まさかの再会、スプラッシュグリーン(NBロードスター)

まさかの再会、スプラッシュグリーン(NBロードスター)

この記事を読むのに必要な時間は約7分です。

同じロードスターはふたつとない


不肖私、ロードスターを新車購入したのは1回しかありません。それは平成14年式(2002年式)のマツダ・ロードスター、通称NB3・RSグレード(GH-NB8C)です。

当時は結婚前だったので趣味に自由にお金が使えたり、ハイオクガソリンがリッター100円と恐ろしく安い時代であり、地元の友人もクルマ好きが多くて、クルマにお金をかけることに躊躇しなくていい・・・という、クルマ好きとしては環境に恵まれていました。


ロードスターは本当に面白いクルマで、同じ個体はふたつとも存在しないといっても過言ではないくらい、オーナーがカスタマイズやモデファイを行います。私もNBロードスターの前には平成5年式の中古ユーノスロードスター(NA6CE)を所有しており、とても愛情を込めていました。

しかしメンテナンス不足からトラブルが多発し、ショックが抜けて左右で車高が違う、オートアンテナが連続で壊れて固定式に、パワーウインドウが駄目になって手巻き式へ、オイルは漏れている・・・なんて状態でした。


また、残念な運転技術から、峠で壁に突っ込んで脚がもげ、ジッパーを開かずに幌を展開してリアスクリーンを割り、悪路でアンダーカバーをボロボロにする・・・と、申し訳ない乗り方もしていました。

そんな荒い扱いを受けていたNAロードスターは、走行中はいつもどこか異音がある有様です。オープンカーに静寂生を求めるのは違うと思いますが、ボロいことは正直ストレスが蓄積されていきました。

しかし、ロードスターを自分色に染めていくことは、それ以上にとても楽しいものでした。

新車の「乗り味」に憧れて


今でこそオープンカーのベンチマークになったロードスターも、NB現役当時の国内販売はとても厳しい状況で、NBロードスターは販売されていることが奇跡だと思えるくらいの存在でした。インターネットが黎明期だったこともあり、後継車(NC)なんて存在すら想像できなかったほどです。

そのような状況のなか、たまたま余裕があったことからロードスターを新車で楽しんでみたいと思うようになりました。なぜなら新車の「乗り味」を経験できるのは今しかなく、10年、20年後に宝の経験になるはずです。そして何よりも、ロードスターをゼロからいじってみたい!そんな想いが日々募っていくようになったのです。


そんな折、マツダディーラーからNBがフェイスリフトにより【精悍な顔つき】に変わると情報が届きました(※NB2)。情報をもとに狙ったのは、可変バルブタイミングエンジンと6MTが楽しめるRSグレードの一択です。しかし、大きな問題がひとつ・・・それはボディーカラーの設定でした。

NB2には緑色がVSグレードにしか設定されず、特に「自分色」に染める上でボディカラーで後悔をしたくなかったので、緑のRSが登場するまで購入を見送ることにしました。WebTunedもスタートしていましたが、インターネットでクルマ購入するのも勇気が湧きません。そんなもたもたしていたら、2002年のマイナーチェンジ(NB3)にて、新色が追加されると再びディーラーから連絡がありました。

カタログにはスプラッシュグリーンという、それまで見たことのない緑色が掲載され、なおかつRSグレードも選択できるようです。条件が揃ったので、即決で購入しました。なお、国内生産第一号のスプラッシュグリーンNBロードスターだったようです。

夏の終わり、納車時の興奮は未だに忘れられません。失禁しそうなくらい興奮した経験は人生でそう何度もありませんが、遠目で朝日に輝くスプラッシュグリーンの車体にときめいた記憶は、今も鮮烈に残っています。


結局、様々な事情でそのロードスターは手放してしまったのですが、あの時にビシっとしたロードスターの乗り味を体験できたことは素晴らしい経験でした。事実、再びNBロードスターを手に入れることになるのですから。

実は今の愛車を探していた際、スプラッシュグリーンのNBロードスターを探したのですが、その時は縁がなく、見つけることが出来ませんでした。

まさかの再会、スプラッシュグリーン


そんな出来事から約10年後(2014年)、新しい相棒・ガーネットレッドのNBロードスターを駆る傍ら、友人から「埼玉某所にスプラッシュグリーンのNBがあるよ」という一報がありました。平成14年式、RSグレード、純正エアロ付き・・・どこかで聞いた仕様なので冷やかさない訳にはいきません。(※もちろん撮影許可を頂いてます)


懐かしのスプラッシュグリーンに再会しドアを開けると・・・内装を見て一発でピンときました。ルーバーの銀塗装、シートのアンコ抜き、社外シフトノブ、コンソール脇のシフトパターンシール。この流れは・・・とドキドキして、店員さんに車体番号を聞いたことで確定しました。その中古車は私が初代オーナーだったロードスターでした!


今の愛車があるにも関わらず、スプラッシュグリーンのNBロードスターは定期的に探していたのですが、まさか自分が購入したクルマと再会できるとは思わず、本気で驚きました!実は、本当に大好きなクルマだったので、せめて手元にパーツを・・・と、シフトノブを交換して手元においていたのと、(後述しますが)ある場所にメッセージを残していたほどです。しかし、流石にパーツを外してチェックするお願いは出来ませんでした。

ただ、廃車にならず生き残っていたことがとても嬉しく、これこそ趣味車であるロードスターならではの再会だったと思います。さらにこのあと、SNSで「このロードスターを購入しました」という新オーナーさんから連絡を頂く機会もありました。しかしタイミングが合わず、会うことはできませんでした。

可能であれば、お願いです・・・


そんな出来事からさらに6年後、中古車検索サイトを見ていて再び驚きました。

このスプラッシュグリーンの個体が、再び広島の業者さんで販売されていたのです。なぜ分かったのかというと、写真から判別できるモデファイポイントと、車台番号です。今はすでに新オーナーさんの手に渡っているようですが、その記録を確認すると、とても丁寧にメンテナンスがされていたようで、激レアなハードトップまで付いているようです・・・


実はこのクルマに残したメッセージとは、売却する時にどうしても想いが捨てきれず・・・メーターフードの後ろに手書きの言葉を残しているのでした。内容は恥ずかしいので秘密ですが、現愛車のメーターフードまわりをメンテする度に、それを思い出します・・・

もし、このスプラッシュグリーンに再び逢うことができたら、とても我儘なことを書いて恐縮ですが、メーターフード交換のお願いをさせていただければ・・・嬉しいです。

関連情報:

NBロードスターの新車見積価格

NBストーリーカテゴリの最新記事