中古ロードスターの選択基準<参考>

中古ロードスターの選択基準<参考>

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先日、初対面の若い子に「社会人になったら中古でロードスターが欲しいのですが、歴代(NA〜ND)で何がオススメですか?」と、質問をいただく機会がありました。

これは聞かれて嬉しい質問である反面、一言で回答するのはとても難しい内容です。なぜなら、先方の価値観によって伝えたい内容が変るからです。

正直な気持ちでいえば、中古車であるならば「好みの色とカタチ(世代)に乗れば満足できる」というのがベストな回答です。

ただ、これではあまりにもざっくりしていて申し訳ないので、個人的解釈ではありますが、相手の要望を聴いたうえで「伝えたいこと」と「判断ポイント」を伝えました。

ロードスターを選ぶ際に、伝えたいこと


・「乗り味」の軸は同じなので、歴代どれに乗っても楽しさは変わらない。
歴代ロードスターは、パワーユニット(エンジン仕様)やセッティングの違いで「速さ」に差はでますが・・・前後重量配分の50:50、重心が低い、使いきれる馬力、ニュートラルステア、感性に訴えるセッティングという、乗り味の「軸」は同一です。したがって、乗って楽しい(=人馬一体)のはどのモデルでも変わりません。そのうえで・・・

・歴代ロードスターの違いは「見た目」とともに、世代が進むごとに安全性能/快適性が向上する
NA時代にはキーレスが存在しないし、NB後期まで燃費蛍光灯なんて存在しません。ただ、トランクユーティリティはNDよりもNCの方が使い勝手がいいなど、細かい違いも存在します。ただ、モデルチェンジ毎に更新されたのはエアバッグやABS、DSCや自動ブレーキなどの安全装備が中心です。不便を楽しむのもスポーツカーの味と思われるなら、「この形が好き」という感情を優先して選択した方が幸せになれます。

・世代、排気量、ミッション形式で差別をするのは、本当のロードスター乗りではない
価値観はそれぞれだし、自分の愛車にこだわるのは問題無いけれど、「〇〇じゃないからロードスターとは認めない」なんて理論を押し付けてくる人は(ロードスター乗りに限らず)付き合いづらい人です。本当のロードスター乗りは歴代全て大好きです。ATに皮肉を言うなんてもってのほかで、アフォーダブル(手軽)という点では、誰でもオープンカーを楽しめる器量により、よほどMTよりも偉大かもしれません。

・ふたり乗りと割り切れば、積載量は予想以上にある
屋根が開くから無限に荷物が乗る・・・というのは、道路交通法上問題のある発言なので差し控えますが、二人分の旅行バッグ&お土産くらいは余裕で乗ります。日常使いで困るシーンは意外に少ないです。

・真夏日に屋根を開けるのは自殺行為
百歩譲って帽子をかぶるという手段もありますが、夏場のオープンは朝夕の時間帯がオススメです。昼間に半袖でオープンは本気で日射病になり死ねます。主査も夏場は幌を閉じており、「NCはエアコンをすぐ効くようにした」なんておっしゃっていました。

参考)https://mx-5nb.com/2020/08/03/heatstroke/

ロードスターの判断ポイント


・10万キロまでは慣らし運転
ロードスターは走行距離が短いからといって極上コンディションの中古車とは限りません。半端に文鎮保存されていたクルマよりも、メンテナンスをされていた個体の方が元気に動きます。「10万キロまで慣らし運転」とは友人の弁ですが、走行距離を重ねている個体の方がメンテナンスされている率が高かったりするので、そう考えると選択肢の幅は広がるはずです。先輩には20万はおろか、50万キロなんてのもザラにいます。

・スタイリングで選ぶなら、好きな世代を選ぶべし
全塗装という手もありますが、特にこだわってほしいのは「ボディカラー」です。どうせならヤレていても「オリジナルコンディション」を楽しんだ方が、モデファイの方向性も決まりやすいです。人間と同じでクルマも「見た目9割」と考えて問題ありません。ロードスターはカラーの選択肢が山のようにあるので、選ぶだけでも楽しく愛着が湧くし、自分の個性にも繋がります。

・幌は消耗品、いつか交換する日が来る
幌の対候性はいくら世界一優秀でも、経年劣化によりひび割れや擦れが発生します。いざとなったらハードトップという選択肢もあるし、延命だけなら防水テープでもなんとかなりますが、長く乗るのであれば交換の予算だけは確保しておいたほうが幸せになれます。幌交換済みの個体だと、幸せになれますね・・・

・安全性を重視するなら、NC以降のロードスター
NAは問題外として、NBでやっと全車エアバッグが標準装備されますが、安全性を求めるならばNC以降です。「自分は事故らない」と思っていても、相手が突っ込んでくることもありますので・・・安全性を重視するなら、ABS、DSC、エアバッグ、ロールバーが装備されている、ワンランク以上の安心があるNCロードスター以降をお勧めします。

・錆はマツダも匙を投げる
基本的に頑丈なロードスターですが、NA/NBのリアフェンダーからロッカーパネルにかけての錆は、修正が大手術になります(ここが錆びていると、レストアプログラムに参加できません)。可能な範囲で、購入前に下回りからもクルマを観察することをお勧めします。

NBロードスターを勧めなかった理由

「NB押しではないんですね」と相手にいわれましたけれど「キャラクターラインが全て曲線」「5ナンバー最後のFRスポーツカー」「熟成されたNA由来のシャシー」「電子デバイス介入の少なさ」などのストーリー性に魅力を感じるならばアリだけど、万が一の際にはリスクが高いクルマであることをお伝えしました。

それを踏まえたうえで「それでもNBロードスターなんです!」という話ならば、乗れば幸せになれると伝えました。

今回のおすすめはNDロードスター「S」


その青年の「予算」と「走るステージ」を聞いたうえで個人的にお勧めしたのは、2018年以前までのNDロードスターのベースグレード「S」グのMTです。理由は以下の通り。

①「S」は日本専用のセッティング
グローバルカーであるロードスターのなかで、唯一日本市場向けにセッティングされたグレードが「S」です。ギンギンにサーキットを走るのではなく、街乗り中心で時々峠に行くくらいのノリであれば、余計なものがついていない「軽さ」という最大の性能を持っているベーシックグレードで十分です。また、海外のファンと交流する時のネタにもなります。

②余計なものがないネイティブなデザイン
グローバルデザインオブザイヤーを取得するくらい完成度の高いデザインに余計な装飾は不要です。正直、現行型に取り付けられたバックソナーは無いほうが美しいです。リアにソナーがつかないサーフェスなバンパーは2018年以前までになります。

③珠玉のスカイアクティブエンジン
国内仕様は「RS」「S-LP」「NR-A」とさまざまなグレードがありますが、基本的にどのグレードもパワーユニットの仕様は変わりません。グレードによるパワーの差が無いことも、ベーシックグレードがオススメな理由です。

何よりも重要なのは「戻ってくることが出来る」こと


ロードスターは家庭環境の変化などでリストラされるシーンがあってもおかしくない趣味車です。しかし、ロードスター乗りは一度降りても、出戻りになる確率が恐ろしく高いクルマです。

そこで、クルマを降りたあと10年、20年と経って「もう一度乗りたい」となっても、その時に市場に残っているのはNDロードスター(もしくは新車のロードスター)になると思います。20年後なんてNCですら売っているか怪しいですけれど、名車確定しているNDならば、何とか見つかりると予想されます。

なお、90年代のクルマを普通に受け入れられる強者であれば、普通にNAやNBをお勧めしていると思います。

正直、どんなクルマに乗っても「自分の愛車」が一番になるわけですから、好きなクルマに乗ってもらえれば満足できるのですけれど、質問してきた彼が、いつかロードスターのステアリングを握ってくれたら嬉しいと思います。

ぜんぜん余談ですが、私が仮に次のロードスターを選ぶとしたら、今ならばNC1です・・・

関連情報:

マーブルホワイトのNCロードスター

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