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ロードスター(MX-5)には国内外に様々な限定車が存在します。
なお、ロードスターの限定車は「世界単位」のものと「国(販社)単位」のものに分かれます。世界単位は「30周年記念限定車」のようなモデルで、国単位のものは国内では「ロードスタークーペ(NB7)」くらいしかありませんが、海外では数えきれないくらい存在します。※M2商品群は別会社、「TokyoLimited(NA)」は東京販社のみだったので別扱いです。
そのような中、フランスからMX-5の限定車「EUNOS EDITION」が発表されました。
欧州販売におけるロードスターは「MAZDA MX-5」という名称で販売される中、「ユーノス」という日本でしか使われなかったブランドをリスペクトした企画される方達は、さすがファン心理を分かっていらっしゃいます。
「ユーノスエディション」のイメージソース
「ユーノスエディション」のイメージソースは、1992年に販売された限定車、ユーノスロードスター「Sリミテッド」です。
ユーノスロードスターの赤内装はさまざまな限定車に設定されましたが、ブラックボディに赤内装というコーディネートは「Sリミテッド」のみで、国内でもいまだに根強い人気を誇ります。なお、ロードスターの赤内装はNAのプロダクトデザインをされた田中俊治氏の肝いりだったとか。
ちなみに「Sリミテッド」の兄弟車は、北米で1993年に1500台限定の「Miata LE(Limited Edition)」として販売されました。左ハンドルであるとともに、北米仕様なので4本スポークのエアバッグが標準装備になっています。
そもそも「ユーノス」とは
「ユーノス(Eunos)」は1989年~1996年まで存在したマツダのプレミアムブランドです。エンブレムは十二単(じゅうにひとえ)の襟がモチーフになっています。
「Eunos」はラテン語のEu(喜び)と英語のNumbers(集まり)を組合わせた造語であり、「よろこびのコレクション」という意味です。また、ユーノス車は「ユーノス○○」というように、「ブランド名+マスコットネーム」がワンセットになるのが正式名称です。
当時のマツダは「株式会社ユーノス」という統括会社を設立し、そこで販売されるクルマはあくまでユーノス製という建前になります。したがってNA6ロードスターの車検証は「マツダ」ではなく「ユーノス」の表記になってるはずです。なお、ユーノス店ではラインナップ拡充のためにシトロエン車も販売していました。
近年のユーノスロードスター(NAロードスター)とアンフィニRX-7(FD)の関係性からすると「アンフィニ」の方がハイブランドのイメージがありますが、アンフィニはあくまで乗用車中心のブランドでした。なお、バブル景気崩壊とともにユーノスは消滅、その店舗機能はアンフィニと合併することになります。
マツダ → 商用車
アンフィニ → 乗用車
ユーノス → 高級車
オートザム → 軽自動車・中古車
オートラマ → フォード車販売
ユーノスブランドで最も有名なクルマが「ユーノスロードスター」であることから、バブル現役時代の方たちは歴代ロードスターすべてを「ユーノス」と呼ぶことがあります。それだけ当時のロードスターはインパクトがあったのです。
110台限定「EUNOS EDITION」
MX-5(NDロードスター)「EUNOS EDITION」の概要は以下の通りです
<※意訳>
1989年、マツダは日本市場向けに「ユーノス」と呼ばれる新しいブランドを立ち上げました。ユーノスはハイエンドブランド展開しましたが、1996年に市場撤退をしました。そのさなかである1992年、「S Limited」と呼ばれるMX-5の限定シリーズが販売されました。これは黒いボディカラー、赤い革インテリア、専用ホイールを特徴としていました。MX-5「Eunos Edition」は、マツダが描いた高級市場戦略の物語を継承します。
フランス国内:110台限定
価格:34,600€(約415万円)
・ブルゴーニュ色のナッパレザー内装
・ジェットブラックマイカ塗装
・16インチRAYS鍛造ホイール
・シリアルプレート
国内のNDロードスター(幌モデル)では、ユーノスエディションのようなコーディネートは選択はできません。海外でこういった限定車が生まれる背景には、販社単位で内外装バリエーションのロット注文が行われるからだそうです。
情報提供:Jeff氏
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