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今回から何回かにわけて、数字でロードスターを振り返ってみたいと思います。参考資料はマツダEPC(電子パーツカタログ)とグローバルセールスデータ。いわばNA/NBの成績表です。
生産台数と販売台数ふたつの母数と、ソースによっては同じデータでも差異があるので、研究・広報車両を加味しても、その誤差はご勘弁ください。だいたいこんな感じかな?くらいの感覚で見ていただければ幸いです。
実際の情報と差異がある可能性があるので、参考までにご覧ください。
グローバル販売台数 1989~2005(NA~NB)
年次集計になっているので、マイナーチェンジ・フルモデルチェンジ各モデルの販売時期が微妙にかぶっています。ちなみにMiataの販売は1989年6月、日本のユーノスロードスターは9月、NB1は1998年1月から販売開始でした。ただ、市場在庫(ユーノスではなくマツダで販売)もあったでしょうから、併売されていた数字が混ざっているはずです。
ちなみに、アーカイブ記事によってはNA6ロードスターが国内で17万台近く売れたというデータが提示されていますが、おそらくロードスターとMX-5の合計で、北米市場のMiataを別計算で計測していると思われます。
したがってNAの国内販売合計は下記のようになると想定されます。(NBにかぶる分含む)
NAロードスター 国内販売台数
NA6:80,209 67.1%
NA8:39,338 32.9%
合計:119,547台
これを見ると、国内ではNA6がNA8のほぼ倍数売れていたことになります。
なお、NAロードスターのレストアプラン・プレスリリースで、2017年時点のNA現存台数が22,700台とありました。つまり全体で19%(約2割)が生き残っている計算です。なお、現時点でのレストア対象はNA6なので、母数を単純計算すると15,231台になります。
ただ、30年近く前のクルマはそんなに現存していないとしても、数千台の母数があればレストア12台/年+パーツ生産益で考えて、ビジネスモデルは描けるでしょうか。幸い、当初のレストア対象基準が緩和されたこともあり、エントリー台数増は見込めるようになったでしょうけれど、現時点では予定通りではなさそうな雰囲気でね・・・
したがって、しれっとNA8にまでレストア対象車両は広がるかもしれませんね。ともあれ、パーツの再生産は嬉しい恩恵です。
NAロードスター グローバル販売との比較
NA前期:236,123台 56.2%
NA後期:184,194台 43.8%
合計:420,317台
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国内販売:119,547台 28.4%
NAロードスターを前期・後期という記載にしたのは、欧州ではNA8登場後もNA6が併売されたからです。
この数字を見ると、バブル景気を経ているとはいえ、約3割のロードスターが日本で走っていたという事実です。デビュー当時は納車待ち、プレミア価格、ミアータ逆輸入なんてエピソードもありますから、本当に人気があったことが分かります。
なお貴島主査の話では、世界で1500台/月売らなければならないという目標値があったそうです。つまり年間18,000台の販売がロードスター継続の最低ラインで、「ロードスターは儲かっていた」というエピソードも納得できます。
また、注目すべきはNBロードスターの販売台数です。欧州(EU)ではNAロードスターよりも人気があった状況がわかります。世界合計でも2万台以上をキープできていますからね。
余談ですが、海外のNBはMiata(MX-5)mk2と呼ばれ、出荷コードはNAがM1、NBがM2モデルとされています(ミアータ2ですね)。つまり、海外のM2はNBを指します。
国内生産台数 1989~2005 Eunos/Mazda Roadster(NA~NB)
さて、こちらは国内販売台数です。一部データが欠損していますが、売れる時期の傾向がわかります。
やはり春を控えたオープンカーの季節(※イメージ)の3月と、ロードスターのマイナーチェンジ(太字)は9月に行われるので、この時期に売れたことが分かり面白いですね。
次回はNBロードスターの考察を行います。