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身近なようで、なかなか出会うことのない「青い」ロードスター。改めてまとめてみると、存在自体がレアな事もあるようです。今回調べるに当たって一番苦戦したのはNCロードスター・・・この辺りを紐解いていきましょう。
NA/NBの「青」はこちら → https://mx-5nb.com/2019/12/13/blue-mx5a/
NCロードスター前期型の「青」
NC1:カタログカラー【ウイニングブルーメタリック】27B ※1年のみの生産
発売初期はさまざまな点でRX−8と共通点が多かった3代目NCロードスター。特にカラーラインナップは近しいものがあり、青は「ウイニングブルーメタリック」が採用されました。NBロードスターでは純粋な「青」がカタログ採用されなかったので、久々の復活です。
イメージ的にはNAロードスターの「ラグナブルー」に近しいですが、加えて色気というか「濃厚さ」がを感じます。なお、RX−8では(次で紹介する)RHTのテーマカラーである「ストーミーブルー」の誕生とともに「ウイニングブルー」が併売されていたのですが、残念ながらNCロードスターでは1年でカタログ落ちしてしまいました。国内でもめったに目にしない、レアカラーだと思われます。
NC1〜NC3初期:カタログカラー【ストーミーブルーマイカ】35J
ついに登場したメタルトップのNCロードスターRHTのテーマカラーが「ストーミーブルーマイカ」です。RX−8やNBロードスターでも採用されていた「ストラトブルー」の後継色で、「青」というよりも「藍色」のほうが近しいイメージです。
RHTはエレガンスグレードのVS押しなのですが、色味にはコンサバティブな雰囲気があります。カタログ写真では比較的明るめに撮られていますが、実車はもっと濃い印象を受けるはずです。かなり好評な色だったのか、NC3の初期まで選ぶことが出来ました。
NC1:限定カラー【アイシーブルーメタリック】33Y 海外限定車「NISEKO」など
海外の限定車「NISEKO」で採用されたのが「アイシーブルーメタリック」です。こちらは北海道の「ニセコ」にちなみ、広大な自然にマッチングするオーガニックなイメージが湧いてきます。なお当時のマツダ車ではDEデミオで採用されました。
NBロードスターの「クリスタルブルーメタリック」以来の、明度・彩度の高い青!スカイブルーでいかないところがマツダらしいです。
NCロードスター後期型の「青」
NC2:カタログカラー【メトロポリタングレーマイカ】36C
色名に「グレー」と入りますが、青みがかったグレーなのでご紹介させて頂きます。メトロポリタン(大都市)という名前の通り、工業的な美しさを感じる色味です。特に、光が当たると「ストーミーブルー」よりも落ち着いた、色気のある「青」に見えることが特徴です。
イメージとしてはNA~NBロードスターで採用された「モンテゴブルーマイカ」に近しいです。当時のマツダ車全般で採用されている色でデミオ、ベリーサ、アクセラ、RX-8でもチョイスすることができます。
NC2:限定カラー【エクスクルーシブオーロラブルー】34J 20周年記念車(海外のみ)
日本でもリリースされました20周年記念車ですが、国内は「白」しか販売されませんでした。海外ではNBロードスター10周年記念車と同じく、鮮やかな「青」の採用です。
オーロラブルーの名の通り、豊かな表情を魅せてくれる青です。なお、国内では後期型でファイスリフトをおこなったRX−8のテーマカラーでもあり、RX-7(&NBロードスター10周年記念車)と同じく、「イノセントブルー」の後継色になります。
NC3:カタログカラー【ドルフィングレーマイカ】39T
NC2のメトロポリタングレーと入替でカタログ入りしたのが「ドルフィングレーマイカ」です。色名の通りイルカのような色味で、都会的なグレーから有機的な「青味のある」グレーに入れ替わりました。意外なことに、他のマツダ車ではベリーサにしか採用されていません。なお、NC3ロードスターのテーマカラーになります。
NC3:カタログカラー【ディープクリスタルブルーマイカ】42M
マイナーチェンジに伴い「カッパーレッド」が「ジールレッド」になったように、「ストーミーブルー」がより彩度を上げた「ディープクリスタルブルー」・・・「藍色」に入れ替わりました。他マツダ車ではCX−5に採用されています。
なお、NC3ロードスターの国内人気カラーは「白」になっていた状態だったので、3型でこの色はとてもレアだと思われます。
NC3:限定カラー【アクアティックブルー】40E 海外限定車「SPORT GRAPHTIE」など
その名の通り、走りに振った海外限定車に採用されたのが「アクアティックブルー」です。日本国内ではスカイアクティブエンジンを採用したDEデミオのテーマカラーになっています。デミオを見たときの印象しか書けないのですが、これまた不思議な青で・・・若干緑がかっていて「青」ではなく「碧」という感じです。
NDロードスターの「青」
ND:カタログカラー【ブルーリフレックスマイカ】42B
いわずと知れた魂動デザインのテーマカラー、通称「魂動ブルー」です。近年はソウルレッド推しなので「赤」が目立つマツダ車ですが、魂動のコンセプトカー「SHINARI」用に開発された色なので、魂動デザイン本来のイメージはこちらにあると思われます。したがってカタログ入りしているのは必然なのです。
実車は表現が難解なカラーで、この宣材データ通りの色味にはなりにくく、環境によって様々に表情を変えてきます。いうなれば「青」ではなく「蒼」だと思います。余談ですが、NDロードスターRFでも最初期だけ選ぶことが出来たのですが、後述の「エターナルブルー」にすぐ差し変わっているので、実車はとてもレアな存在です。
ND:カタログカラー【エターナルブルーマイカ】45B
2017年末の商品改良とともに、上記ブルーリフレックスマイカと入れ替わる形でカタログ入りしたのが、この「エターナルブルーマイカ」です。素材画像でも明度を抑えた青になっていますが、太陽光の元ではブルーリフレックスよりも青味が増しています。エターナル(永遠・不滅)の名の通り、広大な空や海を感じる色味です。
他マツダ車ではアクセラスポーツやデミオ、CX-3で選択することができました。なお、デミオには「ディープクリスタルマイカ」「ダイナミックブルーマイカ」という「青」があり、それがNDロードスターに採用されるのではという期待感がありましたが、そちらは兄弟車のFiat124spiderへ塗られた経緯があり、エターナルブルーにより、「青」が欲しかったNDの悲願が達成されました。
ND:カタログカラー【ポリメタルグレーマイカ】47C
2019年末の商品改良とともに追加されたカラーです。色名にグレーと入りますが、アウディなどの欧州車で目にする「明るい青系のグレー」です。同時にシルバーと幌と組み合わせた「シルバートップ」というグレードが、期間限定でチョイスすることが出来ます。
なお、この色はMAZDA3とCX-30のテーマカラーでもあり、魂動デザインとのマッチングは折り紙付き。2019年のオートカラーアウォードのグランプリも受賞しています。
ND:カタログカラー【ディープクリスタルブルーマイカ】42M
2020年末の商品改良にて、上記エターナルブルーと差替えで採用されたカタログカラーです。カラーコードから見ても分かります通りブルーリフレックスマイカ時代の兄弟色で、NC3やデミオ(現MAZDA2)等に塗られていた定番色です。同時にM2 1002を彷彿とさせるホワイト内装の限定車「White Selection」系が発表されており、2021年3月31日まで注文が可能です。
メーカーストックのカラータンク都合であるかもしれませんが、旧ロードスターに採用されていた色が復活するのは、クラシックレッド以来の快挙でもあります。
まとめ
以上、歴代の「青いロードスター」を並べてみました。
国内ではカタログいりしてもなぜか短命で終わってしまうことの多い純粋な「青」ですが、海外にまで目をむけると限定車などでしっかり揃っており、国民性によって好みの色が違うことを感じます。しかし「青」はラインナップに彩りを添えるので、その火を消さないでほしいですね。
さて、30周年記念車も「青」でくるかと予想したのですが、鮮烈な「レーシングオレンジ」になりました。果たして青い限定車が今後復活することはあるのでしょうか・・・個人的には、NDロードスターに「マリナブルー」が復活したら、神チョイスだと思うのですが!
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