NB2ロードスター 国内販売傾向

NB2ロードスター 国内販売傾向

この記事を読むのに必要な時間は約7分です。

今回はNBロードスターのマイナーチェンジモデル、2000年にリリースされたNB2型の内訳をご紹介します。ソースは某EPC2のデータ解析です。

NB2ロードスターの概要


少し時代背景を解説しますと、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)はメーカーオプション扱いだったので、グレードによっては別モデルとして区分されています。ABSが義務化されたのは2012年10月以降の新型車と、既存販売車種に関しては2014年11月以降より義務化になっています。(これはDSC※横滑り防止装置も同様です)。

昔は教習所でポンピング・ブレーキを教わりましたが、現行車はABSが標準装備なので「強く踏んでABSを効かせる。ポンピングは危険」と習っているのも面白いところです。

話をNBロードスターに戻しますと、NB2におけるエクステリアの大きな変化としては、フェイスリフトが行われたことです。ファイブポイントグリル・エアインテークと、三眼ヘッドライト形状により、とても精悍な表情に変化しています。インテリアもメーターグラフィックの変更やカップホルダーの追加などの小変更されています。

メカはボディ剛性強化とともに、1800ccエンジンは可変バルブタイミング機構を追加したBP-VE型に換装され、出力・トルク共に向上しました。なお、このエンジンはアジア・オセアニア市場のみで、欧米は従来のBPユニットが踏査押されています。

2000-2002 Mazda Roadster(NB2) 国内生産台数


こちらがNB2の全体像です。NB1は1800ccモデル方が売れていましたが、NB2は1600cc、1800cc共に均等な割合になっています。トランスミッションのMT比率は前世代とほぼ同じく7割以上、面白いのはABS装着率で約15%増加の76.1%まで上昇しています。

また、EPCのデータベースでシリアル番号が抜けているものがあり、それらは開発実験車両と想定されます。


BodyColorList Mazda Roadster(NB2)

ボディカラーを並べてみます。オートカラーアウォードを受賞したNB2ロードスターのテーマカラー「クリスタルブルーメタリック(23C)」や、日本ではWebTuned(インターネット注文)のみで選択できた「サンバーストイエロー(HZ)」など、なかなかカラフルなラインナップです。「○(マル)」NB2でロードスターに追加された新色です。


BodyColorBreakdown MazdaRoadster(NB2)

ボディカラー販売内訳です。銀色や白が出ているのは納得ですが、「クリスタルブルーメタリック(23C)」が約2割出荷されています。先行500台の限定受注とうたわれていた「サンバーストイエロー」は結局48台。なかなか出会うことのないレアカラーなのも納得です。VS専用色だった「グレースグリーンマイカ」に1600ccが存在するのはWebTunedの影響です。

NB6C(NB2)BreakDown



NB6(1600cc)の内訳です。NB1標準車はカタログ記載が廃止されましたが、実際はWebTunedのベースグレードがその役割を担っていました。また、NB1のカタログモデル「Sパッケージ」「Mパッケージ」は「SP」「MP」と名称変更されています。

また、カタログモデルの「SP(MT)」はLSDが採用されていることもありますが、ベースモデルとしてNB6販売の6割以上を占めている人気モデルでした。NB6のマニュアル比率が低いのは、ATで気軽にオープンを楽しみたい層がいた証明ですね。


「YSリミテッド」(Youthful & Sports(ユースフル&スポーツ)の意味)は手軽にオープンカーを楽しんでもらいたいと販売された限定車で、ATも存在します。専用色「ブラックマイカ」の他に銀と白が存在することもあり、黒以外の「YSリミテッド」を見分けるには、ブラックベゼル化されたヘッドライトか、シルバーのアクセントが入った内装で判断できます。

「MVリミテッド」は専用色「チタニウムグレーメタリック(25G)」にブラウン内装で、NC、NDロードスターのVSに通ずる上質なコーディネート・モデルです。


「NR-A」は現行ロードスターまで続くレースベース車で、NBロードスターとしてはRS(1800cc)の高剛性ボディに1600ccエンジンを組み合わせたモデルです。NB2末期に登場しているので台数自体は少ないのですが、発表当初は「クリスタルブルーメタリック(23C)」がごく初期のみ選択可能だったので、やはり少数存在しています。

分かりづらいのは「WebTuned」です。こちらはインターネットでメカ・インテリア・エクステリアなどを組み合わせてオリジナル仕様が注文できるのですが、シリアルコードの体系が煩雑で、平均15台のロットで連番されていました。あまりにも複雑なコード体系だったからか、NB3ではシンプルなルールに変更されます。

NB8C(NB2)BreakDown



1800ccの内訳です。実質6割以上はRS・RSⅡグレードが占めていました。


RSⅡとはインテリアに赤いアクセントが採用されたモデルで、RSと機構的な差異はありません。1800ccのATは基本「ABS有り」であり、MTは選択式でした。カラーコードを並べても「クリスタルブルーメタリック(23C)」が人気だったことがわかります。

MSVとは「マツダスピード・ロードスター」で、専用色「スターリーブルーマイカ」を採用していました。マツダスピードブランドのオプションを全部のせたモデルで、当時は瞬殺で完売しました。現在でもプレミアが付いています。


「WebTuned」はNB6と同じくコード体系が複雑で、オペレーターが大変だったと思われます。なお、ちょっとした小ネタですが、「サンバーストイエロー」のATは1600ccで3台、1800ccで5台の計7台。見かけたら拝むレベルかもしれません。

NB2ロードスターの総括


NB2を総括しますと、商品力強化のために実質フルモデルチェンジに近いテコ入れがされていました。なお、NB3以降のマイナーチェンジは基本エミッション対応による出力低下とコストダウンを行っていくことになります。従って、NAロードスターから続いていたロードスターシリーズの完成形かも知れません。

また「NR-A」の登場は、比較的リーズナブルなコストでレース参加ができる(パーティレース)と同時に、低出力エンジンに高剛性ボディを持つというマニアックなグレードとして、1600ccの復権に繋がっていくことにもなりました。

その上、少数生産とはいえ「WebTuned」のような受注生産にもチャレンジしていた、今では考えられない恵まれた環境で販売されていたのがNB2ロードスターです。

そして時代はNB3に続きます

NEXT → NB3ロードスター国内販売傾向

NB3ロードスター 国内販売傾向

NBデータ集カテゴリの最新記事