フェラーリ・ローマの顔が凄い!

フェラーリ・ローマの顔が凄い!

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スポーツカー冬の時代、再び?

新型コロナウイルスを発端にした世界的な経済混乱のなか、さまざまな事業・プロジェクトの軌道修正が始まっているようです。リーマンショックや東日本大震災では、スポーツカーなどの趣味車はリストラの筆頭になり、冬の時代が訪れたことは記憶に新しいです。アフターコロナの世界はどうなるのでしょうか・・・

ただ、今回のコロナ騒動でトヨタの決算報告にてアナウンスされた内容は、シビれるものがありました。

前回のリーマンショック時の大きな反省点は、全てを止めてしまったことなんです。

会社というのはGoing Concern(持続的成長)なんです。そういう意味では止めてはいけないものは、やっぱり未来に対する開発費であり投資であり、それが普遍的にできるだけの手持ち現金を持たなくてはなりません。企業が持続的成長をする中で、世の中がもっと豊かになるのではないのかと思っております。

ですからこういう状況であっても必要な投資はいささかも変えることはございません。もちろん精査をして削るべきところは削ります。

執行役員 小林耕士氏

実際、2020年の春先は日本国内でも非常事態宣言の発令とともに「自粛ムード」になってしまいましたが、不要不急の行動を踏まえながらも経済活動を止めるわけにはいきません。

そのような中、華々しいモーターショーもことごとく中止・延期になりましたが、メーカーの意地なのか「新車のローンチ」は変わらず継続されました。そして王者フェラーリはやってくれました。4月1日に新型FRクーペ「ローマ」の国内発表があったのです。

2020 Ferrari Roma/フェラーリ ローマ


3.9リッターV8ターボエンジン620馬力!760N・mの鬼トルクを8速F1マチックで操舵する・・・って、スペックだけ読んでも「凄い」という感想しかなく、乗り味が全く想像つきません。でも、個人的に一番驚いたのはエクステリアです。

全体のフォルムが超カッコいいのは置いといて、一番の見どころはフロントフェイシア。カッコいい書き方をしましたが、要するに「顔」です。

その見どころは、途轍もなく「尖っている」フロントノーズ。さすがフェラーリ、やってくれました!

<プレスリリースより>

The sober, spare front of the car creates an overhanging shark nose effect. The wide front bonnet and sinuous wings flow into one another, in line with Ferrari’s traditional styling cues. The designers sought to preserve the minimalist elegance of the car’s forms by removing any vents or superfluous decorations; for instance, engine cooling is guaranteed by surfaces locally perforated only where strictly necessary, creating a new interpretation of the grille concept.

In addition, the car was designed without the Scuderia Ferrari side shields, reflecting the approach taken with the road cars of the 1950s. The two linear full LED headlights, which lend the front of the car a distinctive character, are traversed by a horizontal light strip that brings a sense of tension to the car, in a nod to the iconic Ferrari Monza SPs.

控え目に張り出したフロントは、サメの鼻のような効果を生み出します。幅広のフロントボンネットと曲がりくねった翼は、フェラーリの伝統的なスタイリングキューに沿って流れ込みます。設計者たちは、通気口や余分な装飾をすべて取り除くことで、車のフォルムで優雅さを表現しました。

たとえば、エンジンの冷却は、局所的に穴が開けられた表面によって担保され、新しいグリルの概念を生み出しました。さらにこの車は、1950年代のロードカーで採用されたアプローチとして、サイドシールドなしのスクーデリアフェラーリのように設計されました。

車のフロントに独特の特徴を与える2つのリニアフルLEDヘッドライトは、フェラーリモンツァSPに象徴されるものとして、車に緊張感をもたらす水平のライトストリップが横切っています。

かつてのスポーツカー・ノーズは


かつて、スポーツカーのフロントノーズといえば、分かりやすく「尖って」いました。先端を鋭角にすることで空気を切り裂くエアロダイナミクス効果、空を飛ぶ戦闘機の考え方と一緒ですね。

さらに、上記のシルエットはNA/NBロードスターですが、ノーズはクラッシャブルゾーンとしても機能していて、事故の際に「潰れる」ようになっています。もちろん鼻先は「ヨー慣性」も関係しますから、軽量化も徹底されています。

つまり、デザイン的にも機能的にもスポーツカーに適している「尖っているバンパー」は速いクルマのアイデンティティといっても過言ではありませんでした。


しかし、ロードスターではNC2の時代(2000年代後半)あたりから、「乗員」だけでなく「歩行者保護」の安全要件が厳しくなりました。これは上からNC1、NC2、NC3のシルエットですが、尖っているバンパーだと下に人を巻き込んでしまうので、NC2からバンパー前面はストンと落ち、面積を稼ぐようになりました。

NC3に至っては、バンパー下面にリップスポイラーを装着したことと、アクティブボンネットという歩行者を跳ね返す機構が装着されました。


なお、これは本来フルモデルチェンジ時(ND用)に装備される予定だったものが、日本の経済低迷により当時のND開発が凍結され、NCが延命されたことによる装備です。


なお、NDに至ってはいわずもがな。絶対に「人を巻き込まない」意思みたいなものを感じるシルエットです。

フェラーリ・ローマのシルエット


そこで「フェラーリ ローマ」をシルエットにしてみると・・・すごく「尖がって」います!

でも、シルエットにして分かったのですがリップ部分が突き出ていることと、ロードスターよりもノーズが長いのでボンネット面積が稼げ、ヒトを跳ね返すことが出来る・・・ということでしょうか。


なお、近年はスーパーカーでも表面積を稼ぐことが多かったのですが・・・


「フォードGT」あたりからけっこう尖ってきて、スラントノーズのスポーツカーが復活しつつあります。これは個人的に嬉しく思ってしまいます。


ただ、今回のフェラーリの「尖り方」は半端ありません。さすが王者の風格です!

なお、マラネロ(イタリア)の工場は3か月間操業停止していましたが、5月8日以降はフルオペレーションで稼働しています。世界的な景気後退がかすかに見える時だからこそ、スポーツカーのようにロマンあふれる存在は頑張ってほしいと思うのでした。

関連情報:

スポーツカーのフロントノーズ

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