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ハロゲンランプの特徴
NBロードスターの灯火類(ヘッドライトやテールライトなど)は80年代から続く、古き良き歴史のあるハロゲンランプが採用されています。
余談ですが、クルマのランプを「バルブ」と呼ぶのは、点灯する電球が「筒」の形状になっていることに由来します。性能向上のために内部には、不活性ガス(窒素やアルゴン等)とハロゲンガス(ヨウ素、臭素等)が微量注入されている、超技術で出来ているんですね。
そんなハロゲンランプには残念ながら「寿命」があります。長くても約1000時間(約3年)といわれる耐用限界を超えるとフィラメントが切れて、機能(点灯)しなくなってしまうのです。
そうなると交換の手間が発生しますが、ランプ自体は共通規格になっていることで、量産効果による低コストと(ホームセンターなど)近所でも手軽に部品が入手できるという、大きなメリットになっています。
現時点では近年のクルマに使用されている、ハロゲンの代替品になるHIDやLEDのランプがいかに優れているとしても、「安くて簡単に手に入る」点で、ハロゲンランプに一日の長があるのは間違いありません。
むしろ、優しく灯る光の「味」は再注目されていて、マツダは鼓動(魂動)ウインカーとしてLEDでエミュレーションしているほどです。個人的には、それならば「素直にハロゲン使えばいいじゃん」と思いますけどね・・・
NBロードスターの電球適合表
NBロードスターの灯火類は、前期(NB1)と後期(NB2以降)で同じ適合になるものもありますが、ヘッドライトとテールライトで若干仕様が異なります。
前期型の特徴は、ヘッドライトのバルブがロービーム/ハイビーム兼用になっていること、フォグランプがショップオプション扱いだったので適合表に記載されていません。なお、純正ショップオプションであればCIBIEのクリアがビルトインされており、後期型と同じく【H1/12V55W】になるはずです。
フェイスリフトを行った後期型では、ヘッドライトのバルブが各ビームに分かれたことと、前後ウインカーにアンバー(橙)球が採用されています。これは、当時「ファイブポイントグリル」を統一テーマにしていたマツダ車のレギュレーションのひとつで、ランプ類をなるべくクリア(透明)にした影響です。
また、ちょっとややこしいのが、NB3でフォグランプの規格がロービームと同じ【HB4】へ強化され、さらにNB4/NB7では生産時期によってロービームが【H7】、フォグランプが【H11】に変更されています。これ、実はロードスターだけでなくデミオなどの基幹車種が全て変更になっているので、一括導入によるコスト効果の影響だったりします。
つまり、NB3以降はバルブ交換時に適合を間違えないようにする必要があります。ぶっちゃけ、取り外したランプと形状を見比べるのが早いし安全です。
電球適合表 | NB前期 | NB後期 | |||
期間 | H10.1~H12.6 | H12.7~H17.7 | |||
場所 | 形状 | 定格 | 形状 | 定格 | |
ヘッドライト | ロービーム(※1) | H4 | 12V60/55W | 9006(HB4) | 12V51W(55W) |
ハイビーム | 9005(HB3) | 12V60W(65W) | |||
フォグランプ(※2) | H1 | 12V55W | |||
ポジション | T10 | 12V5W | ← | ||
ウインカー | フロント | S25シングル | 12V21W | S25ピン角違い | 12V21Wアンバー |
サイド | T10 | 12V5W | ← | ||
リア | T20シングル | 12V21W | T20ピンチ部違い | 12V21Wアンバー | |
ブレーキ | テール&ストップ | T20ダブル | 12V21/5W | ← | |
ハイマウントストップ | S25シングル | 12V21W | |||
バック | T20シングル | 12V21W | |||
ライセンス(ナンバー灯) | T10 | 12V5W | |||
ルーム | T10×31 | 12V8W |
※特殊形状 | 期間 | 形状 | 定格 | |
※1 ロービーム | NB4 | H16.9~H17.7 | H7 | 12V55W |
※2 フォグランプ(納車時期により違いあり) | NB3 | H14.7~H16.8 | 9006(HB4) | 12V51W(55W) |
NB4 | H16.9~H17.7 | H11 | 12V55W |
ヘッドライトバルブの交換
リトラクタブルヘッドライトだったNAロードスターのシールドビームも交換は用意でしたが、NBロードスターもメンテナンス性は負けていません。前期型も後期型もヘッドライト裏のクリアランスは十分に取られているので、交換作業自体はものの数分で可能です。
また、アフターパーツのLEDヘッドランプも装着することは可能です。ただ、冷却ファンの形状によっては加工が必要な場合もありますので、そこはお気を付けください。
ただ、ロービームのLED化は、直進性のある光なので雨の日に光が拡散しない印象で危険に感じて、結局ハロゲンバルブに戻してしまいました。また、車検適合といっても検査官によっては「NG」とされることもあるようなので、純正バルブはストックしていて損になることはないでしょう。
フォグランプバルブの交換
フォグランプへのアクセスはフロントバンパー裏にあるカバーの隙間から行います(整備書にもそう記載されています)。
タイヤを片側に切れば、無理にアクセスすることは可能ですが、素直にタイヤを外した方が安全です。
カバーについているリベットはプラスドライバーで回した後引き抜くタイプですが、経年劣化と固着で差込部分をなめてしまうことがあります(私です・・・へたくそ!)。そこで、カーショップなどで手に入る日産用のリベットがぴったり合いますので、そちらに変えておきました。
カバーをめくるとフォグランプに容易にアクセスできますので、これで交換作業を行えるはずです。
なお、私の愛車はNB3ですが、フォグランプのバルブはシビエ製の「H1(NB2)」が装着されていました。納車時期、もしくはフォグ装着時期によってバルブは違う可能性があるので、交換前に一度確認されることをお勧めします。(※フォグへ繋げるケーブルのカプラー元が「HB4」でそこから変換ケーブルが繋がっていたので、バルブ自体はH1だった)
余談ですが、右側だけはサービスホールがあるので、慣れていればジャッキアップして手を入れて交換することも可能です・・・が、なぜか左側にはサービスホールがありません。両方あったら便利なんですけれどね・・・
サイドウインカーバルブの交換
フェンダーに取り付けられている「丸い」サイドウインカーの交換に、特別必要な工具はありません。
ウインカー自体は爪で止まっているだけなので、全体を運転席側にずらして引き抜くと、スポっと外れてくれます。隙間にマイナスドライバーや内装外しを差し込もうとすると、ボディを傷つけてしまうので要注意です!(この写真の場合だと、左にずらして引き抜いています※イラストと逆)
余談ですが、このウインカーはNA~NCまで共通意匠になってることは有名ですが、AZ-1や2代目キャロルなどマツダの軽自動車にも使われていました。珍しいところでは、フォード・フェスティバのエボリューションモデル「GT-A」にも採用されています。
リア周りのバルブ交換
ハイマウントストップランプは、トランクを開けて裏から覗くと容易にバルブへアクセスが可能です。ただ、周りはエッジが立っているので、甘く見てると手を切りますので要注意です。
なお、経年劣化で絶対に破損するライセンスランプの交換は、こちらをご参考ください。
→ライセンス/トランクランプLED化/
テールランプへのアクセスは、少しだけ工具の出番になります。
まずはトランク内の内装・・・後ろ側にある大きなパーツを取り外します。止まっているピンは内装剥がしでサクッと取れてくれるはずです。しかし、乱暴に扱うとトランクから出すときにボディに傷をつけてしまうので要注意です。
テールランプユニットは、ふたつのナットと上部にあるビスで止まっています。これらを外し、ユニットを手前に引くとバコっとランプが外れてくれるのですが・・・無理に引っ張るとケーブルが破損してしまうので、テールランプの下に雑巾など敷物をした方が安全です。
すると、バルブにアクセスできるようになるので落ち着いて交換していきましょう。なお、可能であれば切れたバルブは左右同時に交換することをお勧めします。
ルームランプバルブの交換
NBロードスターにはAピラー中央にルームランプ(マップランプ)が付いています。
カバーの取り外しは簡単で、右端をマイナスドライバーで押しながら手前に引き抜くだけです。よく見ると切り欠きがあるので、慎重に作業を行いましょう。すると、ソケットに挟まるバルブが見えてくるので、引き抜いて交換するのみです。
余談ですが、カバーの裏に虫の死骸がありました・・・
参考リンク→