ロードスター、ブレーキ警告灯の配線補修

ロードスター、ブレーキ警告灯の配線補修

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ある日、ロードスターの運転中に何かが足りない違和感が。しばらく走っていて、メーターパネルにあるブレーキ警告灯が、サイドブレーキを引いても点灯していないことに、やっと気づきました。

このままでは保安基準不適合、つまり車検がクリアできない可能性があるので、対処を行います。

警告灯と車検の関係


ちなみに、2021年10月以降から自動車点検時にOBD(車載故障診断装置)検査により、クルマの状況を中央サーバのデータと照合することが義務付けられました・・・が、検査対象となる車両は2021年10月以降(輸入車は2022年10月以降)の新型乗用車になるそうなので、とりあえず現時点のロードスターには関係なさそうですね。

しかし、近年は保安基準「検査」自体が特に厳しめになっています。特にメーターパネルに掲示されている警告灯が「機能していない」と判断されれば、車検をクリアすることは絶対に不可能です。

ちなみに、警告灯の配色には以下の国際規格(ISO)があります。

・赤色=危険
・黄色=注意
・緑色=安全

特に、赤色の警告灯(ブレーキ、シートベルト、エアバッグなど)に不備があると判断されると、一発で車検はアウトです。

検査方法自体は(検査官によって多少の違いはあるようですが)「①エンジン始動時にすべての警告灯が点灯するか」「②数秒後に警告灯が消えるか」を確認します。つまり、昔のように「バルブを抜いて警告灯を点灯させない」行為は、それ自体アウトです。

ちなみに、一般的なブレーキ警告灯はサイドブレーキの稼働状態だけでなく、ブレーキフルード不足やABS異常でも点灯(常灯)するようになっています。

今回、私のロードスターはエンジン始動時にブレーキ警告灯が点灯→消灯するので機能自体は生きているようです。ただ、サイドブレーキを引いても反応しないことから配線(スイッチ)あたりが怪しそうでした。

サイドブレーキまわりを分解し、原因を探す


まずは、サイドブレーキをフリーにするため輪留めを置いて、クルマを固定します。


サイドブレーキのブーツ、助手席をはずして作業性を高めます。こういう時、ロードスターは「いじること」が前提のシンプルな造りになっているので便利だなぁと実感できますね。


NBロードスターはサイドブレーキ周りのカーペットがステープラー(ホッチキス)のようなもので止まっていたので、気を付けて取り外していきます。もちろん針は再使用できないし、危険なのでゴミ箱へ。サイドブレーキ本体の根元にあるプラスチック製のカバーを外してありますが、結果的にはそのままでも作業は可能でした。


サイドブレーキの「根本」が見えてきたら、3本のボルトを外せばユニットがフリーになります。ただ、この段階になるとワイヤーのテンションが効かなくなるので(ブレーキがかかっていない状態)要注意です。なお、この状態まで持っていかないと、ブレーキ警告灯のコードが確認できませんでした。


この状態でユニットを確認すると、サイドブレーキのスイッチに繋がるコードの断線を確認することができました。これがランプが点灯しない原因でしょう。

配線を修復する


スイッチ交換(GJ21-66-450A:パーキングランプ スイッチ)が必要かな?と構造を確認すると、このパーツには問題がなさそうです。よくよく断線トラブルを追っていくと、スイッチ取り付け部分の先端が断線していました。


そこで、コードの根元を辿るためセンターコンソールを取り外していくと・・・線はパワーウインドウスイッチと同じ束にまとめられていました。ブレーキユニットまでのコードの長さには、あまり余裕が無いようです。

断線した原因を類推すると銅線の経年劣化だけでなく、センターコンソールの付け外しをした際に「コードの束」を引いてしまったことが原因のひとつっぽいです。ちなみに切れた銅線は、見た目で分かるくらい痩せていました。


そこで、適当なコードと電工ペンチセット入っていた備品で配線を作り直すことにしました。


スイッチ側は平型端子(金色の250型)の口を広げればジャストサイズ。車体側のコードは110型の平型端子で延長し、接続することにしました。

原状復帰とプチメンテナンス


あとはブレーキを元の位置に組み直していくのですが、この作業が一番しんどかったです・・・まずは、フリーになっているサイドブレーキ根本の右上にあるボルトを仮止めします。


ここからブレーキワイヤーのテンションがかかるので、ユニットのボルト穴を合わせるのに知恵が必要です。

私の場合は、左上のボルト穴へドライバーを突っ込んで「てこの原理」で穴を合わせ、左下のボルトを締めていきました。2ヵ所締めることができれば、あとは何とかなります。(ワイヤー調整の箇所をいじるのは怖くてできませんでした)


また、ユニット取り外しの際にボディの防錆塗装が剥げてしまったので、シャシーコートを吹いて補修しておきました。


カーペット部分を止めていた針は捨ててしまったので、100円ショップで購入したファスナーテープで固定します。


ついでに、汚れていたダークウッド・ナルディのブレーキノブを、ヘッドライトクリーナー(微粒子コンパウンド)で磨きました。(面白いようにピカピカになっていきました)


その後、エンジンに火を入れてサイドブレーキを引くと、メーターパネルの警告灯は無事復活できました!

試乗がてら近所を散策しましたが、ランプひとつ点灯するだけでも馬力が上がった気がします。経年劣化で少しずつヤレていく愛車ですが、それを試行錯誤して直すのも楽しい、ロードスターマスターへの道のりは、まだまだありそうです・・・

関連情報→

ロードスター、サイドブレーキ位置の真実

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