ロードスターのシート交換

ロードスターのシート交換

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チューニングは改造することではない


自動車、とりわけスポーツカーといえば本来持つ潜在能力を試してみたくなるもの。そんなモデファイをおこなう行為をチューニングといいます。

音楽用語にも使われるチューニングとは、本来「調律」を意味する言葉であり、チューニングカーがイコール改造車という訳ではありません。あくまで「現状のクルマを自分好みの状態にすること」が、立派なチューニングなのです。

特に、クルマの快適性を損なわず「乗りやすい速さ」を求めるストリート系チューン(ライトチューン)は現在の主流であり、ドレスアップを兼ねたクルマ趣味を楽しむエッセンスとなっています。

そんな自動車チューニングですが、吸排気系をいじってパワーと音を楽しんだり、足回りの交換でハンドリングと車高を調整したりと、数多のメニューが存在します。


何から始めればいいのか・・・なんてルールはないですが、ハンドリングマシンのロードスターにおいて個人的に一番わかりやすいと思うのは座席・・・シートの調整です。

純正シートでもポジションを合わせるだけで全く違いますが、さらに身体が固定されるだけで、わかりやすくハンドリングの感覚が向上するといっても過言ではありません。

実は、ロードスターはNCから驚くくらい純正シートの質が上がりましたが、NA/NBロードスターはグローバルサイズで調整されているので、日本人の体形では合わない方も多いはず。長時間のドライブで腰痛になる方は、座面が滑ることで腰に余計な力(=負担)がかかっているのです。

今回は、それならば調整しようというトピックです。

お金をかけずにシート調整をおこなう


社外シートは高い・純正のデザインが好み、それも全く正しい考え方です。


そこでオススメしたいのが、シートの「アンコぬき」です。

これはタイ焼きの中身(あん)を抜くがごとく、シート内のウレタンスポンジを調整する、旧車では定番のモデファイです。幸いにしてロードスターの純正シートはバケット形状なので、座面のウレタンを削るだけでもホールド性はかなり向上します。

手順は、シートを外して逆さにするとカバーを止めるリベットが見えるはず。それを外して中のクッションをカッターで削っていくだけです。なお、腰の部分は低反発クッションを足した方が快適になりました。


ボルトオンが可能な純正シートはオークションでも比較的安価にでているので、特にサイドサポート面積が増えたNB後期型シートでの調整がオススメです。

社外シートを選択する前に気をつけたいこと


レカロ、スパルコ、ブリッドなど、シート専門のブランド品はやはり別格です。ただ、ブランド品に限らずネット検索をかければいくらでも自動車用シートは発見できるはず。しかし気をつけたいのが保安基準(=車検)の適合品かどうかです。

有名メーカーのシートとシートレールなら「保安基準適合」の証明書が添付されてきますが、格安モデルや中古購入する際は、そのチェックを怠ると様々な意味でリスクが高まります。これが証明できない場合、車検が通らないばかりか、場合によっては故障時にショップによっては入庫拒否されてしまうのです。

また、社外シートは「フルバケットシート」と「セミバケットシート」の2種類が存在します。その違いは以下の通りです。

フルバケットシート
座面とシートバックが一体成型されていているタイプです。肩や膝のホールド性が高いことと、軽量なのが特徴で、レースなどにも使用されます。

セミバケットシート
シートバックのリクライニング機構を備えているタイプです。フルバケットシートほどホールド性は高くありませんが微調整ができるなど、ある程度の快適性も保持されます。

社外シートをクルマに取り付けるにはシートレールが必要です。こちらも前後調整ができるタイプから、ボルト固定タイプまで様々ですが、こちらにも保安基準が存在します。自作ステーで強引に取り付けることもできますが、命に関わるのでオススメできない行為です。

ただ、どちらがいいかといえば一長一短です。これらは自身のスタイルに合わせて選択することが大切です。

社外シートは長く使える


自身の使用用途・乗り方を検討した結果、私はセミバケットシートを選択することにしました。季節や気分によって純正シートでもノッチ調整をしたり、いざという時に座面が倒れた方が休憩しやすいからです。(ロードスターだからフラットにはできないけれど・・・)

また、保安基準適合の観点からも、ロードスターの純正シートレールを流用できるミューレン・ブランドの「3DネットシートRS」というシートを愛用しています。実は、このシートを購入したのは昔乗っていたロードスター時代でした。2003年の購入から、のべ17年間愛用している逸品です。


特徴は、マツダのティアワン(メーカーに直接納入する一次サプライヤー)であるデルタ工業が開発したロードスター専用のシートであることと、三次元立体編物(3D-NET)というポリエステルの糸を立体的に編んだ構造体により、ハンモックのように身体を支えながら通気性や保温性も担保し、なおかつ身体を固定しながら座面も下げてくれます。

なお、RX-8は純正でこのネットシートを採用したかったそうですがコストの関係で断念され・・・メーカーの純正採用はフェアレディZロードスター(350Z)に純正オプションが初となりました。その後、先代デミオや現行NDロードスターでも採用され、さらに近年はブリッドとコラボをおこなうなど、メジャーな存在になりつつあり、非常に嬉しく思っています。


購入当時は自分の身体には若干大きいかな・・・と思っていたのですが、慣らしが終わった頃には身体の一部になってしまって、このフィット感は手放すことが出来ません。


実は、ロードスターを降りた後でもこのシートだけは手放せず、シートレールをメーカーにワンオフ製作していただき、RX-8にも装着をしていました。現ロードスターに戻ってきた際に、捲土重来の如く真っ先に装着しました。

さらに、ニーパッドを自作する


ご周知のとおり、マニュアル車を運転では両足を駆使します。バケットシートで腰は固定されますが、私の体形だと左足(クラッチ)が外に行くのがストレスで、ここで踏ん張りがきくと走りやすくなると感じました。しかし、汎用ニーパットは意外に高く、自作することにしました。


用意するのはマジックテープ、革風小物入れ、ウレタンマットと、100円ショップでそろいます。愛車のVS内装に合わせるために、茶系で製作をすることにします。


ウレタンマットを切削し、小物入れに詰めていきます。細い葉切れも調整用に取っておきましょう。収縮性があるウレタンなので、小物入れのチャックもきちんと閉まります。


それを愛車にて原物合わせで固さを調整し、マジックテープで貼り付けました。試走してみると、なぜ今までやらなかったのかと思うくらい、恐ろしくしっくりきました。見た目はアレですが、脚が遊んでしまう方はオススメします。

バケットシートを補修する


愛用しているネットシートも、17年も経てば経年劣化でほつれてきました。シートベルトの部分が当たって擦れてしまうようです。


調べた結果、「当て布」を貼るのが簡単らしいので、100円ショップでジーンズっぽい厚手生地タイプの素材を購入してきました。本当は赤い色が良かったのですが、見つかりませんでした・・・


シートの貼り付けはアイロンで温めるタイプでした。曲面に張り込んでいったのですが、完璧とはいえず・・・浮いてしまった面は切削してしまいました。長年愛用しているマイシートですから、勲章と思うことにします。


ベルトを当ててみると、いい感じにガードされるので、暫くはこの状態でいこうと思います。

ロードスターには様々なチューニング・ドレスアップパーツがありますが、シート交換の効果は別格です。純正ハンドリングの潜在能力を試したい方は、チャレンジして損はないチューニングかと思います。

関連情報→

AZ-1のフルバケットシートを流用する

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