のプレミアム性、さらに直前までロードスターの型式認証問題で出荷停止が重なり、今春に一気に納車されたなんて背景もあります。そうはいっても、販売から10年目のスポーツカーです。ライバルたちが次々と姿を消し、あるいは電動化の道を模索するなかで、ロードスターの頑張りは異例といっても過言ではない現象でした。


また、記憶に新しいのは、つい先日(2025年10月)ロンチされたマツダのサブブランド「マツダスピリットレーシング」が手がけた2リッター版コンプリートカー、「マツダスピリットレーシングロードスター12R」も話題になりました。価格は700万円超、限定200台・・・個人的には「中古のNBが何台買えるんだろ」なんて、目眩がしておりましたが、蓋を開けてみればその枠に約9,500件の応募が殺到。当選倍率、約47.5倍。マツダもこの反応に対して、早々に「第2弾モデル(※ロードスターとは限らない)の検討」を発表する事態となりました。

なぜ、これほどまでにNDロードスターが求められたのか。これは、我々旧来のロードスター乗りにとっても非常に興味深いテーマですよね。個人的には、これは「モノ(車)」としての性能評価を超えた、「文化(クルマ)」としての渇望の表れだと感じています。

第一に、マツダが「人馬一体」という初代NAから続く哲学を守り、モデルチェンジを繰り返しながら「熟成」させ続けてくれたことへの信頼です。10年経ったNDであっても、マツダの「作り続ける」という苦労と努力が功を奏したのでしょう。

第二に、時代の空気です。世界中が電動化へ舵を切るなかで、コンパクト、軽量、純粋なガソリンエンジン、自分の手足で操ることを前提としたスポーツカーが新車で買える。「もう、こんなクルマは二度と出ないかもしれない」と、この「当たり前」が実は非常に貴重なものであることに、多くの方が気づいたのでしょう。

我々NB乗りにとって、直系のご本尊が元気でいてくれることは、何物にも代えがたい喜びです。彼らが元気だからこそ、我々もメーカーフォローの恩恵を受け、も安心して古いモデルを走らせることができるのです。

「NBロードスターミーティング」について


新車(ND)が未来への希望を示してくれた一方で、個人的にはひとつのチャレンジを行いました。それは、当サイトが主体となって企画した「NBロードスターミーティング」です。ある意味で、当サイトのひとつの集大成だったと断言します。

ロードスターオーナーが集まって愛車を並べる、それだけでも楽しいことは分かり切っています。ただ、あえてこだわって座学を軸にしたイベントとしました。当サイトの名称にもなっている「アーカイブ」とは、さもすれば不要になったデータや古い記録を、長期保存するためにおこなう作業を指します。そこで、あえてNBにテーマを絞って「ロードスターがなぜ楽しいのか?」という記録を残したかったのです。


そこで、NBロードスターの開発主査をお務めになった貴島孝雄氏、そしてその右腕としてロードスターシリーズの熟成に深く関わられた山口宗則氏をお招きし、マツダR&Dセンター横浜(MRY)で交流する贅沢な時間をセッティングできたのは、ほんとよく実現したな・・・と思っています。

企画者として、やりたかったことのほぼ全てを詰め込み、それが参加者の皆様からの「楽しかった」「勉強になった」「NBがもっと好きになった」という高評価に繋がったこと。これは、6年間サイトを続けてきた中でも、一つの「節目」となりました。

もちろん全てが完璧ではなく、反省点もめっちゃ多くあります。ただ、実現に至るまでは本当に多くの方のご協力を賜り、世代を超えて人を繋げるロードスターというクルマは、本当に不思議な力を持っている・・・なんてことを感じたイベントでした。ご参加いただいた皆様、ご協力いただいた皆様には、この場を借りて改めて深く御礼申し上げます。

7年目に向けて


ロードスターはオーナーの数だけ「だれもが、しあわせになる。」クルマといわれています。当サイトはその多様な「しあわせ」の形を、たまたまNBというフィルターを通して記録し、保存し、そして「次世代に記憶を紡いでいく」ことを目的としています。

10年後、20年後、ロードスターというクルマのルーツを辿ろうとした時、この「NBの記録」が何かの一助になるかもしれない。そう思いながら、ない頭をひねって記事を書いていますが、あくまで私のフィルターです。気に入らないこと、間違っていることも多くあるでしょう。そんな際は、突っ込んでいただければ幸いです。6年間、本当にありがとうございました。そして、7年目も皆様のロードスターライフが、共に輝き続ければ嬉しいです。

サイト管理者:mizuho

ロードスター中古車相場(平均)

   2024年    2025年

NA:171.3万円 → 184.7万円
NB:94.8万円 → 103.9万円
NC:120.1万円 → 113.3万円
ND:259.2万円 → 255.5万円

※2025年11現在

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