【備忘録】愛車物語2015

【備忘録】愛車物語2015

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2015年11月号(9月発売)のクルマ雑誌「Driver」のコーナー「愛車物語」に投稿が採用されました。折角なので、原稿の再録をさせて頂ければと思います!ところで、この文章を投稿したのが2015年の1月中旬・・・掲載まで約半年かかるんですね。

ちなみに掲載写真は投稿時に掲載されたものです。また、当時はNDロードスター発売前だったので、ロードスターのオーナーが増えればいいな・・・という思いを文章しました。

八重洲出版 Driver 2015年11月号 掲載
【愛車物語】マツダ・ロードスター
NB6C(NB3) Web−Tuned 平成15年式
○ → 近所のコンビニに出かけるだけでも運転が楽しい
× → 運転を理由に、いらん遠回り(徘徊)癖がついてしまう

東日本大震災で感じたこと


私がこのクルマを購入したのは2011年。記憶にも新しい東日本大震災が起きた年で、この出来事は多方面で影響を受けた方がいらっしゃるのではないでしょうか。私もその一人で、特にその時感じたのは「今を生きる」ことの大切さ。

私はかつて2台のロードスターを乗り継いでいたのですが、その当時は家庭環境の変化により、その愛車たちを手放していました。(当時)6歳と0歳の娘がいた私にとって、趣味クルマを復活させるのは彼女たちが大きくなってから・・・と考えていたのです。

しかし、いつ何が起こるかわからないことを震災によって身をもって実感した事と、心から惚れこんでいた2代目NBロードスターの程度のいい中古車に出会えるのは今しかないと判断し、購入に踏み切りました。

幸いにして、妻も私が「ロードスター資金」を貯めていた事を知っていたので、あっさりと了承してくれて助かりました。ただ、趣味のために家族を犠牲にするのは本末転倒なので、なるべくロードスターで出かけるときは子供達と一緒に!と自分への縛りを入れたりもしました。

久々のロードスターは

さて、納車完了し数年ぶりにコックピットに入り、車内の独特な”香り”を感じた瞬間(かつて乗っていた愛車と同じく革内装のグレードです)眠っていた記憶が少しずつよみがえり、イグニッションを回して独特のガサツなエンジン音が響いて興奮。すぐ幌を開けて走り出したら、車両感覚やステアリングフィールを身体で覚えていた自分にビックリ。久しぶりなのに久しぶりじゃない。走っているだけで笑顔になってしまう。

かつては、やれ馬力だトルクだチューニングだと騒いでいた若い頃もあったのですが、軽い車体でエンジンを使い切る走りがこんなに楽しいモノなのだということを実感し、やはりロードスターは五感に訴えてくれる!と感動したのでした。

また幸いなことに、かつてのロードスターパーツを実家にストックをしていたこともあり、補強パーツを始めセミバケットシートやオーディオユニット、インテリアパーツなど細々と”青春時代”を掘り起こすこともできました。特に嬉しかったのは、新卒時の初ボーナスで購入していたハードトップが復活できたこと。将来ロードスターに乗り継ぐことを見越して”黒・シボ加工”というレアなアイテムを選んでいたおかげもあり、違和感なく今回の愛車に装着することができました。昔の自分、偉い!

今更なんでNBロードスター?


周りにはよく「なんで不人気なNB(2代目)ロードスターを今更選んだの?」と聞かれることがあるのですが、それは私にとって最高の褒め言葉。生ける伝説の初代NAロードスターに比べ、NBロードスターが現役だった2000年代初頭はライバルのオープンカーが多く、固定ヘッドライトやドアノブが無個性と評価され、非常に国内では不人気だったことは記憶に深いです。

しかし“ライトウェイトスポーツ”思想を徹底したそのパッケージングと、ぬるりとした曲面構成で成立させている美しいエクステリアデザインに私は心底惚れ込んでいて、だからこそNBロードスターしかありえなかったのです。開発者の貴島さんが当時のインタビューで「賛否両論あれども走ってもらえれば全てが分かる」ということをおっしゃっていましたが、まさにその通り。だからいつも「言葉にできないくらいNBが好きなのです」と答えています。

ドキドキしながらミーティングへ


また、ロードスターを楽しむための新たなチャレンジとして、ミーティング参加も実行してみました。会場に着くまでドキドキが止まらなかったのですが、いざその場に望むと同じクルマ趣味、そして愛車がロードスターということもありその場のメンバーと意気投合。ふと周りを見渡すと、老若男女がロードスターをネタにして和気あいあいと交流していて、改めてこのクルマの間口の広さに驚きました。

歳の離れた、しかも昔から仲がいいような関係の友人と多く出逢えたことは、今更になってまさかこんな人生の広がり方があるのだと、いい意味でカルチャーショックを受けました。

ツーリングに誘われたことをきっかけに愛娘達を助手席に乗せて全国を走るようになると、そこで起きた出来事をもっと味わいたいと、カメラ趣味にまで手を出してしまいました!助手席のチャイルドシートに座っていた次女はいつの間にか0歳から3歳になり、ミーティング会場の友人たちが一緒に成長を喜んで見守ってくれるなんて、なかなか面白い光景です。

新たな仲間、NDロードスターもデビューします


そして、ついに今年2015年は新しい兄弟であるNDロードスターがデビューします。私も舞浜でのお披露目イベントに参加してきたのですが、その姿を見たときはロードスター・シリーズのDNAを感じ、クルマを見て感涙するという非常に貴重な体験をさせてもらいました。

私の夢は押し付けがましいかもしれませんが、娘たちが免許を取得したら、その助手席に乗せてもらうことです。その横でのんびり景色を楽しみたいと妄想していて・・・その時のクルマは勿論ロードスターをイメージしています。

そんな中、新世代へ向けたロードスターの”火”を絶やさないでいてくれたマツダの姿勢に感謝すると同時に、これからも新しい仲間と走る機会が更に増えていくことを心待ちにしています!

投稿自体は4月末のNDロードスター発表に併せて書いた文章なので、タイムラグのある文章ですが、この年は公私ともにいろいろイベントがありました。特に、体調を崩して入院していたことは、さまざまな人にご迷惑とをおかけしたことと、激励の声を頂き、人の温かさを実感しました。そういった意味でもホント、クルマ趣味で支えられた部分は大きいな・・・と思ったのでした。

ちなみに、原稿料として5000円分の図書券がいただけました!

関連情報→

NBロードスターの新車見積価格

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