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クルマにとって欠かせない要素といえば「愛称/ペットネーム」です。ご存知の方も多いと思いますが、車検証に記載されている車名はメーカー名記載で、「マツダ」とか「ユーノス」とか、地味だったりするわけです。
例えば我が愛車の場合、車名は「マツダ」、型式番号は「GH-NB6C」だったりして、カッコいいけれど無骨な感じがするのです。だからこそ、メーカーは愛称にはこだわっているし、見せ方も一ひねりしています。そこで今回はロードスター・ロゴを掘り下げます。
NA/NBロードスターの場合
NAロードスター、つまりユーノス・ロードスターのロゴはご存知のとおり「筆文字」です。当時のマツダは車名にMPV(Multi Purpose Vehicle→ミニバン)とかロードスター(幌馬車・オープンカー)などド直球なネーミングですが、そこに日本文化の香りを感じて欲しいと「筆文字」で仕上げたのは有名な話です。
ちなみにこのロゴ、NA6で「黒文字」、NA8sr1は「赤文字」NA8Sr2で「緑文字」になります。さらに、伝説のリフレッシュビークルでは「黄色文字」です
これらはNBロードスターにも継続採用されましたが、NBは排気量・年代・全モデル(クーペ、ターボ含む)関わらず、バッジは少し小さくなりますが同じロゴになります。
そして、海外ロードスターの北米モデルはNBまで「Miata(ミアータ)」と呼ばれています。これは古高ドイツ語で「贈り物」や「報酬」を意味しているそうで、ユーノス(喜びのコレクション※造語)に近しい意味が込められています。なかなかオシャレですよね。
その他、欧州やオセアニアでは「MX-5」と呼ばれています。当時の「MX」はマツダのレシプロエンジン・スポーツカーの愛称でした。ちなみにMX-3は「ユーノスプレッソ/AZ-3」、MX-4は「AZ-1」、MX-6はそのままですね。ご存知のとおり、ロータリースポーツは「RX」ナンバーです。
NCロードスターの場合
他アスレティックデザイン世代(初代アテンザ・アクセラあたり)になりますと、マツダ車全体が流麗なフォントに変わります。筆文字から、万年筆でササっと描いて、ボルドー(太字)にした感じ!
もちろん「MX-5」もなかなか色気のあるライン変更になりました。この「5」というフォント、本当に綺麗でカッコイイです。個人的には、筆文字は「Roadster」の方がいいけれど、「MX-5」はこちらの方がかっこいいい。
また、NCのカタログではNC2時代までフラットなフォントが使わます。車体には流麗なフォントを使っておきながら、カタログではなぜに違うのか・・・デザイナーさんのコダワリなのかもしれませんね。
魂動世代(NC3/ND)の場合
NC3世代になると、マツダは「魂動デザイン」というデザインテーマに変わりました。そこで、マツダのカタログは「マツダフォント」というオリジナルフォントに統一されていきます。この「こだわり」のために、フォントを新たに作ってしまうなんて本当にマツダらしいですね。このフォントは曲面の使い方が秀逸で、見ていてなかなか飽きません。
したがって、魂動世代のNDロードスターは車体ロゴにもマツダフォントが採用されています。でも、こちらは若干寸づまりな印象が・・・よく見ないと、ただのMSゴシックみたいに見えてしまうんですよね。
しかし「MX-5」は寸づまり感が解消されて、伸びやかに見えます・・・が、個人的にはNCの「MX-5」の方が良かったかな・・・
なお、2019年の商品改良で、デミオ、アクセラ、アテンザのペットネーム終了と共に、「ROADSTER」のフォントも新マツダフォントに変更されています。ボルド(太字)だと若干キュートなイメージになりますね。
同じく「MX-5」のフォントも新しくなりました。各文字が独立して、よりプレミアム感が際立つようになりました。
シンボルアイコン
ロードスターにはシンボルアイコンも存在しています。これ、なによりも歴代NA~NCに見える秀逸なカタチで大好きです。25周年記念にステッカーにもなったのは記憶に新しい。
そして2015年のメディア対抗レースにて「新シンボルアイコン」が登場しました。これは「魂動デザイン」のラインが強調されていて、かっこいい・・・
ちなみに、30周年記念でもこのアイコンが採用されましたね。
<おまけ>
Fiat124spiderのシンボルアイコンもありました。リアからフロントにかけて特徴的なショルダーラインがシンプルに表現されていますね!
そんな訳でロードスターのロゴを並べてみました。ちなみに私は、未だに愛車のドアを開けるたびにスカッフプレートを見てあまりのカッコ良さに感動します。
たかが愛称、されど愛称。この響きとカタチに込められた想いを堪能しようではありませんか。
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