NBロードスター モデファイ道

NBロードスター モデファイ道

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新車時はさておき、極端な話「誰ひとつ同じ仕様がない」といっても過言ではないのが、クルマ趣味の面白いところ。

特に、アフターパーツの多いロードスターでは純正志向に見えても、それ自体がオーナーの「こだわり」だったりします。もちろんド派手なドレスアップもあれば、サーキット仕様、オフロード仕様、ときにはキャンプ仕様なんてのもあって、ミーティングイベントではさまざまな姿を見かけることができます。

まさにオーナーのアイデンティティというか、スピリット(哲学)って見ていて楽しいですよね。

そのようななか、私の愛車もお迎えをして10年が経ちましたので、僭越ながら変遷を振り返りたいと思います。ぶっちゃけ単なるノーマルチックなNBロードスターではありますが、本人はこんなところに「こだわり」があった・・・という備忘録です。なお、私のクルマはNR-Aベースなので、基本的にメカはコンディション重視。今回は「見た目」の変遷をご紹介します。

納車直後(フルノーマル)


【コンセプト】
超珍しい「普通」のロードスター

・1600ccVS内装
・Webtunedステッカー
・グリルメッシュ
・黒クロス幌

私のNBロードスターは後期型の1600cc(NB6C)。当然このクルマを買う前にNA/NBロードスターを吟味したのですが、いちばんの選考基準は「ボディカラー」で、そこに「マニュアルトランスミッション」「なるべくNB後期型」くらいの条件でした。

ちなみに、現在の愛車「ガーネットレッドマイカ(NB3)」以外の検討対象は「サンバーストイエロー(NA)」「ネオグリーン(NA)」「シャストホワイト(NB1)」「クリスタルブルーメタリック(NB2)」「チタニウムグレーメタリックⅡ(NB4)」でした。

いちばん欲しかったのは、かつて乗っていた「スプラッシュグリーンマイカ(NB3)」だったのですが、当時は中古車が全く無くて・・・後年、まさかの自分が買ったクルマと再会するのは別の話になりますが、偶然見つけたNB3ロードスターの兄弟色「ガーネットレッドマイカ」は一目ぼれの選択でした。


決定打となったのは、メカが1600ccNR-Aグレードベースで、インテリアがVSコンビネーションBという、NBロードスターを知らなければ絶対に分からないであろう衝撃的にマニアックな仕様だったので、現物を見ずにネット経由で愛知から埼玉へ運んでもらいました。

お迎えしたNBロードスターはフルノーマルですが、Web-tunedによるオプション全部入りの豪華仕様。純正ホイールはスタッドレスタイヤを履いていたので納車即日タイヤ交換をする羽目になりましたが、しばらくは全く手を付けないフルノーマルで乗っていました。NBロードスター乗り以外には感動が全く伝わらないのがツボだったのです。


ちなみにVSコンビネーションB内装でブラック・クロス幌(コードNC4内装)は日本で1台しか存在しません。また、純正グリルメッシュを付けている私の愛車以外のNBロードスターに会ったことはありません。これら、めっちゃ自慢したいところですが、誰もそんな事気にしないし知りませんよね・・・

参考→https://mx-5nb.com/2019/11/29/webtuned/

NA時代のストックパーツを付ける


【コンセプト】
過去の遺産を活かす、勿体ないの精神

・セミバケットシート
・ファッションバー&ブレースバー
・キャリパー塗装
・メッキ加飾
・NR-A用牽引フック

私はもともとNA/NBロードスターに乗っていたこともあり、実家には様々なパーツがストックされていました。ただし、過去におけるモデファイはあまり深く考えてなく・・・とりあえず勿体ないから付けてみようくらいの感覚です。


自分的に一番えらいと思っているのは、セミバケットシートを残していたこと。VS内装(ベージュ)に赤いシートはギャップを感じる人もいると思いますが、私の世代はシートのみ変更してコンペティション感を演出するのが流行りだったのです・・・実際、身体が固定されるとクルマの挙動を捉えやすくなるので、見た目と共に一石二鳥。いまだお気に入りです。


さらに、NR-A仕様ということで前後の牽引フックを取り付け、更にブレーキキャリパーを赤く塗装してレーシー成分を演出しています。また、ボディに穴をあけてロールバーをがっつり入れるのが嫌だったので、NBロードスター純正オプションのファッションバーや、サイドマーカーリング、メッキリフレクターなどのメッキ成分を増やしています。

しかし、メッキ成分をくどく感じてしまい、マーカーリングとリフレクターはすぐノーマルに戻してしまいました。

参考→https://mx-5nb.com/2020/07/13/seat-exchange/

マツダスピード・フォロワー


【コンセプト】
マツダスピードロードスター(エンスージアスティック)仕様

・メッキ加飾の排除
・16インチホイール
・NBロードスター後期純正エアロパーツ
・固定アンテナ化

時には愛車をドレスアップしたくなるもの。ただ、デザイン相性やそもそものフィッティングがイマイチだとトータルバランスは崩れてしまいます。そこで狙っていきたいのが純正エアロパーツ。

特にNBロードスターでは「マツダスピードロードスター」として限定車が発売されていたこともあり、いわゆるマツダスピードルックにすることが可能です。


実は、以前乗っていたスプラッシュグリーンのNBロードスターにもフロントとサイドにパーツを付けていたこともあり、実家の物置に残っているフロントスポイラーをいつか塗装しようと思っていたら・・・まさかの某オークションでガーネットレッドの「フロント」「サイド」「リア(マッドフラップ)」後に「ウイング付きトランク」が出品されており、全力で落札しました。

さらに、友人が純正15インチと純正16インチのホイールを「交換しない?」と提案してくれたので、これ幸いと個人的に世界で一番カッコいいと思っているNBロードスター純正16インチホイールを手に入れることができました。


倉庫で眠らせていたアイガーニッシュも自塗装して装着するとあら不思議・・・ガーネットレッドのマツダスピードロードスター(ルック)の誕生です。オモチャ感を出すために、ハズシ技としてNAロードスターの固定アンテナを移植しているのもポイントです。

この仕様の優秀なところは、車高を下げなくてもそれなりに低く見えること。ただし、スロープでリップはガリっと擦るのでご注意。

参考→https://mx-5nb.com/2020/04/22/aero-parts-installed1/

ハードトップ・コーディネート


【コンセプト】
ハードトップに合わせた腰上のコーディネート

・ハードトップ(純正黒シボ加工)
・Aピラー&ミラー 黒化
・マーカーレンズ等 クリア化
・15インチNR-A用ホイール

今ではすっかり慣れてしまいましたが、私のハードトップはNAロードスター時代に購入した黒シボ加工になっています。これは幌から換装した際に違和感がないだろうという意図がありましたが、どうも収まりが悪い。

そこで他オープンカーを研究してみると、サンバーストイエローの「NAロードスターJリミテッド」や「ホンダビート」「S2000前期型」「MG-F」などで、腰高間を解消するためにAピラーを黒くしているテクニックに気づきました。


そうなると試したくなるもので・・・Aピラーをラッピングシートで、サイドミラーをラバー塗装で黒くして・・・と、ハードトップと一体感が出るような車体色の調整を行いました。さらに、どうも余計な「色」があることに気づき、チカチカしないようにサイドマーカーとウインカーをクリアタイプに変更しています。


また、マツダスピードルックであるとはいえ1800ccエンジンではない偽物なので内心恥ずかしくて、それでもNR-Aを主張しようとNR-A用の純正15インチで「1600ccですよ」とアピールすることにしました。ちなみに、この頃から自宅駐車時にボディカバーをかけるようになり、固定アンテナを自動アンテナへ戻しています。

参考→https://mx-5nb.com/2020/02/11/apillar-black/

ノーマルルックへ


【コンセプト】
プレーンでシンプルなデザインをしゃっぶりつくす

・幌を純正ベージュへ交換
・純正15インチホイール
・各種エアロパーツ取り外し
・フロントマッドフラップ
・「MiataMX-5」エンブレム

幌が劣化してきた矢先、たまたま某オークションで「ベージュの純正クロス幌」で程度の良い個体が幌骨ごと出品されたことを受け、DIYで換装をしました。

すると・・・ハードトップ・コーディネートのために黒くしたAピラーが明るい幌に反して主張するようになったことと、デザイン公表されたばかりのNDロードスター(当時)が、まさかのピラー&ミラーを黒くしてきて「マネしている」と思われるのが癪になって、ピラーとミラーを純正色に戻しました。


時を同じくして(安いボディカバーの影響で)ボンネットに塗装劣化が起きてしまい、再塗装を行うために全てのエアロパーツを外すことにしました。すると、どうでしょう・・・再び戻ってきたシンプルなNBロードスターの姿に、今更うっとりすることになりました。

同時に、経年劣化によるメカの予防整備等をおこなうことによって、クルマ自体の設計思想や哲学に触れる機会が増えていき「ここまで考えられているんだ!」と学ぶ機会が増えていきました。

そうなると、よりオリジナルルックに戻しなくなるもので・・・純正15インチホイールを買い戻し、さらにレアアイテムな純正フロントマッドガードを取り付けてと、極力ノーマルルックでシンプルなNBロードスターに戻す方向で調整をかけていきました。つまり「素うどん状態の良さ」を味わいたくなったのです。


クルマを構成する色を「赤・銀・黒・ベージュ」と4色でデザイン成立するまで絞り込んでいったなか、シンプルななかに少しだけ華やかさが欲しくなって、花柄デザインのナンバープレートに交換もしました。デザインナンバーを付けるロードスターは稀に見かけますが、花柄を付けているNBロードスターは少ないのではないでしょうか。

これは「珍しさ」による盗難防止対策とともに、「見られているかもしれない」という、自身の安全運転を保つためという意味合いも込めています。またクルマが可愛くなってしまった・・・

参考→https://mx-5nb.com/2022/07/25/front-mudflap/

クルマ趣味は様々な楽しみ方がありますが、たまたま行き着いたノーマルルック。じっくり練られたデザインは20年超過しても色あせることは無く、むしろ「味」さえ感じてしまいます。もちろん、これが正解ではありません。オーナごとに持つこだわりが、特に趣味車であるスポーツカーには現れると思うのです。

皆さんの愛車には、どんなこだわりがありますか?

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