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幌の耐久年数は?
オープンカーであるロードスターの屋根は布素材の幌(ソフトトップ)になっています。その対候性はメーカーから公表されていませんが、開発段階では「5年で交換」を想定していたようです。
ただ青空駐車かガレージ保管か、トップ自体の開閉回数など、使用状況はオーナーによって違いますから耐用年数は一概にはいえません。
事実、私の愛車も10年以上「クロス幌」が使用できていました。しかしリアガラス近辺の縫い目がほつれる経年劣化が始まってしまい、そのままではガラスが落ちる可能性がありました。
致し方なく幌の交換を検討するとなると、「骨組みを残してトップのみ張り替える」というのが一般的ではありますが、素人作業でやりきる自信がなく・・・すると、某オークションにおいて「骨組み付きの中古幌」の出品があることに気づきました。
そこで、それなりの状態であるクロス幌を落札することができたので、今回は作業の備忘録をご紹介します。
幌を外す準備を行う
交換作業時間がどれくらいかかるか見当がつきませんでしたが、結論からいうと準備が整っていれば実質数時間で済む内容かと思います。
また、基本工具の中で絶対必要になるのは「内装外し」ツールで、それでも素人作業だと経年劣化も相まって「クリップ類」は破損するリスクがあるので、ある程度準備しておくことをお勧めします。どちらもカーショップであれば店頭で購入可能です。
とりあえず幌にアクセスしやすいように「シート」「ファッションバー」「エアロボード」などを外していきます。車内が汚いのは笑ってください。
シートの下はゴミがすごいことになっていました。落ち葉はわかるけれど、助手席にはチョコレートやせんべい、ドングリまで落ちていました。犯人の検討はつきますが・・・
「シートベルト固定部分」を始め、「ハードトップ用ストライカー」や「内装トリム」まで外すと、とりあえず幌の根元にアクセスができるようになります。しかし、これだけでは幌を外すことはできません。
参考情報:
さらに内装のカーペットを外していきます。正直マイナスドライバーでやりきれるかと思ったら、専用ツールがないと厳しいことが判明し、すぐにオートバックスへ「内装外し」ツールを買いに行きました・・・
カーペットを剥がすと、思ったよりも汚れていませんでした。サビも全然なかったので一安心です。
しかし、床面やカーペットの汚れが半端なかったので掃除機をかけました。なお、カーペットには防音材も付いているので意外に重量があります。取り除いたら数キロの軽量化できそうです。
玄関に外した2脚のシートを避難させて、作業は翌日へ持ち越しました。
幌を取り付ける
翌朝、作業を再開します。なお、準備作業は一人でも出来ますが「骨組み付きの幌」を取り付ける作業は、精度や安全面を鑑みると一人で行うのは厳しいと思います。私の場合は父と一緒に作業を行いました。
まず、幌の根元にあるレインレールを取り付けているボルトを外していきます。なお、ここのレインレールが破損していると「雨漏り」の原因になりますが、NB後期型では弾力性のある素材に変更されているようです。
また、NBガラス幌の特徴でもある熱線用のケーブルも外しておきます。
NB幌の特徴である、幌に張りを持たせるためのテンションベルトが内装に擦れて、劣化しています。このまま放っておくと穴が開いたかと思われます・・・
レインレール部分がフリーになったら、幌の根元にあるクリップを取り外します。内装外しの工具があって助かりました。
ついでに内装トリムが汚れていたので、外せる部分は洗浄しました。
幌を止めている左右3本づつのあるボルトをはずすと、ゆっくり上に上げればあっさり幌は外れます。繰り返しますが、この作業は一人で行うのは厳しいと思います。
幌が無いレーシーな状態で走ると「軽さ」を感じて楽しそうですが、シートベルトを付け直すのが面倒で、諦めました。
こちらは骨ごと取り外された旧クロス幌です。次のオーナーの手に渡っていきました・・・
あとは「骨付きの中古幌」なので、逆の要領で組み直していきます。組付けた後、ジョイントの根元で張りの調整を行なえば、Aピラーからの異音も解消されます。
中古ではありますが、ベージュクロス幌に張り替え完了です。明るい色の幌はメンテナンスが大変ですが、それもロードスターの楽しみ方のひとつです。何よりクルマの印象が変わるアップデートなので、やってよかったと思います。
今になり気づいたこと、まとめ
骨組み付きの中古幌ということで、取付後に気づいた善し悪しを付記しておきます。
<良かったこと>
・相場よりも安い(今回の例は6万円ちょっと)
・フルに張り替えるよりも、作業の難易度が低い
・純正なので、相性がいい
<悪かったこと>
・幌側のウェザーストリップが劣化していた(後日交換)
・取り付けた後は、ウインドウ後端のウェザーストリップを交換するのが困難
<要確認>
・レインレール部分の劣化(破損していると雨漏りします)
・内装剥がしが大活躍する
・二人作業でないと、取付は厳しい
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