ロードスターのメッキパーツを磨く

ロードスターのメッキパーツを磨く

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自動車にはワンポイントのアクセントとして、エンブレムやグリルなどのパーツはメッキで加飾されていることが多いです。

メッキは「金属被膜」をおこなう表面処理。実は、そこに目に見えない(ミクロン単位の)穴があり、汚れを放置していると水や埃が入り込んで、点錆が発生します。最悪な事態の「メッキ剝がれ」は、これが原因です。

そこで今回は、NBロードスターのメッキパーツメンテナンスを行います。

NBロードスターのメッキパーツ

ライトウェイトなクルマであっても、オーナメント(エンブレム)などは他マツダ車と合わせてデザインレギュレーションが合わせてあるので、気づけば色々な部分にメッキパーツがあることが分かります。

 
①エクステリア
フロント、リアに大小の「フライングM(マツダマーク)」、そしてリア右側には「MAZDA」エンブレム、左側には「Roadster(もしくはMiata/MX-5)の車名が配置されています。また、細かいところでは純正ホイールのセンターキャップに4つの「フライングM」が存在します。

 
また、ユーノスロードスターより引き継いでいるハードトップの取り付け部分「フックプレート」「フックスクリュー(ボルト)」もメッキ加飾されています。細かいところでは、アンテナ基部(手差しアンテナ含む)もメッキですね。

 
②インテリアパーツ
VSグレードを中心に「ドアハンドル」や、サイドブレーキの「ボタン」、シフトノブ「根本」、細かいところでは後期型一部グレードの「メーターリング」などにメッキパーツが使用されています。


③オプションパーツ
ロードスターには様々なモデファイパーツが存在します。有名どころでは「コーナーリフレクターリング」「サイドマーカーメッキカバー」あたりでしょうか。

珍しいところではサイドミラーに取り付ける「ドアミラーガーニッシュ」や、外部ドアハンドルに張り付ける「クロームアウターハンドルカバー」、まるっと交換する「フェルリッド」。さらに、ウルトラレアアイテムでは「ルームミラーカバー」が存在します。余談ですが、ミラーカバーはデミオのオプションも(同じ形なので)装着可能です。

参考→https://mx-5nb.com/2020/01/22/option-2/

メッキパーツを磨く

 
手軽に行えるもの
車内にあるインテリアパーツのメッキは、雨風にさらされることはないので、基本的に乾いたウエスで磨く(指紋を落とす)くらいで奇麗になります。

また、各種オーナメント(エンブレム)類も【樹脂パーツ】にメッキ加工しているおかげで対候性があり、汚れはふき取るレベルで十分に輝きを保ってくれます。問題なのは、その周りに発生する水垢です。

水垢自体クリーナーの泡を画材用の筆(100円ショップのもので十分)で撫でてあげることで、ある程度奇麗にすることは可能です。水垢以上に厄介なのは固着したワックスで、擦れば剥がれるのですが、丁寧にやらないとボディに傷が残ってしまうので、ワックスが除去できる専用クリーナーで洗うのがいいでしょう。

たまに気合を入れたいもの
金属にメッキ加工されているパーツも、洗車時などに奇麗にふき取っておくことが基本ですが、経年劣化によりくすみが発生してきます。特に雨風にさらされることで発生する点錆(ざらざらになってくる)は厄介で、定期的にクリーナーで磨いてあげたほうが良さそうです。

特に、ハードトップ(DHT)の取り付け部分になる「フックプレート」は、同時にトランクの雨漏り対策もできますので、取り外して磨いてあげましょう。

メッキパーツを取り外して磨く

 
フックプレートは2本のフックスクリュー(もしくはハードトップ用のフックボルト)で取り付けられています。取り外しは通常より太めの【3番】規格ドライバーでないと、ネジ山をなめるのでご注意。

汚れの蓄積で固着している場合もあるので、潤滑剤や力のかかりやすいT字ハンドル型ドライバーを使いましょう。ボルトの取り外しは焦らず、ゆっくりトルクをかけて・・・手元がずれてボディに傷が付いたら悲しいですからね。


フックプレートを取り外すと、その下にゴム製のガスケットがあるので一緒に外します。すると、長年蓄積された汚れが見えてきます。

 
私のハードトップフックボルトは固着していて、スタッドボルトがボディに残ってしまいました。ダブルナットを駆使して取り外すこともできますが、フックプレート自体は外せたので余計なリスクは負わないようにします・・・


私の愛車はフェルリッドもメッキパーツに変えてあるので、こちらも外しました。純正オプションなので、給油口の周りに3本のボルトネジでパチピタで取り付けてありました。


ケミカルで磨く前に、基本的な汚れを水洗いしたのち、よく水分を拭き取ります。


まずはみんな大好きピカールで磨いていったのですが・・・少し奇麗になったのですが、思ったよりも「くすみ」は取れませんでした。

 
そこで、カーショップでメッキ専用のクリーナーを購入してきました。これは、目の細かいコンパウンドと同じ要領で磨いていくのですが、汚れが結構な勢いで落ちて驚きました。流石専用品です。


折角なので、裏面も磨いていきます。余談ですが、メッキ・フェルリッド表面にある六角ボルトはダミーではなく、取付けステーに繋がるように作り込まれています。こういう細かい造りは嬉しくなりますね。

 
元に戻す前に、ガスケットとボディの汚れも落としておきます。ちなみに、この部分に亀裂があるとトランク雨漏りの原因になります。破損を見つけた際は、シリコンシーラントなどで対策を行った方がいいでしょう。

また、フックプレート裏面(ボディ後ろ側の穴)にもガスケットがありましたが、経年劣化でペチャンコになっていました。ここも雨漏り原因になるので、適当なスポンジシールを切り出して張り付けておきました。


もちろんフェルリッド内部も奇麗にしたあとに、パーツを取り付けていきました。


おまけ
「メッキ磨き」は、要は金属磨きのケミカル剤なので、ステンレス製のスカッフプレートも磨いておきました。恐ろしいくらい奇麗になるので、ついでにお勧めの作業です。

パーツ自体は小さくとも、その輝きから主張が激しいメッキパーツ。そのワンポイントが奇麗なだけでクルマが活き活きとしてきます。敷居も高くないので、お勧めの作業ですよ!

関連情報→

NBロードスター トランクの雨漏り対策

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