NBロードスター前期型/後期型のざっくり見分け

NBロードスター前期型/後期型のざっくり見分け

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現在、市場に流通しているNBロードスターは中古車しかありません。さらに、オーナー車であれば何かしらかカスタマイズをしている可能性があるので、「見た目」が普通に見えても中身はノーマルではない個体がごまんと存在します。

そのようななか、NBロードスターにはざっくり前期型/後期型という差異があります。これは車検証、ボディカラー、エンジンルームにあるコーションプレート(車台番号)を確認できれば、ある程度の仕様まで判別する事が可能です。

なお、車台番号にあわせて前期型は「NB1」、後期型は「NB2以降」を指します。主な変更点はフェイスリフトと1800cc仕様パワーユニットの刷新です。後期型「NB2、3、4」と続いていきますが、前期からの変更と比較するとそんなに大きなはアップデートは行われていないので、前後ふたつの区切りで判断されることが多いです。

NBロードスター乗りであれば「NB1〜NB4(+7)」と世代で愛車を語ることが多いのですが、普通の感覚ではナニソレ状態でしょう。

ちなみに、コーションプレート(型式番号)でわかる見分け方は以下の通りです。


<型式>
NB6C → 排気量1600ccモデル(通称NB6)
NB8C → 排気量1800ccモデル(通称NB8)

<車台番号>
100,000~ → NB1
200,000~ → NB2
300,000~ → NB3
400,000~ → NB4
700,000~ → NB7(クーペ)

ややこしいのは排気量(NB6、NB8など2種類)で仕様を判断することと、製造時期による世代(NB1〜NB4)で呼ばれるところです。細かくなると、ターボ仕様(NB4)とクーペ(NB7:※2種類の排気量が存在する)は別格扱いになることが多く、単純計算で(2×4+3)で11種の区分けをすることができます。「NB7(クーペ)のNB6(1600cc)」とかいわれても呪文みたいで意味わかんないですよね。
参考→https://mx-5nb.com/2019/12/17/model-number2/

ごちゃごちゃ書きましたが、実はもっとシンプルに「見た目」(エクステリア/インテリア)だけでも、ある程度の判断をすることは可能です。特に限定車や世代によって採用されている【ボディカラー】が異なるので、そこで判断することも可能です。今回はさらに、間違い探しゲームのようなNBロードスターの世代を「見分ける」方法をお伝えするトピックです。

NBロードスターの前期型/後期型をエクステリアで見分ける


NBロードスターを見分けるにあたり一番わかりやすいのは「顔つき」、つまりフロントフェイスの違いです。実は前期/後期で変更されているフロント周りのパーツは「ヘッドライト」と「バンパー」のみ。つまりこれらを組み替えれば(加工は必要ですが)顔の変更も可能です。

ざっくりしたイメージでは、前期型はNAロードスター由来の【ハッピースマイルフェイス】、後期型はマツダ・ファイブポイントグリルを採用した【精悍な表情】になっています。

年式で区別すると、1998年~2000年6月までの生産車が前期型(NB1)、2000年7月以降の生産車が後期型(NB2以降)になります。

フロント回りで見分ける

【注目ポイントはふたつ】

①ヘッドライト形状の違い
②バンパー形状の違い(グリル・フォグ)


前期型のヘッドライトはNAロードスターのウインカーがモチーフになっており、それがそのまま単眼にリデザインされています。フロントグリルがオーバル(楕円形)であるのも、NAロードスターから引き継いだ意匠です。

まさにロードスターデザインの基本となる「ファン・フレンドリー・シンプル」を体現した、キュートで敵を作らないハッピースマイルフェイスといえるでしょう。なお、フォグランプユニットはディーラーオプション扱いで、バンパーに「穴」を空けて取り付けるのが正解です。


後期型のヘッドライトはプロジェクタータイプに変更されています。複眼(四眼)かつ若干薄い造形になっています。また、ライトの先端にむけて、バンパーへNBロードスター唯一となるシャープなキャラクターラインが入っています。そこからエッジの効いたファイブポイントグリルに繋がり、キリっと精悍な印象に変わっています。

前期型ではフォグランプ装着時に「穴」を空ける必要がありましたが、後期型では最初から開口してあり、フォグを付けない車体にはフィン形状になっているベゼルが取り付けられています。

細かいところではバンパー中央に配されているエンブレムマスコット(フライングM)も、後期型で一回り大きくなっています。これは、当時フォードが定めたマツダ・ブランド戦略のレギュレーションに沿ったものです。

テールランプで見分ける

【注目ポイントはひとつ】

ユニットのグラフィックを確認(特にウインカー)


リアビューではテールランプのデザインが変更されています。逆に、テールランプユニットの差しかありません。

前期型のユニットは、一目でロードスターであることが分かるように、特徴的だったNAロードスターのテールパターンをモチーフにリデザインが施されています。車幅をワイドに見せるため、ボディ外側にブレーキランプを配しているのがポイントです。


後期型ではマツダ・ブランド戦略(Zoom-Zoom世代)においてテールランプが「円形・クリア」というモチーフに統一されたことから、それに即したデザインに変更されています。したがって、同時期のマツダ車(デミオ、プレマシー、ファミリア等)と共通性を感じるものになっています。

具体的には「円」を組合わせたデザインパターンと共に、ウインカーランプもアンバーからクリアに変更されました(※バルブはアンバー指定)。なお、テールランプユニットの外径サイズは前期型と同一なので相互流用は可能ですが、配線が異なるので加工が必要になります。

NBロードスターの前期型/後期型をインテリアで見分ける

インテリアで見分ける

【注目ポイントは4つ】

①メーターパターン
②センターコンソール
③シート形状
④ドアパネル


①メーターパターンの違い
分かりやすいのはメーターパターンのグラフィック。前期型は黒ベースの緑照明、後期型は白ベースの赤照明になっています。


②センターコンソールで見分ける
前期型が手前から「灰皿」 → 「パワーウインドウスイッチ」 → 「コンソールボックス(中にカップホルダー)」という配置ですが、後期型は「パワーウインドウスイッチ」 → 「カップホルダー(灰皿兼用)ふたつ」 → 「コンソールボックス」の順番に変更されており、収納容量やサイズも異なります。一番わかりやすいのは、後期型のリトラクタブル・カップホルダーでしょう。なお、前期・後期とも無加工で相互流用が可能です。


③シート形状で見分ける
前期型はNAロードスターから意匠を引き継いでおり、ファブリック生地のパターンやVS内装のカラーコーディネートがNBロードスター専用に変更されています。なお、欧州仕様のヘッドレストは分割タイプになっています。

後期型の大きな特徴は、シート自体が完全に作り直されており、特に腰のサポートが強化されて、より深いバケット形状に変更されています。また、世界統一仕様となっており一体型になったヘッドレスト部分が高くなっています。


④ドアパネルで見分ける
ぱっと見たでは近しいイメージのドア内装のパネルも、よく見ると刷新されています。

前期型はサーフェス(なだらか)な造形で、ドアポケットのコインホルダーにフェルトが敷いてあったりと、NAロードスター時代から考えればはるかに質感が上がった造りになっています。

後期型ではダッシュボードから繋がるキャラクターラインが入ったことと、サイドエアバッグが格納される予定だった楕円のパネルが存在します。恩恵として、限定車やグレードの差異でカラーバリエーションが存在し、パーツ単位でパネルのみ購入も可能でした。

NBロードスターの排気量(1600cc/1800cc)を見分ける


トランスミッション形式で見分ける
NBロードスターは2種類のパワーユニットが提供されており、エンジンルームを空ければユニットの大きさで違いが一発でわかるのですが、それ以外にも見分けることが可能です。

一番わかりやすいのはトランスミッション形式。国内仕様では5MTが1600cc(NB6)、6MTが1800cc(NB8)になります。


メーターの指針で見分ける
メーターフードを確認することで、さらに精緻な判別が可能です。

1600cc(NB6)のスピードメーター/タコメーターの針は「8時スタート」。1800cc(NB8)は「6時(ゼロ指針)」スタートになっています。また、1800ccのMT仕様にはメーターパネル内に「6Speed」とマーキングされています。


なお、AT車はNB6、NB8ともに全てが「8時スタート」であることと、後期型NR-Aは1600cc(NB6)ですが「ゼロ指針」なのが若干ややこしいところです。(NR-Aのシャシー補強は後期RSと同一なので、イレギュラーとみていいかもしれません)

純正ホイールで見分ける

純正状態そのままのNBロードスターは少ないのであまり参考にならないかもしれませんが、NBロードスターは14インチホイールが基本になります。そのうえで、前期型NB8のRSグレードのみ「15インチホイール」を履いています。


また、後期型NB8のRSグレードは「16インチホイール&大径リアマッドガード」、ターボは「17インチホイール&フラップタイプマッドガード」が取り付けられています。


後期型NB6のNR-Aグレードは「ホワイト・15インチホイール」を履いているのも分かりやすい特徴です。なお、後期RSとNR-Aはブレーキのサイズアップを行っているので、残念ながら「純正14インチホイール」を履くことはできません。

重箱の隅、後期型(NB2〜NB4)の世代を見分ける

後期型の各世代(NB2~4)もある程度見分けることが可能です。メカ的な違いは多々あるのですが、一発で分かるポイントをいくつか記載していきます。


VSグレードの内装色が異なる

・NB1/NB2:タン/ナチュラルウッド
・NB3/NB4:ベージュ/ダークウッド

NB2は前期型(NB1)に即したタンカラーでコーディネートされているので、先に紹介したメーターパネル、センターコンソール、シート形状が後期型にアップデートされています。


NB3以降はVSグレードが2種類に分かれました。

「VSコンビネーションA」はブラック・クロス幌、ブラック内装、ブラックレザーシート、ナルディ本革巻きステアリング、アルミ調内装といった「走り」をイメージしつつも、より質感を高めた内装になっています。

NB3「VSコンビネーションB」は従来のVSグレードに即していますが、インテリアカラーが従来よりも明るいベージュに変更され、インテリアのウッドパーツもナルディ製ダークウッドに変更されています。また、ワンポイントでインナードアハンドルがメッキになっています。

NB4以降は基本NB3に準じますが、当時ナルディが経営破綻を起こしてしまい、ナルディ製だったウッドステアリングやシフトノブが国内同等OEM品へ変更されています。特徴的なのはステアリングで、ダークウッドの中央にベージュのラインが入っています。また、革シートには高質感のあるパイピング処理が施されています。


NB3の細かな違い(2002年7月~)
NB3以降は、メーターフードにガソリン警告灯が追加されています。また、Aピラーの内装が衝突安全のために厚くなっています。トランク開口状態でライセンスランプが常灯になるのも特徴です。細かいところでは車内ヒューズボックスにOBD2(汎用診断コネクタ)の接続部が装備されています。


NB4/NB7の細かな違い(2003年9月~)
NB4/NB7は特徴的なボディカラーで判別をつけることもできますが、一番解りやすいのは内装のセンターコンソールとデフロスター・リングまわりがアルミ調パーツ(艶消しシルバー)に換装されているところです。運転席側のサンバイザーを下ろすと「蓋付きのミラー」がついているのも、NB4/NB7独自の仕様です。


また、エアロボードがスピーカー内蔵タイプに変更されています。こちらBOSE対応/非対応と黒/ベージュという4種類のバリエーションが存在するレアなパーツですが、某オープションでは機能以上のプレミア価格になっているのが残念なところです。


さらに、NB4のRSグレード(NB8)における「純正16インチアルミホイール」も意匠変更されています。純正らしからぬ凝ったデザインになっているのが大きな特徴です。


以上、実生活では全く役に立たないトピックだったとおもいます。

でも、スポーツカーを型式で呼んだり、フェラーリやプジョーなどの車名を数字でいえるのがカッコいいのと一緒で、あえて通のフリをしてNBを呼ぶときに役に立つかと思われます。

もちろん、見分け方はほかにもあると思いますが、パッと判断する際のネタになれば幸いです。

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